日曜ドラマ「美食探偵」も人気 東村アキコの作品にほぼ必ず「東京タワー」が描かれるワケ
2020年5月17日
知る!TOKYOたびたびドラマ化されている東村アキコの漫画作品。作中にはよく東京タワーやスカイツリーが描かれています。そこには、どのような意味が読み取れるでしょうか。法政大学大学院教授の増淵敏之さんが解説します。
東京の象徴としての建物・塔
ここ数年、漫画家・東村アキコ作品が相次いでテレビドラマ化されています。

テレビドラマや実写映画は近年、漫画原作のものが増えたと言われていて、オリジナルの作品が面白い脚本に巡り合えないのではないかという危惧も持たれているようです。
しかし筆者(増淵敏之。法政大学大学院教授)は、単純に漫画作品のなかに映像化したくなるものが増えているということなのだろうと解釈しています。
2020年5月現在、日本テレビ系で日曜日の夜22時30分から放送しているドラマ「美食探偵 明智五郎」も東村アキコ原作です。この作品はコミック誌「ココハナ」(集英社)に2015年に読みきりで掲載され、その後、連載化されました。「グルメ + 探偵もの」という切り口が新鮮で、単行本もすでに6巻刊行されています。
主人公の探偵、明智五郎は東京・表参道で「江戸川探偵事務所」を営みながら、「東京美食倶楽部」も主宰しています。
つまり彼は探偵でありながら、美食家でもあるのです。美食に対する決めせりふは「悪くない」「最後の晩餐の候補に入れておこう」です。
相棒は明智の探偵事務所の向かいでワゴン販売の弁当屋「イチゴ・デリ」を営む小林苺(いちご)です。彼女の作る弁当を明智は高く評価しており、ただツケでそれを買うという癖があり、彼女は迷惑がっています。しかし明智が彼女を「小林1号」と呼び、時には調査の助手も務めたりもします。
この設定は、江戸川乱歩の明智小五郎ものを踏襲しています。「名探偵コナン」もそうですが、江戸川乱歩、恐るべしです。現代でも乱歩作品はいまだに大きな影響を持っていることが理解できると思います。やはり日本では探偵ものの古典といえるべき存在になっているのでしょう。
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