NHK連続テレビ小説でおなじみ 東京女子大御三家「日本女子大」とはどのような大学なのか

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NHK連続テレビ小説でおなじみ 東京女子大御三家「日本女子大」とはどのような大学なのか

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中山まち子

教育ジャーナリスト

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日本女子大学は東京の「女子大御三家」のひとつとして、これまで優れた人材を数多く輩出してきました。そんな同大について、教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。

女子大学のニーズはなくなったのか

 大学、または大学院に在籍する女子学生の割合は年々増加し、2019年度に過去最高の44.3%を記録しました。しかし女子の大学進学率上昇と反比例するように、女子大学が減少しています。

 武庫川女子大学教育研究所(兵庫県西宮市)の調べによると、1998(平成10)年の98校をピークに共学化や統合などが進み、現在は国公私立大合わせて77校となっています。

 こうした状況を鑑みると、女子の進学先として共学校が選ばれ、既存の女子大学が苦戦していることがうかがい知れます。

日本女子大学の外観(画像:(C)Google)



 今回は、東京にある女子大学の御三家のひとつで国内有数の歴史を誇る日本女子大学(文京区目白台)を取り上げ、取り巻く環境を考えていきます。

都内女子大学の中で有数の歴史を誇る

 日本女子大学は、女子教育の重要性を説いた教育家である成瀬仁蔵が1901(明治34)年に創立。成瀬の考えに共感した広岡浅子は、大隈重信や実家の三井財閥などの政財界に働きかけを行い、三井財閥から大学の本部を置く目白キャンパスを寄贈されました。

 広岡浅子は、2015年に放送されたNHK連続テレビ小説『あさが来た』のヒロイン・白岡あさのモデルとしても知られています。

1909(明治42)年に測図された地図。中央に見える「女子大学」が日本女子大学(画像:時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ3」〔(C)谷 謙二〕

 私立の女子大学としては唯一の理学部を含む4学部15学科で、大学院は5研究18専攻を学べる総合大学です。また2021年度から、西生田キャンパス(神奈川県川崎市)を目白キャンパスに移転統合し、都心回帰を進めています。

 日本女子大学は1906年から付属幼稚園や小学校も開校するなど、先駆者として女子教育を長年けん引してきましたが、ここ数年の大学受験志願者数の推移を見ると、2016年からの私大定員厳格化も絡み、今後の予測は難しくなっています。

志願者の増減の幅はあるが定員割れとは無縁

 日本女子大学のウェブサイトに記載されている過去年度の入試結果を見ると、志願者数は2015年度の1万690人を底に増減を繰り返しており、2019年度は1万4000人を突破しています。しかし、このまま安定した増加が続くのかどうかは読めません。

 しかし志願者数が常に1万人を超えているのに対し、2019年度の合格者数が約4400人であることを考えると難関大学であり、人気が落ちているとは一概に言えません。

日本女子大学のウェブサイト(画像:日本女子大学)



 そんななか、特に注目すべきは自己推薦枠の増加と志願者の急増です。2015年度に理学部のみで実施、70人だった志願者は2019年度に理学部と文学部、家政学部の被服科、人間社会学部の社会福祉科と文化学科を対象に拡大したこともあり、志願者数は437人まで伸びました。

 女子学生は安全志向や現役志向が強いため、早い段階から志望者を囲い込みたい大学側の思惑と、推薦制度を利用して手堅く合格したい女子学生の思惑が垣間見えます。

 私大定員厳格化の影響や他大学との兼ね合いで、一般入試の予測は常に流動的な状況が続くなか、自己推薦枠を狙う受験生は今後も増えるのは確実でしょう。

多種多様な就職実績

 日本女子大学のインターンシップは、大学を経由するものと学生が自ら応募する自由インターンシップの2種類があります。

2019年3月卒業者の進路状況(画像:日本女子大学)



 前者は霞が関を筆頭に、官庁や区役所などの自治体から、三井住友銀行、りそな銀行といったメガバンク、野村証券などの大企業に参加でき、後者は日本IBMや日本生命、ドンキホーテホールディングス、叙々苑などと、個性豊かな企業が名を連ねています。

 2018年度の卒業生のうち、就職を希望する全学部生の就職率の平均値は99%と驚異的です。また就職先も、幼稚園教諭からメガバンク総合職、狭き門であるキー局やNHK、地方局のアナウンサーまで、多種多様です。

 このような結果は、大学の長い歴史とOGの実績によるものと言って過言はないでしょう。

女性が活躍する社会実現に向けて

 日本女子大学は1966(昭和41)年から、社会貢献できる人材育成を目指して教養特別講義を実施しています。必修科目の講義では大学理念のほかにも、さまざまな分野で活躍している講師を招くなど、学生時代から広い視野を持つ大切さを伝えています。

令和は女性活躍の時代(画像:写真AC)

 さらに1年次から選択できるキャリア形成科目を準備し、在学中から、結婚出産で起きる変化を学び、ライフプランを考えるきっかけを作っています。女性のキャリア育成に関する知識を増やすことを目指し、来るべき就職活動に備えるよう促しています。

 かつてのように、女子大学を進学先の候補として真っ先に上げるケースは少なくなってきました。しかし、これからの社会は自ら行動する女性を求めているため、女子大学の強みを前面に出せば、これからの受験生を引きつけることができるでしょう。

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