南極の英雄犬「タロとジロ」が上野と札幌で離れ離れになっている理由

南極観測隊に同行して極寒の地へ渡ったカラフト犬の兄弟タロとジロ。2頭の奇跡の生還劇は、多くの日本時の心を揺さぶりました。時を経て今、東京と北海道に離れている2頭。ノンフィクション作家の合田一道さんは2頭を「一緒にしてやりたい」という思いを強くしています。


離ればなれの2頭を一緒にしてやりたい

 南極観測で活躍したカラフト犬の「タロ」のはく製が、北海道大学植物園内の博物館(札幌市)にあるのをご存じでしょうか。

タロジロと奇跡の再会を果たした、日本南極観測隊第一次越冬隊の北村泰一氏(画像:小学館集英社プロダクション)

 でも、一緒に生き残った「ジロ」は南極・昭和基地で亡くなり、祖国へ運ばれてはく製になりました。現在は国立科学博物館(台東区上野公園)内に置かれています。

 少し前の話ですが、いまは亡き芥川賞作家の高橋揆一郎(たかはし きいちろう)さんらが、2頭を一緒にしてやりたいと呼びかけたものですが、実現しないまま時が流れました。

 札幌でタロの姿を見るたびにふびんさが募るのは、あのとき、観測隊がイヌを置き去りにしてきた行為が、いまなお心に引っかかるからでしょうか。

ブリザードに見舞われた観測船「宗谷」

 わが国の南極観測隊が初めて現地に入ったのは1956(昭和31)年。観測隊は1年間にわたり探検、調査を続け、同行した22頭のカラフト犬は荷物の運搬などに従事しました。

 交代期になり、観測船宗谷(そうや)が次の観測隊員を乗せて、南極大陸に近づきましたが、ブリザードが吹き荒れて接岸できません。やむなく第1次越冬隊11人を飛行機で運び、船に移しました。しかし15頭のイヌを運ぶことができません。

 隊員たちは「すぐに次の越冬隊がくる。かわいがってもらうんだよ」と言いながら、鎖でつなぎ、食料を置いて、後ろ髪引かれる思いで帰国したのです。

 だがブリザードは収まらず、第2次越冬隊も送り込めないまま引き上げました。それを知った全国の子どもたちから「イヌがかわいそう」と非難の声が上がりました。救出を願う署名運動が行われ、8000人が署名しました。

1年後に発見された2頭「生きている!」


【画像】第一次越冬隊とともに南極で奮闘した犬たちの雄姿を見る

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