コロナ禍で二極化する「クリスマス」の過ごし方 あたなは自宅パーティー派? クリぼっち派?
外出自粛で「自宅派」が多数 新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年はクリスマスも自宅で過ごすという人が大半のよう。 エン婚活エージェント(渋谷区代々木)が2020年11月に20~30代男女1047人を対象に行ったアンケートによると、クリスマスの予定を「自宅でまったり」と答えた人は全体の6割超(既婚者62.9%、未婚者60.1%)。 2番目に多いのは、既婚者が「自宅でホームパーティー」(22.4%)で、未婚男女は「まだ決まっていない」(23.6%)。いずれにしても2020年は、外出先での予定を組む人はごく少数にとどまる情勢です。 おうち需要を見込んだ商品多数 コロナ禍のこうした消費者動向を踏まえて、各メーカーや飲食店などもこぞって「おうちクリスマス」商材に力を入れています。 なかでも目を引くのは、「どこへも出掛けられないのなら、自宅でいつもよりちょっと豪華に楽しもう」という“おうち贅沢(ぜいたく)”需要を見込んだ高級ラインの商品展開。 港区北青山などで本格イタリアンレストランを展開するベストブライダル(渋谷区東)は「今年のクリスマスデートは、ワンランク上の『おうちレストラン』」と銘打ったパーティーセットを発表。 イタリアンのフルコース2人前とシャンパンハーフボトルに加えて、テーブルクロスやキャンドル、クリスマスツリーなどもセットにしたテイクアウトメニューを2020年12月19日(土)~26日(土)まで販売します。 自宅でレストラン並みの高級演出自宅でレストラン並みの高級演出 牛肉とフォアグラのポワレ、オマールエビのロースト、アワビのステーキなど7品で2人前3万5000円(税込み)。ショートケーキも付いたセットは4万2000円。 「大切な人や家族と過ごす聖夜にふさわしい、アートのような料理の数々とラグジュアリーなテーブルコーディネート、ツリーの装飾で、自宅でのクリスマスパーティーをロマンチックに」とアピールします。 テーブルクロスやキャンドルもセットになった、おうちデートを楽しめるイタリアンコース(画像:ベストブライダル)「おうちで過ごすクリスマスを格上げ!」というキャッチコピーでプチ贅沢メニューを発売するのは、有名ファッションブランドを多数展開するベイクルーズ(渋谷区東)のグループ会社フレーバーワークス。 ロブスターのグリルやローストビーフ、チーズサンドイッチ、シーフードスープなどをセットにした「LUKE’S LOBSTER X’masアソートボックス」を渋谷ヒカリエ ShinQs(同区渋谷)で限定受注中です。 2020年に話題になった人気のクラフトコーラもセットになって、こちらは4人前1万円(税抜き)。先ほどのイタリアンコースがカップル向けなら、こちらは限られた仲間内で楽しむミニ・ホームパーティー用といったところでしょうか。 ひとりを楽しむ人向けド迫力メニューひとりを楽しむ人向けド迫力メニュー 一方、誰も彼もにクリスマスを一緒に過ごす相手がいるとは限りません。 数年ほど前から「クリぼっち」(クリスマスをひとりぼっちで過ごすこと)という造語が使われるようになったように、この時期をひとりで迎えるという人は今やざら。未婚率と単身世帯率が極めて高い東京であれば、なおさらです。 「できるだけ不要不急の外出を控えて」(小池百合子東京都知事)と要請されている2020年。ひとり自宅で過ごすクリスマスをこの際思いきり楽しむ方法はないものか? そう考える単身者に向けて、外食チェーン「伝説のすた丼屋」などを展開するアントワークス(中野区中野)が強烈な丼メニューを発表しました。 その名も「極楽 肉ニクにく ツリーすた丼」。 「クリぼっちへささげる一杯」のクリスマスツリー型すた丼(画像:アントワークス) 茶碗約3杯分の大盛り白米に、通常メニューの約2倍の肉、雪に見立てた大量のチーズ、ひと口では食べきれない大きさの唐揚げ4個、大判の揚げハンバーグ2枚を盛り付けた1杯です。 トッピングにクリスマスカラーのキムチ(赤)と青ねぎ(緑)をのせて、頂上に星形のにんじんを飾り付けたツリー型。肉の総量約660g、総重量は1.5kgという、驚異のホリデーシーズンメニューに仕上がっています。 「コロナで増加? クリぼっちへささげる一杯」という誘い文句で、「せめておいしいもので胃袋を満たして、ひとりぼっちを極めて楽しみ、最高のクリスマスにしてもらいたい!」とメッセージを発信しています。 独身男性は約半数が「ひとり」で独身男性は約半数が「ひとり」で テイクアウトは1690円(税込み)。「家(い)で無邪気に(む)クリスマス(く)」の語呂合わせだという価格設定のダジャレも、嫌いじゃない人、多いのではないでしょうか。 ちなみにデリバリーは1890円。「家まで(い)運ぶぜ(は)クリスマス」に掛けているのだそうです。 ※ ※ ※ 冒頭に紹介したクリスマスの過ごし方調査によると、「ひとりで過ごす」と答えた未婚男性は約半数(48.4%)、未婚女性では約3人にひとり(30.4%)に上ります。 未婚男女に聞いた、2020年クリスマスの予定。「ひとりで過ごす」が男性は1位、女性は2位(画像:エン婚活エージェント) 例年なら何の予定もないことに気後れしてしまう場面もあったかもしれませんが、2020年はコロナ禍を理由に自宅で過ごすという人が多数。せっかくなら自分の思うままに弾けたプランを考えるのも楽しそうです。 誰かと過ごす、ひとりで過ごす。パーティーを開く、いつも通り過ごす。クリスマスだからといって特別なことは何もしない――。多様な過ごし方がそれぞれに広がりを見せて、今や決まったスタンダードなどない時代。 でも、差し迫る年越しを前に1年のねぎらいを込めて、ちょっとだけ贅沢を楽しむというのは、アリのような気もします。
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