有名店の名物をそのまま出しちゃう「他力本願」なカフェバーが浅草にあった【連載】東京レッツラGOGO! マグロ飯(13)

  • カフェ・スイーツ
  • 新御徒町駅
  • 田原町駅
  • 稲荷町駅
有名店の名物をそのまま出しちゃう「他力本願」なカフェバーが浅草にあった【連載】東京レッツラGOGO! マグロ飯(13)

\ この記事を書いた人 /

下関マグロのプロフィール画像

下関マグロ

サンポマスター、食べ歩き評論家

ライターページへ

浅草に2019年12月にオープンした、有名店の名物をそのまま出す「他力本願」なカフェ。しかも店主は俳優の坂本真さんです。食べ歩き評論家の下関マグロさんが解説します。

大人気店のパンが食べられるバー

 浅草の名物でありながら、なかなか手に入らないものがあります。そのひとつがペリカン(台東区寿)のパンです。

 突然食べたくなって買いに行っても、ほとんど購入できません。確実に手に入れるには電話予約が必要です。でも大丈夫。ペリカンのパンを食べられる喫茶店やカフェが浅草エリアにはたくさんあります。そのひとつが「ブックカバー浅草」(台東区浅草)です。

 2020年のお正月。浅草で営業しているお店をインターネットで探していたら、こちらが出てきたので、早速出掛けてみました。

ビートたけしが愛した「鯨すじ煮込み」もある

 お店は、千束通りにある「デイリーヤマザキ」が1階に入ったビルの2階にありました。店頭には、メニューなどが書かれた黒板が置かれています。

 黒板によると、振る舞い酒が用意されているとのこと。お正月だからですね、なんともうれしいサービスです。

迎えてくれた、俳優兼店主の坂本真さん(画像:下関マグロ)



 こちらのお店の最大の特徴は、各地の名物を提供していることです。例えば、鯨料理店「捕鯨船」(同)の「鯨すじ煮込み」の缶詰がありました。

「捕鯨船」は、ビートたけしさんが2019年の紅白歌合戦で歌っていた「浅草キッド」に出てくるお店として知られています。この煮込みは、同店が監修している缶詰なんですね。

 残念ながら、ペリカンのパン(バタートースト)はお正月のためか、ありませんでした。しかしあまりにもユニークなお店なので、お話をうかがうために後日再訪問しました。

店のスタイルは「他力本願」

 店主は坂本真さん。どこかで見たことがあると思ったら、実は俳優で、テレビのドラマなどにも出ていらっしゃったんですね。

雷門にある精肉店「松喜」の肉を使った「肉カレー」(650円)。ライスを付けるとプラス200円(画像:下関マグロ)



――お店はいつオープンされたのでしょうか。

 2019年の12月です。

――お店を出された経緯を教えてください。

 妻の父が革職人なので、革小物などを販売できるようなお店を探していたのです。それで、たまたまご縁があってこの場所を居抜きで借りられたのです。

 そうしたらカフェ・バーも併設されていたので、せっかくだからやってみようということになったんです。

――坂本さんは調理経験ってあるのでしょうか。

 いえ、アルバイト程度の経験しかありません。だから、「他力本願」で行こうということになったんです。ほかのお店の名物をそのまま出すという方法ですね。

 そのほうが安心で安全ですからね。あとは浅草で暮らす中でおいしいものをたくさん知り、それらを紹介したいという考えがあって、こんなスタイルになりました。おこがましくも勝手に、「下町の食のセレクトショップ」だと思ってます。

――坂本さんって、浅草出身なんでしょうか。

 僕は茨城県出身なんですが、10年ほど前に結婚してから浅草に住んでます。食べ歩きや飲み歩きが大好きなので、普通の飲食店のようにおいしいものを作って提供するのではなく、おいしいものを見つけて、お店で取り扱うというのもいいかなと思ったんです。で、お店に扱っていいか交渉して、オーケーが出たら取り扱っています。

――なんだか、バイヤーのような感じですね。断られることもあるのでしょうか。

 ありますね(笑)。

※ ※ ※

 おもしろいメニューは、雷門にある「松喜」(台東区雷門)というお肉屋さんで買ったお肉でつくるカレーです。カレーが650円で、ライスは200円。お酒のさかなにカレーだけでもいいし、ライスをつけてカレーライスにしてもいいんですね。これ、めちゃくちゃおいしいんです。おすすめ。

浅草開花楼の麺を使ったナポリタンも

 今回、この原稿を書くために最新のメニューを送ってもらったのですが、「浅草開花楼のナポリタン」(800円)というのがありました。

「ブックカバー浅草」の最新メニュー(画像:下関マグロ)



 浅草開花楼(台東区元浅草)は非常に有名な老舗の製麺所です。めちゃくちゃ気になりますねぇ。これは、また行かなくちゃなぁ。

 ちなみに筆者(下関マグロ)がうかがったときは15時オープンでしたが、現在は17時オープンとなっています。お休みは火曜日です。

 メニューはそのときにあるもので構成されていて、結構入れ替わるそうです。これも「一期一会」ということで、なにがあるかは行ってみてのお楽しみということでしょうか。

 皆さんも奥浅草に行った際は、「ブックカバー浅草」へ寄ってみてはいかがでしょうか。

関連記事