「トリコロール本店」エクレアとふたつの”アンティーク” | 老舗レトロ喫茶の名物探訪(3)

2018年10月27日

お出かけ
ULM編集部

赤れんがの建物入り口の回転扉。半回転すると、クラシカルなヨーロッパ調の佇まいが目に飛び込んできます。創業当時より、文化人や新劇の俳優などのお目当てとなったという名物を楽しむことができます。


銀座の喧騒を逃れ、気分はパリジェンヌ?

 人影まばらな銀座の朝8時前。訪れた9月初旬、銀座5丁目にある「トリコロール」本店の前では、すでに数人が開店を待っていました。

 赤れんがの外壁前に、ヨーロッパを思わすレトロなガス灯、アイビーの葉に覆われた窓辺の花飾台横にはフランス国旗。そして、入り口の木製の回転扉が、この一角だけを異空間のような空気で包んでいます。

トリコロールの外観(2018年9月6日、宮崎佳代子撮影)。

 扉を半回転させて中に入ると、一転してパリのような雰囲気。店内は「ボンジュール!」とフランス語が飛び交いそうな趣で、コーヒーの香りが漂ってきます。

天井の高い1階。カウンター席に加えて、回転扉のそばと奥にも客席がある(2018年9月6日、宮崎佳代子撮影)。

 トリコロールの創業は1936(昭和11)年。コーヒー豆の販売をしていた故・柴田文次氏が、その美味しさを世間に広めようと、銀座にもとよりあった「トリコロール」を譲り受けて開店しました。
 
 2階建ての店内にはらせん階段があり、入口のガラスにはフランス風の「いたずら書き」のような女性の絵。客席に大きさの異なる大理石のテーブルを配置するなど、当時より洒落(しゃれ)た喫茶店だったそうです。

 同店舗は戦時中に焼けてしまい、再建された2代目は1982(昭和57)年に現店舗に改築されました。天井の高い1階、自然採光の天窓が設けられた2階。さらに、ヨーロピアンアンティーク調のインテリアが非日常感を演出していて、銀座の真ん中にいながら、心地よくゆったりと寛げます。

クラシカルなアンティーク調インテリアの2階は、自然光を取り入れるための天窓がある(2018年9月6日、宮崎佳代子撮影)。

「はかなさ」が感じられるモボ・モガが愛したエクレア


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