『鬼滅の刃』大ブーム到来で注目すべきは「大正時代」と「浅草」だ
2020年3月2日
知る!TOKYOシリーズ累計発行部数が4000万部を突破した人気漫画『鬼滅の刃』。その舞台となる浅草の風景について、法政大学大学院教授の増淵敏之さんが解説します。
累計発行部数が4000万部突破のモンスター作品
皆さんは『鬼滅の刃』をご存じでしょうか?
『鬼滅の刃』は2016年から「週刊少年ジャンプ」で連載されている、漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)が描く作品です。2020年1月28日(火)時点で、シリーズ累計発行部数が4000万部(電子版含む)を突破しました。

「オリコン年間コミックランキング 2019」でも、期間内の売り上げが1205.8万部を記録。第1位となっています。
アニメ作品も2019年の4月から9月までテレビ放送され、原作の第1巻から第7巻の冒頭までの物語で構成されています。
描かれる大正時代の浅草と吉原
物語では、主人公の剣士・竈門炭治郎(かまど たんじろう)が、家族を殺した「鬼」と呼ばれる敵と戦ったり、鬼となった妹の禰豆子(ねずこ)を人間に戻す方法を探したりする様子が描かれています。
ハードな描写が印象的ですが、むしろ筆者(増淵敏之。法政大学大学院教授)が興味を持ったのは、舞台となっている大正時代についてです。作中では当時の浅草や吉原などが描写されており、アニメの方が事実に幾分即した風景描写となっているように感じます。

東京に出てきて、夜の浅草へ足を踏み入れた炭治郎と禰豆子。農村地域で育った炭治郎はその眩(まばゆ)いばかりの浅草に驚きます。
この時代の日本は明治維新によって文明開化へ向かい、和から洋への転換がなされていました。作品からわかるように、実際は和服姿が洋装よりも多いのですが、洋装も「大正モダニズム」のひとつの象徴として表現されていると考えられます。その後、次第に洋装が増えていき、「昭和モダン」へと至るのです。

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