1980年代の女性たちはなぜ強く、たくましかったのか?
2020年2月18日
ライフルポライターの昼間たかしさんが、1986年の男女雇用機会均等法施行前後の女性の置かれた環境ついて解説します。いったいどのように変わったのでしょうか。
「お茶くみ」という言葉が当たり前だった過去
インターネット上では近年、「フェミニスト」を名乗る人たちの発言が話題になったり、女性の権利に関する議論が盛んになったりしています。またそのほかの人権に関しても、時代とともに問題は解決されているように見えます。その点、世の中は確実に進歩していると言えるしょう。
さて日本の現代史に目を通すと、女性が「時代の主役」になっていく変化をいくつも見ることができます。そうした中でも、1986(昭和61)年の「男女雇用機会均等法」の施行は大きな時代の転換点でした。

昔は会社の来客時に、「今、女の子にお茶を入れさせていますので……」なんていうのはザラでした。結婚したら寿退社が当たり前で、「お茶くみ」なんて言葉も当たり前だったのです。
「課長 島耕作」からわかる80年代初頭の日本社会
そうした時代の歴史記録になっているのは、漫画家・弘兼憲史さんの代表作「課長 島耕作」の初期でしょう。この作品が始まったのは1983(昭和58)年のこと。今では「相談役 島耕作」となり、スーパーサラリーマン物語ですが、初期はもっと日常系の作品でした。

そこで描かれる会社の風景は、今では考えられません。女子社員は、朝早く出社してオフィスを掃除。お茶くみや灰皿の用意も当然の仕事。唯一良い点は、ほぼ全員が正社員として雇用されているあたりでしょうか。
マンガ表現として誇張されていることは否定できませんが、1980年代初頭の社会における、働く女性のほぼ偽らざる姿を描いているといってよいでしょう。
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