あなたのお気に入り作品も入ってる? 東京都の「不健全図書指定」という名ばかり制度をご紹介
2019年12月16日
ライフ1964年から始まった東京都の不健全図書指定制度について、ルポライターの昼間たかしさんが解説します。
東京都の「不健全図書指定」とは何か
元号が平成から令和へ変わった2019年、東京都庁内の部署名も変わりました。
その中でも大きかったのは、「東京都青少年・治安対策本部」が「東京都都民安全推進本部」へと名称を変えたことです。もともと東京都青少年・治安対策本部は石原慎太郎都知事時代(1999~2012年)の2005(平成17)年8月、緊急治安対策本部や生活文化局都民生活部などを統合して発足した組織でした。
当時は、街にゴミのポイ捨てや放置自転車などが存在しているとやがて凶悪犯罪が増加するという「割れ窓理論」が大流行した時代。都内のあちこちに民間自警団が誕生したり、「歌舞伎町浄化作戦」などの取り組みも実施されたりして、ものすごく「監視されている感」が強まった時期でした。
それから十数年が経ち、監視カメラは増えました。しかし、行政は強権的な犯罪抑止施策をとることに疲弊。それが今回の組織変更の背景にあるように思えます。
組織変更で大きく変わったのが、青少年課から若年支援課への名称変更です。これまでも上位の組織名の変更はあったものの、青少年課という名称は長らく使われてきました。その消滅には、時代の変化を感じざるをえません。
どこの地方自治体でも青少年の問題を取り扱う部署はありますが、東京都の青少年課が特徴的だったのは「不健全図書指定」を毎月実施していたことです。これは1964(昭和39)年、東京五輪を契機に生まれた制度です。

その内容は、18歳未満に読ませるべきでない暴力や性表現を扱っている雑誌や書籍を指定し、18歳未満に対して売らないよう、書店などに告知する制度です。

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画