もはや子どもは親の「投資対象」なのか――増加する都内世帯の教育費から考える
2019年11月20日
ライフ萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言で浮き彫りとなった、地方と大都市圏の教育格差。これらの課題は今後どのようになり、また背景には何があるのでしょうか。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
全国と東京23区の教育費の変動
2020年度から実施される予定だった大学入試共通テスト。しかし英語の民間テスト導入を巡る萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言で、地方と大都市圏での機会格差や教育格差が浮き彫りとなり、メディアで大きく取り上げられました。
一般的に子どもにかける教育費は、大都市圏の家庭の方が多いと言われています。しかし全国平均と比べ、どの程度の開きがあるのかはあまり知られていません。今回は、東京23区の教育費の変動や増加傾向が続く原因を探っていきたいと思います。

総務省が実施する家計調査で、1か月にかかる教育費に関して、世帯がふたり以上かつ勤労者世帯の全国平均と東京23区を比較してみると興味深いことが分かります。
2000(平成12)年度の全国平均は1万8261円、東京23区では2万4862円と差は約6000円でした。教育費は2014年にいったん底になり、その後は増加傾向に転じています。2014年度の全国平均は1万8094円、23区は2万2037円と差は約4000円。しかし現在はさらに拡大しています。
2018年度を比べてみると、全国の教育費は1万9131円と1000円程度の増加に対し、東京23区の教育費は3万5932円と4年間で1万3000円以上も増加しているのです。両者の差は約1万5000円になり、数値だけ見ても地域格差は明らかとなっています。

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