「インターネット化」する現実社会 ヒントは異様なまでの「うんこミュージアム」人気にあった
2019年11月19日
お出かけ「体験」や「コト消費」は今や、集客の重要なキーワードになっています。これほどの支持を集める理由は一体何でしょう。文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが、体験・コト消費の最前線をリポートします。
客を呼び寄せ、滞在させるための装置
近年、「体験」や「コト消費」が集客のキーワードとなっています。さまざまな業態で体験型施設やアクティビティを導入しており、レジャー施設やミュージアムでも体験を冠したアトラクションやイベントが次々に投入しています。
しかし一口に体験・コト消費と言っても漠然としたものであり、実態がつかめません。この体験・コト消費が意味するところは何でしょうか?

集客施設における体験・コト消費について考えると、体験についてはミュージアムにおいて比較的早い時期から意識されていたと言えます。
博物館や科学館開発が活発だった1980年代に、動きのない展示物に対していかに興味を持ってもらうかという観点から、積極的に体験要素が検討されるようになりました。さらに、当時の技術革新によってインタラクティブな展示手法が取り入れられるようになりました。
科学実験教室や工作教室といった参加・体験型ワークショップでも次々に導入されました。装置産業が主体であったレジャー施設においては、体験の概念が取り入れられるようになったのは比較的最近のことです。
一方、「コト消費」は商業施設の開発で使用されていたキーワードです。
1990年代のRSC(リージョナルショッピングセンター。日常品から高級品までワンストップでのショッピングが可能で、さらに映画館やフィットネススタジオ、カルチャースクールなどを複合した大型商業施設)の開発黎明(れいめい)期、「コト消費」という言葉は企画書によく挙げられました。
RSCはニューファミリーを対象に1日滞在できる複合施設を目指していたため、コト消費はその施設で過ごすことを目的としたレジャー業態やカルチャー業態など「時間消費機能」のキーワードとして使用されてきました。

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