残暑で萎えた体を吹き飛ばす、真紅にたたずむ極上辛口カレーライス 御茶ノ水「JAZZ OLYMPUS」
2019年8月31日
ライフもうすぐ9月ですが、まだまだ夏の暑さを感じます。そんな暑さを吹き飛ばすようなスパイシーでおいしいカレーを、カレー研究家の小野員裕さんが紹介します。
店名は名スピーカーから
昭和初期創業の老舗ホテル「昇龍館」。その1階にある喫茶店「JAZZ OLYMPUS(ジャズ オリンパス)」(千代田区神田小川町)はオープンから8年ほど経ちます。

店内に一歩足を踏み入れると、重厚なJBLのスピーカーからダイナミックな音が響き渡っています。ジャズのアナログ盤にこだわったジャズファン、オーディオ通が集う憩いの空間は、昼はランチ、夜はバーに姿を変えます。
私が同店を初めて訪れたとき、まさかこんな洒落た空間に胃袋を躍動させるカレーがあるなんて想像もしていませんでした。
「店をオープンするとき、お客さんにランチの時間を有効に過ごしてもらえるメニューはないかって考えたんです。そうだ、僕の好きなカレーを出せばいいじゃないか、って思いましてね……」
と語るのは、飄々としてフレンドリーな店主の小松誠さん。ちなみに「JAZZ OLYMPUS」という店名は、JBLの名器「OLYMPUS」の商品名から拝借したものだそうです。
小松さんが大好きだったカレー屋は、なんと私も魅了されていた日本橋室町にあった「インド風カリーライス」。いまは閉店してしまいましたが、毎日のように通ったそうです。そう言われてみればここのカレー、色合いといい、スープ状のサラリとした感じといい、どこか「インド風カリーライス」を彷彿とさせるものがありますね。
カレー作りもオーディオ通ならでは
オープン当初、カレー作りに思考錯誤する中、国会図書館に訪れてヒンディー語のインド料理本を訳すほどの凝りようだったという小松さん。

試作6品の中で唯一、「これはいける!」とひらめいたカレーが、現在提供されている「赤いチキンカレー」です。その理由は見た目のインパクトと、やはり大好きだった「インド風カリーライス」の味わいに限りなく近かった、というのが決め手のようです。
「オーディオ機器って、アンプやスピーカーのパーツを変えるだけで音ががらりと変わるんですよ。カレーも一緒で、食材や各メーカーのスパイスを吟味しながらカスタムして、ブラッシュアップさせたのが、このカレーなんです」
と、オーディオ通ならではのカレー作りへのこだわりが面白い。
「赤いチキンカレー」と命名されたカレーは、まさに真紅に輝く色合い。そのカレーを見た途端、誰もが食欲がかきたてられるのではないでしょうか。

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