南青山の一角に「今治タオル」の店ばかりが集まっているワケ
2019年7月28日
知る!TOKYO大通りの喧騒から離れた南青山の一角に、今治タオルの店が5軒あります。なぜ同じブランドの競合店が東京の同一エリアに集結しているのでしょうか。その理由を探りに、店舗を訪れました。
大物クリエイティブ・ディレクターの心も動かす
地場産業のブランディング成功事例として、しばしば名前の上がる「今治タオル」。今や、その存在を知らない人は珍しいといえるほどの人気ブランドです。
この今治タオルの店が南青山の一角、徒歩5分以内に5軒もあります。今治タオルの隠れ名所のごとく、同じブランドの競合店が東京の同一エリアに出店しているのはなぜなのでしょうか。その背景を知るべく、店舗を訪れました。

そもそも、OEM(相手先ブランドによる生産)製品含め数多のブランドがある日本のタオル市場において、地場産業の一ブランドがなぜここまで人気と知名度が上がったのでしょうか。
今治タオルはおよそ120年の歴史をもつ、愛媛県今治市の産業です。それが1990年代、バブル崩壊や安価な海外製品への消費動向により衰退の一途を辿り、2000年代には企業数が半数近くに減りました。
その起死回生を図るべく、四国タオル工業組合(現・今治タオル工業組合)はブランディング化を目指し、クリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和さんに再生プロジェクトのプロデュースを依頼。今治タオルを実際に使ってみた佐藤さんがその品質に惚れ込み、引き受けたそうです。
佐藤さんによる今治タオルの再生プロジェクトの成功には、「安心・安全・高品質」を徹底した「品質基準」の設定が挙げられます。とりわけ吸水性を重視した「5秒ルール(タオル片を水に浮かべて5秒以内に沈み始める)」が品質と評判を高め、認知度が飛躍的にアップ。12の独自基準をすべて満たしたタオルを「今治タオルブランド」に認定し、ロゴマークを品質保証マークとして機能させたことも知名度を上げました。
そして2012(平成24)年、今治タオル工業組合は南青山5丁目に県外初のオフィシャルショップ「今治タオル 南青山店」をオープンしました。
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