全フロアに漂う強烈な個性 サブカルの聖地「中野ブロードウェイ」、時空を狂わす魅力と歴史を振り返る
2019年7月28日
お出かけ新宿から5分の場所に混とんとした空間があります。その名も「中野ブロードウェイ」。サブカルの聖地と知られる同商店街の歴史と魅力について、都市探検家の黒沢永紀さんが解説します。
アメリカの複合施設がお手本
秋葉原と対をなす、西のサブカルの聖地・中野ブロードウェイ。全国の商店街を対象にした調査で、繁盛しているのはわずか2パーセントという現在、開館から50年以上も経ちながら、令和の今もおおいに繁盛する中野ブロードウェイの魅力に今回、迫ってみたいと思います。

中野ブロードウェイ(NBW)は、中野駅北口のサンモール商店街と早稲田通りを繋ぐような形で建つ、地上10階・地下3階の複合ビルです。まだ複合ビルというものが珍しかった1966(昭和41)年の竣工当時、その規模は「東洋一」とまでいわれたとか。開業時にはなんと15万人もの客が詰めかけたといいますから、その話題性が伺えます。
NBWの歴史は、昭和30年代に始まります。住宅街によって寸断されていた、中野北口美観商店街(現 サンモール商店街)と昭和通り(現 早稲田通り)を繋げるべく、中野北口開発株式会社が4階建ての下駄履きアパート(1階が商店、2階以上が住居構造のアパート)を計画するも、ほどなく資金難で頓挫。
その後を継ぐように、高級ヴィンテージ・マンションで知られる東京コープの宮田慶三郎が、アメリカで見聞した複合施設を手本に、大規模な複合ビルの建設を計画しました。
難航を重ねた土地買収や北口商店街の猛烈な反対を制して完成したのがNBWです。オープンから5年で経営難に陥り、あえなく自主管理体制となりますが、今でも居住階への入口には、正式名称の「CO-OP BROADWAY」の表示が残されています。
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