代々木上原「日本最大のモスク」に人気スイーツ店があった、イスラム教の厳格イメージはいずこへ?
2019年7月28日
お出かけ約146万人といわれる日本国内の外国人労働者(2018年10月末時点)。その数は年々増加傾向にありますが、日本に住む人たちは彼らについてよく知っているとはいい難い状況です。アジアに関する多くの著書があるライターの室橋裕和さんが、代々木上原にある日本最大のモスクについてレポートします。
代々木上原駅から徒歩5分
皆さんはハラルフード(イスラム教徒が食べることを許される食品)と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか。堅苦しい戒律や、イスラム教の厳格さを連想するかもしれません。

しかし、ショーケースに並ぶケーキの色鮮やかさ、かわいさはどうでしょう。これらもハラルフードなのです。デンプンや砂糖、それにピスタチオなどのナッツから作られたトルコのスイーツ「ロクム」も大人気。それに手づくりのパンやラスク、いちじくなどのドライフルーツもあって、なにを買おうか楽しそうに迷っている日本人の女子で賑わっているんです。
ここは日本最大のモスク・東京ジャーミイ(渋谷区大山町)です。代々木上原駅から徒歩およそ5分、井ノ頭通りを歩いていると、いきなり現れる高々としたミナレット(尖塔)が見えてきます。水色の大きなドームを擁した白亜のオスマン・トルコ様式が、渋谷区の住宅街の中にいきなり現れるのです。
誰でも見学できるように、お祈りの時間をのぞいて扉は開け放たれています。さっそくお邪魔してみましょう。
大理石の階段を上り、アーチ状のファサード(建物の正面部分)をくぐって礼拝堂に入ると、そこはまるで世界遺産の壮大なる空間。高い天井を見上げれば、ドーム屋根を利用したシンメトリカルで、幻想的な装飾があります。モスクにはステンドグラスを通して日の光が差し込み、ホール全体が温かな印象です。絨毯の上では人々が思い思いにくつろぎ、笑顔で語り合っています。
東京ジャーミイは日本に暮らすイスラム教徒の憩いの場。その1階、イスラム教関連の図書館もある大型ホールに隣接した一角に、2019年5月からハラルマーケットがオープンし、評判となっているのです。
「金曜日、お昼の礼拝が終わったあとはとくに賑わいますね」
と語るのは、ムハンマド・アディリさん。4年前にトルコを出てから日本の大学に留学、いまはマーケットのマネージャーを務めています。
「ケーキなどのスイーツは、ゼラチンや乳化剤、ショートニングなど、豚肉由来の成分をいっさい使わずに作っています。とくにホワイトチョコのラズベリームースや、チーズケーキが人気ですね」
と教えてくれました。どれも250円~と格安で、もちろん味もバッチリです。
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