お悩み女子の駆け込み寺。代官山の「寺カフェ」は、心の重荷をおろしてほっとする場所

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お悩み女子の駆け込み寺。代官山の「寺カフェ」は、心の重荷をおろしてほっとする場所

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居心地のよい空間で、僧侶が悩み相談に応じてくれる「寺カフェ」が多くの女性に支持されています。仏教のルーツをたどれば、お寺という言葉には "安息の場所" という意味もあるといいます。

相談者の9割以上が女性、遠方から来る人も

 生きていれば誰もがさまざまな悩みを抱えるもの。カフェの店内で飲食しながら、お寺の僧侶にお悩み相談ができるという場所が代官山にあります。

代官山駅から徒歩約3分。おしゃれな外観だが気軽に入れそうな雰囲気も(2018年7月、ULM編集部撮影)



 お店の名前は「寺カフェ 代官山」。代官山駅から徒歩約3分の場所にあり、代官山の街にふさわしい、おしゃれな雰囲気の店内ですが、一角に阿弥陀如来(あみだにょらい)像が安置され、窓にはお寺にある5色の幕が飾られています。同カフェには僧侶が毎日常駐していて、さまざまな人生相談に応じてくれます。

「寺カフェ 代官山」で僧侶の活動を取りまとめている三浦性暁(しょうきょう)さんによると、お悩み相談が目的でお店を訪れる人の9割以上は20代から40代の女性で、一部には遠方から来られる人も。相談の内容は恋愛や結婚、職場や友人同士など人間関係の悩みがほとんどだといいます。

釈迦の教えをもとに、ヒントを一緒に探る

僧侶の活動をまとめている、三浦性暁さん(2018年7月、ULM編集部撮影)

「私たち僧侶は、まず相談者の話にじっくり耳を傾けます。そのうえで、古来から伝わる釈迦(しゃか)の教えをもとに、解決のヒントを一緒に探っていくのです」(三浦さん)

 もし「職場の人間関係で窮屈な思いをしていて、転職を考えている」といった相談内容であれば、そもそも本当にやりたい仕事なのか、合わない上司がいてもやりたい仕事か、その場で自分にできることはやり切ったか…など、さまざまな切り口で聞いていきます。

 あくまで一例ですが、悩みによって相談者の気持ちが内向きに偏っている状態であれば、「世の中の多くの仏像の目が半眼(はんがん)になっているのは、仏さまは自分の内側も外側もしっかりと見ているからなんですよ」といった話を紹介し、周りの人や自分自身を客観的に見るという視点を提示します。

「釈迦の教えは2500年もの間、世界に広がり受け継がれています。そこには、どんな時代にも通じる、現実に根ざしたさまざまな教えがあると私たちは考えているのです」(三浦さん)

仏教とは、「苦を抜き、楽を与える」こと

 この「寺カフェ 代官山」を運営するのは、浄土真宗本願寺派の「信行寺」(川崎市多摩区)。当然ながら、その目的は仏教を世の中に広めていくことです。

 三浦さんによれば、仏教をひと言で説明すると「人びとの『苦』を抜き、『楽』を与えるために釈迦が語った教え」であるといいます。しかし現代では、お寺は敷居が高いと思われがちで、法要などの行事がなければなかなか人が集まりません。そうした現状を変えるため、『僧侶が街に出よう』と、僧侶が常駐するカフェを2013年に開設したそうです。

「寺カフェ 代官山」で女性に人気のメニュー、「ブッダボウル」(画像:寺カフェ 代官山)

「古代インドでは、お寺は『ビハーラ(安息の場所)』と呼ばれ、訪れた人にお茶を出したり、休む場所を提供したりしていました。そういう意味では、『寺カフェ』という場所もお寺そのものといえるのではないでしょうか」と三浦さんは話します。

「浄土真宗の本尊である阿弥陀如来は、良いことをする人も、しない人も等しく救って下さいます。だから、あなたはあなたのままでいい。他の誰かになる必要はないんです……そのような話をじっくり聞かれると、多くの方が背負っていた重荷を降ろしたように『ほっとした』とおっしゃいます。また背中の荷物が重たくなったら、気軽にお話をしに来てほしいですね」(三浦さん)

「念珠作り」の体験プログラムは、ピンク、ブルー、グリーンの3種類の石から自分好みの念珠を作ることができる(画像:寺カフェ 代官山)
「坊主bar」は、複数の僧侶が同席して楽しく語り合うイベント(画像:寺カフェ 代官山)

「寺カフェ 代官山」では、お悩み相談以外にも、「念珠作り」や「写経」などの体験プログラムを用意。月ごとにさまざまなテーマで僧侶の話を聞く「法話会」や、飲食しながら僧侶や他の参加者と交流できる「坊主bar」などのイベントも開催しています。仏教とはどんなものなのか、気軽に触れられる機会になるでしょう。

●寺カフェ 代官山 
・住所:東京都渋谷区恵比寿西1丁目33−15 EN代官山ビル 1F
・交通アクセス:東急東横線「代官山駅」から徒歩約3分、各線「恵比寿駅」から徒歩約8分
・営業時間:11:00~22:00
・電話番号:03-6455-3276
・プログラムと費用:「お坊さんと語ろう(お悩み相談)」「念珠作り」「写経」各1500円
※「お坊さんと語ろう(お悩み相談)」は事前予約しておくと確実です。
※サポーター会員(年会費3000円)になると、各プログラム500円引き、飲食10%オフ、講座クーポン券(1000円分)の特典あり。

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