ゴルフ中継でおなじみのテクノロジー、目黒の練習場でなんと「無料」で使えた

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ゴルフ中継でおなじみのテクノロジー、目黒の練習場でなんと「無料」で使えた

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仲間とワイワイ飲食を楽しみながら、ゲーム感覚でゴルフ練習が楽しめる設備「トップトレーサー・レンジ」をご存じでしょうか。ショットの練習効率の向上やラウンドの心強い練習環境を与えてくれるものでもあります。

日本ではまだ2か所のみ、今年1月に目黒の練習場に導入

 久々にゴルフラウンドに行くことになった時、慌てて練習場へ打ちっ放しに行く人も少なくないでしょう。そんな時に、心強い練習環境を与えてくる「トップトレーサー・レンジ」をご存じでしょうか? ショットの練習効率の向上にも役立つものです。

アメリカではお酒ほか飲食を楽しみながら仲間と楽しむトップトレーサー・レンジ。写真はイメージ(画像:GDO)



 トップトレーサー・レンジは、弾道を映像で視覚化するCG解析システムを使用したものです。同システムは、PGAツアー(米国男子ゴルフツアー)などのゴルフ中継でも使われています。これを米国企業「トップゴルフ」が、飛距離測定やバーチャルゴルフなどさらなる機能を追加し、ゴルフ練習場で仲間と飲食を楽しみながらゲーム感覚で楽しめるようにしたものが「トップトレーサー・レンジ」です。

 この設備が日本で2018年9月に横浜旭ファミリーゴルフ(横浜市旭区)、今年1月にスイング碑文谷(目黒区碑文谷)に試験導入されました。全打席で利用可能で、使用料は無料。操作も画面をタッチするだけで簡単です。

 アメリカでは、各打席の後ろにソファーやテーブルが置かれていて、お酒を飲んだり食事をしたりしてワイワイ騒ぎながら楽しまれています。日本の両ゴルフ練習場ではまだそこまで開放的に使っている人は少ないようです。その半面、おひとり様でもこの設備を使って黙々と練習することもできます。

 モード(項目)は、「フリー計測」「クラブ別計測」「バーチャルゴルフ」「ニアピン」「ドラコン」「ポイントゲーム」の6つ。同設備のゴルフ練習場への展開を行っているGDO(ゴルフダイジェスト・オンライン/品川区東五反田)の担当者によると、この6つのなかでよく使われているモードは、1位が「フリー計測」、2位が「バーチャルゴルフ」、3位が「クラブ別計測」だそうです。

 スイング碑文谷を訪れ、GDO担当者に使い方を教えてもらいました。

ラウンドを控えた練習に役立つ「バーチャルゴルフ」

 スイング碑文谷の1階から3階まで全83打席に、「トップトレーサー・レンジ」のモニターが個々に設置されています。

スイング碑文谷に設置されているトップトレーサー・レンジ(画像:GDO)



 使い方は至ってシンプル。ホーム画面の「はじめる」を押すと、スマホのアプリを使用するか否かの画面が出てきます。アプリを使うメリットについては後述します。

 アプリのQRコードをかざすか、「アプリを使わずに利用する」をタッチして次の画面に進むと、メインメニューが現れるので、前述の6つのなかから自分の使いたいモードを選択。次に選んだモードのスタート画面が出てくるので、「開始する」をタッチして準備完了です。

 一番人気の「フリー計測」は、ショット毎に飛距離、ボール初速、方向などを測定し、表示します。練習場ではショットの飛距離が大雑把にしかわからないので、これが一番人気というのが頷けます。ショットが一番奥のネットに当たった場合、総飛距離の予測値を表示してくれるのも利点。目標に対して弾道がどのくらいズレているかほぼ正確にわかるのも、修正の参考となります。

 2位の「バーチャルゴルフ」は、練習場にいながらアメリカとスウェーデンのゴルフコースでラウンドできるモードです。4人まで一緒にプレーできるほか、ふたりでのマッチプレーも楽しめます。もちろん、ひとりでも。

「バーチャルゴルフ」は、インドア施設のシミュレーションゴルフと違い、狙いを定めてボールを実際に遠くまで飛ばすことができるので、臨場感があります。ピンまでの距離に応じてクラブや打ち方を変えてショットの感覚をつかむなど、急に久しぶりにラウンドへ行くことになった時、その緊張を和らげる心強い練習環境を与えてくれます。

 また、パー3のホールだけ、フロント9のみ、18番だけといったような、特定のホールをラウンドする選択もできます。コース映像は、海の波立つ様子などもリアルに再現されていて、各ホールの美しい映像を見るのも楽しみのひとつです。

 3位の「クラブ別計測」は、クラブ別にショットの飛距離やボール軌道などを計測。各番手の飛距離や曲がり幅などの傾向(平均値)を表示してくれます。クラブ選択のミスを減らし、ショットの安定性にもつながるモードです。

トップトレーサー・レンジの目的はゴルフ人口の拡大

「ニアピン」モードは仲間と目標物への距離(近さ)を争うもので、「ドラコン」は誰が一番遠くに飛ばせたかを競うもの。「ポイントゲーム」は、実際に練習場のピンを的にして、ポイントを競い合うゲームです。これらの3つのモードもひとりから4人まで一緒に楽しめます。

「バーチャルゴルフ」でプレーできるペブルビーチゴルフリンクスの7番ホール(画像:GDO)



 トップトレーサー・レンジの専用アプリをダウンロードすると、モードによってさらに楽しみ方が広がります。

 始める際に、スマホのアプリを使用するか否かの画面が出てくることを前述しましたが、その画面に専用アプリのQRコードをかざすと、トップトレーサー・レンジとスマホが連動します。これにより、「ニアピン」と「ドラコン」で同システムを利用している世界各国の人々のリーダーボードに参加ができ、自分の名前がのる可能性も。

 また「バーチャルゴルフ」では、全米オープンが開催された名門コース、ペブルビーチでのラウンドができます。専用アプリがないと、ペブルビーチ以外の8つのコースからの選択となります。

「クラブ別計測」では、番手ごとのショットの平均データが記録され、スマホでそれらの履歴をいつでも確認できるので、ラウンド時の参考にもなることでしょう。

 スイング碑文谷でトップトレーサー・レンジを使用して練習している人たちは、時間帯にもよりますが、おしなべて8割程度だそうです(6月7日時点)。GDOの担当者によると、このシステムを導入した大きな目的に、「若い人たちに気軽にゴルフを楽しんで欲しい」という思いがあるといいます。

 ゴルフ愛好者の多い団塊の世代がみな後期高齢者となり、ゴルフ人口の大幅減が危惧される「ゴルフ2025年問題」。その打開策に若者のたちへの普及が課題となっています。スイング碑文谷でのトップトレーサー・レンジは、アメリカのように誰もが手軽に楽しむ域にはまだ達していませんが、打席でお酒を飲んだり食べたりしながらを楽しむことを可能としています。練習場にカフェが併設されていて、そこで買った飲食物を打席に持ち込むこともできます。

 こういった気軽な楽しみ方の提案によって、ゴルフへのハードルを低くすることは、ゴルフ人口増につながる可能性があります。他方、静かに練習をしたい人たちもいるので、その棲み分けも課題となりそうです。

オシャレなレストランが併設、ゴルフ練習後の楽しみも

 スイング碑文谷には、赤レンガを使った瀟洒(しょうしゃ)なレストラン「エンバシー カフェ&ダイニング」が併設されています。ゴルフをしない人も、飲食を目的に数多く訪れるそうです。

エンバシー カフェ&ダイニングのメニューで、12時間煮込んだ牛ホホ肉をこだわりのソースで仕上げたフェットチーネ 1550円(画像:エンバシー カフェ&ダイニング)



●スイング碑文谷
・場所:東京都目黒区碑文谷5-14-8
・営業時間:モーニング営業 06:00〜8:50、フロント営業 月〜土曜 9:00〜21:00 日・祝 9:00〜19:00、ナイター営業 月〜土曜 21:00〜23:00 日・祝 19:00〜22:00
・アクセス:東急東横線「都立大学駅」、「学芸大学駅」から徒歩10分
・料金:ボールレンタルフィー 1球15円〜、時間貸し 1時間2000円〜。※入場料無料

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