アジア文化を丸ごと飲み込む「新大久保」 駅の右と左で異なる街並みが映し出す近未来ニッポン
2020年12月16日
お出かけ駅の出口から右に行くか、左に行くかでまったく印象の異なる街、それが新大久保です。そんな新大久保の魅力について、アジア専門ライターの室橋裕和さんが解説します。
新大久保駅を出て、右に行くか、左に行くか
一見するとコリアンタウンのように見える新大久保。しかしよくよく歩いてみると、女子でにぎわう「韓流エリア」はそう広くない範囲に集中していることがわかります。
JR新大久保の駅を出て、目の前の大久保通りを右に。交差点のあたりから韓国のレストランやショップが密集するのですが、それも300mほどにすぎません。あとは大久保通りから南に延びるイケメン通りと、その先に横たわる職安通り、細かな路地にも韓流の店が点在していますが、ざっくり300m四方でしょうか。
そこから少し離れると、まったく違った新大久保の顔が現れるのです。
JR新大久保の駅を、左に折れてみましょう。大久保通りを渡った先のマツモトキヨシがある路地を進めば、すぐにスパイシーな香りが漂ってきます。彫りの深い顔立ちをした、南アジアや中東の人々が行きかいます。
上下真っ白い服に身を包んだイスラム教徒、派手な民族衣装のアフリカ系の人、にぎやかに通り過ぎていくベトナム人や中国人の留学生、どこからか聞こえてくるインドのポップ・ミュージック……まるで異国にトリップしたかのようです。

このかいわいはスパイス店の上階にモスク(イスラム教の礼拝所)もあり、イスラム教徒が集まってくることから「イスラム横丁」と呼ばれています。しかし実際のところ、ほかにも多種多様なアジア系の人種・宗教が混在し、生活をする、多民族集住地域となっているのです。これが新大久保のいまの姿なのです。
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