新橋駅前の「巨大将棋大会」がSNSで話題! 令和の日本でまさかの開催、主催者に狙いを聞いた
あっと驚く衝撃の場面、感心させられる発見や豆知識、思わず涙を誘う感動の出来事……。SNS上では毎日、新鮮な話題がいくつも発信されています。そのなかから「東京」に関連するものを厳選してご紹介します。まるで昭和時代のような光景? まるで昭和のようなノスタルジックさ――? あるツイッターユーザーが投稿した1枚の画像が、フォロワーたちの間で話題になっています。 オンラインゲーム全盛の時代に、対面で、しかも巨大な盤と駒を使った「大盤青空将棋大会」の模様です。 JR新橋駅のSL広場、ニュー新橋ビル(港区新橋)前。巨大な将棋盤と駒を前に、真剣な表情で将棋を指す参加者たち。傍らには、対局の行方を見守るギャラリーの姿も。 「いろんなところでやってほしい!」 画像を投稿したのは、Miles Yebisuさん(@eggmen8)。 真剣な様子で将棋盤に臨む参加者たち(画像:Miles Yebisuさんのツイート、ULM編集部で一部加工)「新橋駅前で将棋できるらしい。でかい将棋セット。毎週土曜日だってさ」というつぶやきを添えて、熱戦の様子を報告しました。 他のユーザーたちからは 「令和日本でこの光景が……」 「なかなかの昭和感やなぁ」 と感嘆の声が上がったほか、 「海外の公園に置いてあるチェスみたいで良いかも」 「なんかこういうの良いなぁ。知らない人と打つって」 「確かにこのサイズなら、やる人も見る人も、距離を保てるな」 「ソーシャルディスタンス将棋?」 「こういうの好き。いろんなとこでいろんなボードゲームやればいいのに」 など、参加してみたいと表明する人が次々に現れました。 “オフライン”対戦ならではの魅力“オフライン”対戦ならではの魅力 まずは投稿者のYebisuさんに、大盤将棋について話を聞きました。 ――この日は、どんな用事で新橋へ行ったのでしょうか。 「父親と一緒に電子ピアノの試奏に銀座へ出かけた帰りでした」 ――将棋の対局が行われているのを発見したときの感想を教えてください。 「おお、駒がでかい! というのが最初の感想でした。そして、ヨーロッパやアメリカの公園でよく知らない人たちとチェスをしていたので、それを思い出しました」 ――参加している方々は、お互い初対面同士といった様子でしたか。 「対戦している人もそれを見ている人も、みんな初対面という感じでした」 ――ご自身も将棋を好きでよく指されるのでしょうか。 「好きでよく指しますが、最近はもっぱらオンライン対戦ばかりなので、オフラインの対戦がしたいです」 ――オンラインゲーム全盛の今、こうした対面・オフラインの交流は魅力的ですね。 「いろんな世代がこうして交流することは、ゲーム以上の価値があると思います。僕自身、子供の頃に将棋を通じていろんな大人たちとある意味対等に会話できる機会があり、今思い返しても貴重な体験だったと思います」 ――将棋の魅力はどんなところにあると思いますか。 「どれだけ勉強してもまだまだ強くなれるので、決して飽きがきません! いくつになっても負けると悔しいです。僕はチェスも好きでいろんな国の人と対戦するのですが、ゲームとしてチェスより将棋の方が巧妙にできていると思っているので、海外の人にもぜひ将棋を覚えてほしいと思ってます」 続いて主催者にも、大盤将棋大会の開催の狙いを聞きました。 20年前から開催する伝統イベント20年前から開催する伝統イベント 主催するのは、ニュー新橋ビル商店連合会。この「青空大盤将棋大会」は毎週土曜日、昼の12時から開いているといいます。雨天は中止、冬場以外の4~11月が開催期間です。 2020年は、新型コロナウイルス感染拡大により4月から6月中旬まで開催を見合わせる事態に。しかし、参加者のマスク着用とアルコールでの手指や盤・駒の消毒を徹底することで、同年6月20日(土)に再開を果たしました。 同会事務局の宮崎克彦さんによると、青空大盤将棋大会は20年ほど前から行っている新橋駅前の伝統イベント。参加費は無料、予約も不要で、誰でも飛び入り参加できます。 「山形県天童市で作った特注の盤と駒を、20面並べます。製作には300万円くらい掛かりました。かなり年季が入ってきましたので、雨の日はどうしても開催できません」(宮崎さん) 参加者の年代は実に幅広。「最近では藤井聡太三冠(19歳)の活躍も会って、小さな子どもたちも多く参加しています。ひとりで電車に乗ってくる小学生もいますよ」 街の活性化が開催の主な目的ですが、「盤や駒に直接触れて、大きい駒を自分で動かすのがやはり楽しいと感じる人が多いようです。将棋は頭を使うので、お子さんにもいいと思います。これからも(開催を)続けていきたいと思っています」 ※ ※ ※ 相手と顔を合わせて臨むオフラインのゲームはやはり、オンラインでは代替できない魅力があるもの。 新型コロナ禍が収束して自由な外出や外食が可能になったあかつきには、大盤での対局の後にも新橋の飲食店で“感想戦”を繰り広げたいと思わされます。
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