【江東区 森下】内科・漢方外来イシハラクリニック 石原新菜副院長インタビュー

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【江東区 森下】内科・漢方外来イシハラクリニック 石原新菜副院長インタビュー

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アーバンライフ東京編集部

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都営新宿線・都営大江戸線の森下駅から徒歩1分、温かい人情を感じる下町にある「イシハラクリニック」。30年にわたってこの場所で漢方治療にあたってきた同院には、地元だけでなく全国から患者さんが訪れます。たくさんの患者さんに信頼されるイシハラクリニックの治療について石原新菜副院長にお聞きます。(取材日2022年8月3日)

■診療科目

内科・漢方外来・漢方女性外来

1回の診療は30分~1時間。一人の患者さんの悩みにじっくり向き合うオーダーメイド診療

 漢方医学を中心とした治療をしているイシハラクリニックには、さまざまな悩みをかかえた患者さんが来院されます。

 その悩みは…

・うつ病、不眠、などの心療内科領域の悩み

・生理痛、生理不順、子宮筋腫、卵巣のう腫、不妊、などの婦人科領域の悩み

・腰痛、膝痛、足のむくみ、足のつり、などの整形外科領域の悩み

・冷え性、胃もたれ、胃痛、便秘、下痢などの悩み

・肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病を直したい人

・アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくに悩むお子さん

 など、悩みの内容は実にさまざま。そして、来院される方の多くに共通するのが「ほかの病院でなかなか治らない」「不調の原因が良く分からない」ということ。

 このような西洋医学のチカラだけでは改善できない不調を、漢方医学を組み合わせて健康な状態にするのがイシハラクリニックの治療の特長です。

イシハラクリニックの漢方治療の特長を教えてください

 当クリニックでは、漢方医学・自然療法の考えに基づき、食事の指導や漢方薬の処方を中心に診療をしています。来院される患者さんのなかには「検査では異常がないのに何となく体調が悪い」「なかなか症状が良くならない」という方が多くいらっしゃいますので、それぞれの悩みをしっかりと聞いた上で、一人ひとりの体質や状態に基づいたオーダーメイドの漢方治療をしていきます。一人ひとりの悩みをしっかり聞く。これが漢方医療ではとても大切なことなのです。

石原新菜先生1
診療はすべて石原新菜副院長が担当する

 診察は1人の患者さんに30分~1時間かけます。だから、どんなに多くても1日に10人ぐらいしか診られないんです。当クリニックにいらした方の多くは、いろいろな病院を巡っていて、検査では異常が見つからないのに痛みがある、など原因の分からない悩みを抱えています。

「自分の体いったいどうなっちゃってるの?」という不安でいっぱいの状態になるのは当然のことです。だからまず時間をかけて患者さんの話を聞きます。何がつらいのか、患者さんのお話を聞くだけでも気持ちが楽になって、笑顔になってくださるんですよね。そうやってお話をまず聞いた上で問診をしていくと、その方の体のバランスが崩れている理由がわかってくるんです。

 そのあと舌の状態を見たりお腹を触ったりと診察をしていく中で、「あなたはここのバランスが崩れているんですよ」「こういう状態なんですよ」ということを説明します。そして「この漢方を飲んでもらいたいんだけど、理由はこういう作用があるからです」ということも説明していくんです。

 そうすると、自分の状態がどうなっているのか? 良くするのにはどうするのが良いのか? だからこの漢方を飲めばいいんだ! ということを患者さん自身に納得していただけるわけです。これがとても大切。ただ漢方を処方するだけではよくならないんです。

具体的にはどのようなお話をされるのですか?

 例えば水が溜まりすぎている状態(水毒)であれば、水を出すための漢方薬を出します。それなのに患者さんが家でたくさん水を飲んでしまっていたりする。すると漢方の作用がプラスマイナスゼロになってしまい「漢方って効かないんだ」とか、「効くまでに時間かかる」と思われてしまうのです。

漢方薬
症状だけでなく体質に合わせて処方する漢方薬が変わる

 だから、家では水分の取りすぎにも気を付けてくださいね、お風呂や運動で汗をかいてくださいね、そうしないと水が溜まって症状は良くなりませんよと、生活習慣の中で気を付けてもらいたいことから説明します。そうすれば、自分の不調の原因も把握できるし、漢方薬のことも理解できるし、お家で心がけるべきことも理解してもらえるので1カ月後の再診の成果がすごくいいんです。頭痛とかめまいとか、ちょっとした不調はかなり良くなっています。

「全国の患者さん」が気軽に相談できるホームドクターに

漢方薬の処方だけも可能ですか?

 初診では時間をかけて問診させていただき、体質についてなどその方の特徴をカルテに残します。その後は来院をいただかなくても、電話で再診をうけていただければ、お薬だけをお送りすることができます。

 ですから遠方の方の場合は、一回来院されて、あとは電話で診療を受ける方もいらっしゃいます。たとえば最初は子宮筋腫や卵巣のう腫をきっかけに来院された患者さんでも、途中で「先生風邪ひいちゃったから、葛根湯送ってください」とか、「便秘だから便秘薬ください」とか、そうしたご要望にもお応えできるので、ホームドクターとしてずっと活用してもらうことができます。

石原新菜先生4
皆さんにとってのホームドクターになれれば

 だから当院には全国からたくさんの方が来てくださっています。口コミや知り合いの紹介などで、漢方の本場・台湾から来られる方も。もちろん地元の方も来ていただいています。遠方の方たちも来院しやすいように、診療は完全予約制になっています。地元の方、全国の方、海外の方、皆さんのかかりつけ医になれればと思っています。

今より10kg重くて体温も1度低かった。不健康な自分を健康に戻してくれた漢方

漢方医になろうと思ったのは何故ですか?

 漢方医学のすばらしさを自分自身が実感したからだと思います。つまり、毎日食べている食事が体に影響するし、体を作っているものだから、本当に食事っていうことが大事で、生活習慣も大事だということですね。

 私自身は、父に言われ続けてきた、ニンジンジュースを毎朝飲む、お風呂では湯船に必ず入る、腹巻を常に着けるという健康法を欠かさずちゃんと行ってきました。ですが一浪して大学に入って卒業するまでの7年間、全然健康のことを考えず生活していた時期がありました。

 その頃は今より体重が10kg重くて、体温も1度低かったんです。平熱が今は37度くらいあるんですけど、当時は36度くらいしかなくて。頭痛とかめまいとか肩こりはしょっちゅう、便秘して切れ痔になったり。生理痛や生理不順、むくみ、あと多汗症、巨大ニキビ…あと、花粉症もパンパンに目が腫れちゃうぐらいひどかったんです。

書籍
受付には漢方治療の権威である父・石原結實院長の著作などがならぶ

 友達に聞くと、便秘とか生理痛とか皆あることだよというので、これが普通なんだと思っていたんですが、その状態のまま国家試験の勉強をして研修医になったら、大学病院では当直が週3回くらいあってさらに不摂生な状態に。全然寝られなくて、本当に具合が悪くって、生理も止まってしまったという経験をしました。

 このまま同じ生活をしていたら病気になると気がついてから、腹巻を24時間する、玄米に変えて、朝ニンジンジュースを飲んで、運動する、お風呂につかる…生活を全部変えたんです。そうしたら半年くらいで体重は10kgやせて、体温も1度上がって、不調が全部なくなったのです。そのとき「人って健康になると一切の不調がないんだ」ということに気が付いたんです。

 それから16年、妊娠中も運動をして食事も気を付けて、ずっと同じことをやっていますけど、子供たちも元気でアレルギーなどもありません。運動をして、元気になって、それを自分で体験したっていうのは大きかったですね。

自分の周りで医療を必要としている人を助けたい

医師を志したきっかけを教えてください

 父が医者だということもあり、小さいときから医者という職業を身近に感じていた部分が一つ。もう一つは、母が精神の病いを患っていて、なんとかしてお母さんのことを治さなきゃという気持ちが小さいときからありました。

 あとはちょうど14歳のときに読んだ、マザー・テレサに感銘をうけたことが大きかったと思います。道端に倒れている人を無償で看病したり、食事を与えたりして人助けをするという行為が素晴らしいことだと思い、医者として人々の役に立ちたいと決めたのが、14歳のときでした。

 若い時には「国境なき医師団」などの活動も夢に見ていました。それが、大学に入って色々勉強しているうちに、今住んでいる森下の周りや家族、自分の周りにも医療を必要としている、話を聞いてもらうことを必要としている人がいることに気づき、わざわざアフリカに行かなくても、人々の役に立つことができると思えたのです。

今後どのような医療を目指しておられるのでしょうか?

不安を解消することも医師の仕事
不安を解消することも医師の仕事

 これからは診断や診察にもAIが入り込んでくるでしょう。そうなったとしてもやはり医師は必要な存在なのだと思っています。なぜなら、患者さんにとって重要なのは、抱えている不安を解消することだと思うから。不安は患者さん自身には解消できないし、AIの得意分野でもないと考えています。

 お医者さんはいろいろな体の仕組みや病気や薬のことを知っていて、自分で考えられるから小さな疑問もすぐ解消できるけれど、患者さんはそういう知識を学んでいるわけではないので、いろんなことが不安でいっぱいになってしまう。不安から起こる病、つまり「病は気から」状態になってしまうこともあるんじゃないかなと思います。

 私がすごく大事にしているのは、患者さんの話を聞いて励まして、目と目を合わせて説明すること。例えば、つらい時は手を握ってあげる、背中をさすってあげるとかね。気持ちを共有することが本当に大事だし、それだけでもう7~8割よくなっちゃうみたいなところをいつも感じているんです。

 これからどんどんAIになっていろんな技術が発達するにしても、ずっと変わらないのは、心の部分だと思っているので、そういった診察をして一人でも患者さんの心も救えたらと。私の仕事は本当に毎日カウンセリングをしている状態です。でもね、患者さんが笑顔になって帰っていったり、「先生すごく良くなりましたよ」って言ってくれたりするともう本当に一番うれしくて。やっていてよかったって思うし、それをずっと続けていきたいですね。

 2人の娘はお医者さんになってくれるかどうか分かりませんが、このやりがいのある仕事を継いでもらえたらうれしいし、この素晴らしさを母親として、医者としても伝えなきゃいけないなって思いながら診療にあたっています。

石原新菜先生

帝京大学医学部で2年の研修医実績を積んだ後、漢方医学の大家である父石原結實のクリニックに入職。 主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。
1980年長崎県生まれ
2006年帝京大学医学部卒業


・イシハラクリニック副院長
・ヒポクラティック・サナトリウム副施設長
​・健康ソムリエ理事
​・ロングライフラボ理事

・フェムテック・ジャパン理事
・日本内科学会会員
・日本東洋医学会会員
・日本温泉気候物理医学会会員

【主な著作】

・「がんばらなくても2週間で-3kg 医者が教える奇跡の16時間断食」(宝島社)
・「更年期ってこういうこと図鑑」(宝島社)
​・「『アレルギーにならない』子どもが育つ本」(三笠書房)
ほか多数

【メディア出演歴】
・テレビ東京「主治医が見つかる診療所」※レギュラー出演
・テレビ東京「なないろ日和」

・フジテレビ「ホンマでっか!?TV」
​・日本テレビ「踊る!さんま御殿!!」
​・日本テレビ「ZIP!」

・日本テレビ「ヒルナンデス!」

ほかテレビ、ラジオ出演多数

■イシハラクリニック

住所:東京都江東区森下1-5-5-607
TEL:03-3632-8028
診療時間:
月~水・金/10:00~18:00
木・土  /10:00~17:00
アクセス:都営新宿線・都営大江戸線「森下駅」A7出口より徒歩1分

※自由診療のみ

※完全予約制のため必ずご予約のお電話をお願いします

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