ファイナンシャルプランナーの資格に興味があるものの、取得したところで就職や転職にどの程度有利になるのか、年収は高いのかといったことが気になるという方も多いのではないでしょうか?
ファイナンシャルプランナーの資格を取得しておくことで、色々な業界や仕事で役に立ったり、顧客からの信頼を上げられたりすることができます。
ただ、ひとえにファイナンシャルプランナーの資格といっても種類が多く、どれを目指せばよいのかの判断も難しいと感じる方もいるでしょう。
本記事では、ファイナンシャルプランナーの資格を取ることで就職や転職に役立つのか、年収はどうなのか、そして資格の取得方法などについて具体的に解説しています。
気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
※本記事はアーバンライフメトロが独自に記事を制作し、スクール紹介にはアフィリエイトプログラムの協力をいただいています。
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取ったらどんな就職先がある?
ファイナンシャルプランナーの資格試験の範囲は広く、保険、税金、不動産、年金、相続といったように私たちの暮らしに大きく関わるものばかりです。そのため、資格を有していることで役立つ業界や仕事の範囲はさまざまです。
それでは主なものとして、保険業界、金融業界、税理士事務所や公認会計事務所、不動産会社、人事や総務の五つについて解説していきます。
保険業界
保険会社で勤務するにあたっては、保険商品の内容はもちろん、税制の仕組みや相続などについて理解することは必須といえます。ファイナンシャルプランナーの資格試験では顧客の資産や将来のライフプランに合わせた保障額の計算方法などについて学びますので、就職や転職の際に資格を持っていることで、歓迎されることが多いです。
資格を保有していると、企業からすると保険に関する基礎的な知識を既に保有しているため、教育にかける時間が少なくすみ、また勉強する意欲があるなどの理由から安心して採用できる面があります。
実際に保険会社では、家族の万一の備えとしての生命保険、病気をカバーする医療保険、事故に備える損害保険といった多種多様な保険を取り扱います。そしてそれらを販売する営業職として業務に従事する際には、個別の商品の良さのみならず、保険の知識はもちろん、顧客に寄り添った提案をすることで、本当の意味での顧客満足度を上げることが可能となります。
金融業界
証券会社や銀行といった金融業界においても、就職や転職に有利となることが期待できます。証券会社では、顧客の資産運用をサポートすることが仕事です。株式や債券、投資信託、外貨預金といった金融商品の中から、顧客にあった商品を提案したり、商品の情報を提供したり、コンサルティングを担ったりします。
ファイナンシャルプランナーの資格ではこのような投資商品の仕組みについても学びますので、証券会社でもその知識を活かすことができるでしょう。
銀行では、お金に関する課題を持った顧客が多く来店します。住宅ローンの借入・借り換えの相談、資産運用の悩み、教育ローンの選択など、人生に関わるさまざまな場面において、ファイナンシャルプランナーとしての知見を活かした提案ができます。
また、銀行では保険や証券も取り扱いますので、保険会社や証券会社と同じ様な面でも資格の活用が期待できるでしょう。銀行は社会インフラとしての機能もあり、信頼が重要です。お金の専門家としてのファイナンシャルプランナーの資格は、信頼を得る上でも有用です。
税理士事務所や公認会計士事務所
ファイナンシャルプランナーの資格を有していると、税理士事務所や公認会計士事務所への就職や転職にも有利です。ファイナンシャルプランナーの試験では様々な税金に対する基礎的な知識が問われます。
ファイナンシャルプランナーの資格があれば、税金の考え方や種類、仕組みなどについてある程度の知識があるといえるでしょう。
また、税理士事務所や公認会計士事務所においては、事務手続きのみならず、コンサルティングを実施する機会も増えてきています。金融に関するアドバイスの専門家であるファイナンシャルプランナーの技能を活かすことができるでしょう。
パソコンの技能や簿記などの資格を保有していても税理士事務所や公認会計事務所で働くことは可能ですが、ファイナンシャルプランナーの資格があれば、より仕事の幅を広げられます。
不動産会社
ファイナンシャルプランナーの資格を得るうえでは、不動産関連の知識も問われます。不動産の売買にかかる税金に関する知識を勉強するため、不動産会社で働く上でも役に立ちます。
不動産は住むだけでなく、投資対象としての需要もあります。金融商品や投資、税金といった幅広い知識を持つファイナンシャルプランナーは不動産含め、総合的な提案もできるでしょう。
ライフプランの中での居住用不動産取得や、投資目的での不動産検討といったように、複数の場面で資格を活用する機会があります。
人事や総務
人事や総務部門へ就職や転職をする場合にも、有利に働くことが多いです。
FP資格では社会保険や税金について学びます。人事や総務の仕事内容においては、特に給与計算などを行う際に、社会保険、雇用保険、所得税や住民税などの税金、年金といった知識が役に立ちます。
主に大会社においては、社内で生命保険や損害保険、自社株の取扱いをしていることもあります。その場合人事や総務部門が窓口となるケースもありますので、ファイナンシャルプランナーの知識を活かせるでしょう。
就職・転職に有利なのはFP2級以上
ファイナンシャルプランナーの資格はFP技能士(1級~3級)とAFP/CFPがあります。その内就職や転職に有利となるのはFP2級以上、もしくはAFP/CFPです。
まずは2級以上の取得を目指す
FP2級を持っていると、就職や転職に有利といえます。特に金融や保険、不動産といったようにFPでの知識を直接的に活用する業種においては、資格の欄に「FP2級所持者」と記載されていることもあります。
FP3級も知識としては得るものがありますが、FP試験の入門としての位置づけであり専門性が低いです。実務に活かしたり就職や転職で役立てたい場合は、FP2級以上の取得を目指すとよいでしょう。
その上で、さらに年収を増やしたい、専門家として活躍したいといった場合はFP1級やCFPといった上位資格を目指し、実務経験を積むことが重要です。
就職・転職しやすい業界は?未経験でもOK?
ファイナンシャルプランナーとしての就職や転職のしやすさや、未経験でも受け入れてもらえるかどうかといった点は、本人のスキルもさることながら、やはり業界や、年代によっても変わってきます。
30代の就職・転職
30代での就職・転職は、未経験であってもしやすいといえます。これからのポテンシャルや活躍に期待を込めて、採用可否が決まる傾向があるといえるでしょう。
特に保険業界や不動産業界は入れ替わりも少なくないため、未経験の30代未満の採用を積極的に行っている企業もあります。一方で金融業界については、保険業界や不動産業界と比べるとやや厳しいかもしれません。
いずれにせよ、営業のスキルがある人は活躍しやすく、またFP2級などの資格があれば、より有利に就職・転職できるでしょう。
40代の転職
40代の転職では、これまでの経験やスキルが求められてきます。保険業界や不動産業界においては、過去の営業経験有無が採用の合否に大きく関わってくるでしょう。
ただ、FPの業務内容は提案営業のスタイルが多く、重要なのはコミュニケーション能力や傾聴力、提案力といったものです。営業の経験がない場合は、顧客に寄り添い、考えを引き出すとともに、上手く自社の商品を提案できる力があることをアピールしましょう。
また、顧客にアドバイスを行うにあたっては、年齢を重ねて多くの経験をしている方が説得力が増すということがあります。もちろん、20代前半のアドバイザーがNGというわけではありませんが、やはり実務経験豊富な方が優位な点があるといえるでしょう。
50代の転職
50代で未経験からFPとして転職するのは、不可能ではありませんが、かなり厳しいといえます。
転職活動をする場合は、過去の経験から得たスキルや知識、資格といった自身の能力を最大限活用し、企業にとって魅力的な人材とうつるような努力が必要です。年収などの条件を譲歩することも時には必要となります。
また、豊富な経験を活かして独立するという選択肢もあります。高齢化が進む現代においては、自分と同じ目線をもつ同年代のファイナンシャルプランナーからアドバイスが欲しいという方々も多く、頼りにされています。
ファイナンシャルプランナーの年収は?
ファイナンシャルプランナーとして働く場合、気になるのは年収ですよね。ファイナンシャルプランナーの年収は全体としては低い傾向にあります。
とはいえ、どういった企業で働くのか、独立するのかなどによっても異なります。詳しくみていきましょう。
FPの年収は低い?
ファイナンシャルプランナーとしては、保険や金融、不動産をはじめ、さまざまな職場での働き口があります。職場の種類が多いということは、それだけ収入も異なるということですが、全体としては年収300万円程度が平均とされています。
会社員全体が400万円程度ですので、平均すれば低いといえるでしょう。
企業で働くファイナンシャルプランナーの年収
企業で働くファイナンシャルプランナーの年収は、業種や働く場所によってかなり変わってきますが、大まかには下記のようになっています。
- 銀行員(信用金庫除く):600万円
- 会計事務所:470万円
- 不動産会社:450万円
- 保険営業職:400万円
- 年金事務所:380万円
このように、企業で働くファイナンシャルプランナーは一般的な会社員と同様、もしくは多くの給与をもらっていることがわかります。
とはいえ、同じ業界でも企業によって差がかなりありますし、同じ企業内でも人によって出世の度合いは異なります。もちろん、勤続年数も原因の一つです。必ずしもファイナンシャルプランナーとして銀行に入行したから給与が高い、年金事務所だから低めというわけではない点には注意が必要です。
気になる場合、入社前に勤務先の基本給や手当、給与形態などについて確認しておきましょう。
独立系ファイナンシャルプランナーは年収の幅が大きい
独立系ファイナンシャルプランナーの収入は、成果報酬制であることが多いため、自分の力量や顧客の数、トータルの仕事量によってかなり前後します。
1,000万円以上、なかには2~3,000万円を稼ぐ方がいる一方、独立して間もないような場合は会社員の平均年収を大幅に下回るような場合も考えられます。
信頼や実績によって仕事量は変わりますが、企業系と比較して収入が安定しづらいといえます。
独立することにより、自由に働ける、自身の考えで提案できる、高収入が狙えるといったメリットがある一方、失敗してもその全責任は自ら負う必要があります。ある意味ハイリスク・ハイリターンであるといえるでしょう。
ファイナンシャルプランナーは副業で稼げる?
ファイナンシャルプランナーは本業だけでなく、副業としてもある程度の収入を見込めます。ただし、それには2級以上の取得が必要な場合が多いです。
可能な副業の種類は多々ありますが、ここではWebライター、ブログ運営、サイト監修の3つについて解説していきます。
まずは2級以上の取得を目指す
副業としてファイナンシャルプランナーの資格を活かすのであれば、就職や転職の場合と同様、まずはFP2級の取得を目指しましょう。
3級では基礎的な知識は習得できるものの、FPの入門編なので、信頼度が十分ではありません。実際、これから紹介する3つのFP資格を活かした副業でも、2級以上を要件としている場合が多いです。
2級以上であれば、お金の専門家として副業でも十分業務に当たることができるでしょう。
稼ぐ方法①FPの知識を生かしたWebライター
FPとして得た金融、税金、保険などの知識はWebライターの記事執筆業務に役立てることができます。
お金に関する悩みや不安はいつの時代にも存在します。そして、そのような悩みを持った人はネットの記事を検索することも多いでしょう。そのため、FPの知識を活用できる記事の需要は常にあるといえます。
また、Webライターは誰でもできる副業として人気がありますが、誰でもできるからこそ、報酬の低い案件も多くあるのが現状です。しかし、FPなどの信頼ある資格を保有している人が書く記事は報酬が高く設定されることがよくあります。
見る人からしても、きちんと正式な資格を持った人が書く記事である方が安心できるのは当然のことといえるでしょう。
稼ぐ方法②ブログを運営
ファイナンシャルプランナーの資格を保有していると、自身でブログを運営して稼ぐ際にも有利となります。ブログの場合、収益はアフィリエイトによることが多いです。そして、アフィリエイトで稼ぐには、多くの人の目に記事が留まることが必要となります。
ファイナンシャルプランナーの資格を持っている人が書く記事であれば、そうでないものよりも、読む人の信頼性を上げることができます。そして、信頼性が上がると検索上位に表示されやすくなり、多くの人がサイトに訪れてくれるようになるでしょう。
多くの人が訪れてくれるほど、アフィリエイトで紹介している商品が購入される確率や頻度が多くなり、収入も増やすことができます。
稼ぐ方法③サイトの監修
ファイナンシャルプランナーはサイトの監修を副業として行うこともできます。クラウドソーシングサービスなどでよく募集されています。
金融や保険、税金、相続といったサイトの多くは有資格者監修のもと、公開されています。監修の内容としては、単純な誤字脱字や文章の言い回しも含むことが一般的ですが、依頼者としては記載内容の正誤を特に確認してほしいところです。
お金の専門的な内容について、一般人が正確に確認するのは時間がかかったり、時には間違ってしまうリスクがあったりします。その点ファイナンシャルプランナー―はすでに知識を持っているので、正確に、また早く中身の確認をすることができるでしょう。
ファイナンシャルプランナーの資格の取り方
お金に関する幅広い知識が試されるファイナンシャルプランナーの資格ですので、取得するにはそれなりに時間をかけてこつこつと勉強する必要があります。
独学での勉強で合格することも不可能ではありませんが、FP3級ならまだしも、2級以上の場合は厳しく、通信講座を活用することで合格率を大幅に上げることが可能です。
特に2級は記述式の試験がありますので、独学では回答が合っているかの判断が難しいでしょう。
ここからは独学で取得する場合の注意点と、通信講座やスクールをつかうメリットについて解説していきます。
独学
独学で合格を目指す場合、本屋やネットなどで最新の参考書を購入し、各分野の内容をバランスよく勉強することが重要です。
費用が安く抑えられる、自分のペースで勉強できるといったメリットがありますが、その反面、問題が分からないときも自分で対応する必要がある、毎年の法改正の情報を複数のサイトで常にチェックしておく必要がある、自己管理が重要、テキストとの相性が悪ければ買い直す必要も出てくるかもしれないといったデメリットも存在します。
通信講座
通信講座やスクールのメリット
一方の通信講座やスクールを利用した場合、独学よりも効率的に勉強を進めることができます。
例えば、勉強を進めていて分からないことがあれば、問い合わせて確認できます。勉強の内容は広範囲に及び、法律用語や接したことがない計算式などと接する機会もあるかもしれませんが、不明点をすぐ確認できるのは心強いです。
また、独学では自分でいつなにをするか決める必要がありますが、通信講座やスクールではスケジュールが決められており、それに沿って進めていけば段階的にステップアップできます。
さらに、ファイナンシャルプランナーで勉強する内容は、法改正によってどんどん更新・変更されていきます。変更内容を素人が独学でアンテナを張り続けるのは大変な面がありますが、通信講座やスクールでは、基本的には事業者側が情報を反映してくれます。
試験対策のノウハウもありますので、過去の出題の傾向などを分析し、質の高い模擬問題を提供してくれる場合もあるでしょう。
FP技能士試験2級の通信講座の料金と勉強時間の目安
FP2級に関する講座の相場は幅広く、8,000円前後から、高い場合は10万円近くする場合もあります。ピンキリですが、大体6万円を少し超えるくらいのところが多いようです。自分に合った講座を選ぶようにしましょう。
勉強時間の目安としては、150~300時間といわれています。計算上、平日2時間、土日4時間勉強すると仮定すると、大体3~4カ月ほどかかると言われます。ただ、実際は得意・不得意分野があったり、つまずいたりすることもあり、もちろん個人差も大きいので、あくまで目安程度にとらえておきましょう。
おすすめのFP講座3選
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コース/料金 | 2023年1月試験対策(2級基礎+過去問・2級FP技能士+AFP)+3級対策:69,800円 | ・2022年5月~2023年1月試験対応版一括:31,900円 ・FP2級合格コース:29,700円 ・FP3級合格コース:4,950円 | ・2級・3級FP技能士一括費用:40,700円 |
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まとめ
FPの就職先や転職先、資格の活かし方やおすすめの講座についてご紹介してきました。
ファイナンシャルプランナーの資格は、FP2級以上を取得することで、保険や金融をはじめ多くの業界での就職や転職で有利となります。年収も業界や企業による差があるとはいえ、資格を取得することで顧客からの信頼も増し、結果として向上を図ることもできます。
最近は副業が社会的に促進されてきている中、Webライターやブログ運営、サイトの監修をはじめ、多くの人がファイナンシャルプランナーの資格を利用した副業を始めています。
資格を取得するにはそれなりの勉強時間を確保することが必要ですが、今回ご紹介した通信講座やスクールを活用しながら効率的に勉強を進め、まずはFP2級以上の合格を目指してみてはいかがでしょうか。