都内に残り2か所! 昭和の記憶「屋上遊園地」、今もファミリーに喜ばれるその魅力

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都内に残り2か所! 昭和の記憶「屋上遊園地」、今もファミリーに喜ばれるその魅力

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都内に2か所のみとなったデパートの屋上遊園地。そのひとつ、蒲田の「かまたえん」には観覧車も残っています。それらの背景などについて運営会社に聞きました。

都内唯一の屋上観覧車がある「かまたえん」

 昭和時代、デパートの屋上には決まって遊園地がありました。子供のころ、お父さんやお母さんに手を引かれて遊びに行った人は、少なくないでしょう。そんな屋上遊園地ですが、東京都内では現在、東急プラザ蒲田(大田区西蒲田)の「かまたえん」と、東急百貨店吉祥寺店(武蔵野市)の「太陽の広場」の2か所のみが残っています。

「かまたえん」の全景(画像:東急不動産SCマネジメント)



 1968(昭和43)年開業の「かまたえん」は、親子連れや屋上遊園地ファンなど、月間約1万8000人が足を運んでいます。

「プラザランド」時代の屋上遊園地(画像:東急不動産SCマネジメント)

 かつては「プラザランド」という名前でしたが、2014年10月に行われた、東急プラザ蒲田の全館リニューアルにともない、現在の名前へ変更されました。同園を運営する東急不動産SCマネジメントは名前の由来について、こう説明します。

「『かまたえん』の『えん』には、『園』『縁』のふたつの字をあてています。『園』には、皆さまの日常の広場でありたい、『縁』には、皆さまとのご縁を大切にしたいといった思いが込められています。また、お子さまに読んでもらいやすいよう、覚えてもらいやすいように、全てひらがな表記としました」(東急不動産SCマネジメント)

 広さ約670坪の敷地のなかには、「幸せの観覧車」「エコライド」「風の丘」という3つの遊具と、イベントが行われる「屋外ステージ」があります。

「幸せの観覧車」は蒲田のランドマーク

「幸せの観覧車」は都内唯一の屋上観覧車で、最上部となる地上43m(観覧車自体は13m)の高さからは、蒲田の街を一望できるといいます。晴れた日には富士山も見られるそうです。

屋上遊園地の存続を願う人びとから寄せられたメッセージ(画像:東急不動産SCマネジメント)

 そんな「幸せの観覧車」は、全館リニューアル後に設置された、同園3代目となる観覧車です。リニューアル検討時に閉鎖の話が出かけたものの、存続を希望する地元住民からの電話や寄せ書きがたくさん寄せられたため、カラーリングも新たにして復活させたといいます。観覧車の名前を決める公募には2938通の意見が寄せられ、蒲田に「幸せ」を届けるという願いを込めて、「幸せの観覧車」に決まりました。

「観覧車を『蒲田のシンボル』として残すことで、社内でも『地域のお客さまに寄り添って営業していこう』という気持ちが強まりました」(東急不動産SCマネジメント)

2018年で開園50周年

東急電車をモチーフにした乗り物を使った「エコライド」(画像:東急不動産SCマネジメント)

 線路をかたどったコースを、東急電車をモチーフにした乗り物で進む「エコライド」は、乗り物好きの子供に人気。「風の丘」は空気で作ったトランポリンで、飛び跳ねて遊ぶ子供たちの声でいつもにぎわっているとのことです。

空気で作ったトランポリン「風の丘」(画像:東急不動産SCマネジメント)

「当園は2018年で開園50周年を迎えることもあり、親子3代でのご利用がとても多いです。今後も、遠出せずに遊べる身近な施設として、また、屋上ならではの開放感を持つ施設として、魅力を発信していきます」(同社)

昔と変わらなくても、愛され続ける「太陽の広場」

 東急百貨店吉祥寺店の屋上にある「太陽の広場」は、同店のオープンに合わせて1974(昭和49)年6月に作られました。

東急百貨店吉祥寺店の屋上にある「太陽の広場」(画像:東急百貨店)

 同店を運営する東急百貨店(渋谷区道玄坂)によると、名前の由来は「開業当時に滝と小川の流れる緑の庭園に、太陽のモニュメントがあったため」とのこと。

 現在では、子供が走り回っても安全な人工芝エリアや、親子で一緒に乗れる「トーマス機関車」、乗り物カートなどの遊具があります。「かまたえん」と異なり、開園以来、その中身は大きく変わっていないそうです。

屋上遊園地は「日常の延長」

 現在は、地域の子育てファミリーが多く訪れています。敷地が程よい広さということもあり、「子供を安心して遊ばせられる」と好評だといいます。
 
 また、吉祥寺で生まれ育った人からは、「店は改装を繰り返しているが、屋上だけはずっと変わらず、懐かしい」といった声が寄せられているとのことです。

「屋上遊園地は『日常の延長』です。お子さんは園内を走り回ったり、乗り物などで遊んだりできる一方、親御さんも昔を思い出してホッとなれます。一般的な遊園地のように作り込まれていないので、気軽に利用できる良さがあります」(同)

 東京でわずか2か所となった屋上遊園地ですが、今もその魅力は失われず、多くの家族連れに愛されているようです。子供のころを思い出して、足を運んでみてはいかがでしょう?

●かまたえん       
・住所:東京都大田区西蒲田7-69-1
・交通アクセス:JR、東急池上線、多摩川線「蒲田駅」直結
・営業時間:10:00~18:00

●太陽の広場       
・住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-3-1
・交通アクセス:JR中央本線、京王井の頭線「吉祥寺駅」から徒歩7分
・営業時間:11:00~17:00

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