どうして「出口」が2か所もあるの? 全国でも珍しい「八王子インター」下り線とは

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どうして「出口」が2か所もあるの? 全国でも珍しい「八王子インター」下り線とは

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中央自動車道の八王子インター下り線には、わずか300mの間に2か所の出口が存在します。いったいなぜ? 「のっぴードライブログ」管理人の のっぴー さんがその理由を解説します。

ふたつの「出口」、どんな違いが

 中央自動車道(以下、中央道)の「八王子インター」(八王子市)は、中央道起点の高井戸インターから約26km離れたところにある、東京都西部のインターチェンジです。

500m先に「第1出口」、800m先に「第2出口」があることを示す案内標識(画像:(C)Google)



 起点の高井戸インター方面から来た場合は、都内最後のインターチェンジになることに加えて、中央道はこれまでの都市部の景観から一気に山間部へと突入するため、東京都西部の交通の要所ともなっています。

 そんな八王子インターですが、全国的にも珍しいつくりをしているところがあります。実は、高井戸方面からくる下り線には高速道路上に出口が“ふたつ”あるのです。

 高速道路のインターを降りてから、出口が複数あるところはいくつかあるのですが、高速道路上に「第1出口」と「第2出口」という名称で出口がふたつあるのは、全国の高速道路でも中央道下り線の八王子インターと名神高速道路上り線の京都南インターくらいです。

 ちなみに、名古屋・甲府方面からくる上り線の出口は、他のインター同様ひとつとなっていて、下り線だけが連続して出口が設置されている状況です。

 中央道下り線の八王子インターの出口がふたつある意味とはなんなのか? 詳しく深掘りしていきます。興味がある人や中央道下り線を利用する人は、ぜひ一度八王子インターの出口をチェックしてみてください。

「第1出口」は出口専用、バイパス直結

 下り線からくると手前側にある第1出口は、もともとは設置されておらず、1991(平成3)年3月に増設された出口専用となっています。出口専用のため、構造としては従来のインターよりも簡易的です。

第1出口付近(画像:のっぴー)



 八王子インターは、国道16号と接続するように作られていますが、国道16号の同区間は、神奈川県相模原市の橋本から八王子の左入橋まで両都市や国道16号沿道都市の人口が多いことから交通量も多いため、従来の国道と、新しくできた八王子バイパスのふたつの道路が通っております。

 下り線から八王子インターで降りる人は、八王子バイパスを経由して相模原や町田へ、またはその先の横浜市へ行くことが多く、第1出口は主に八王子バイパスを利用するドライバーのために作られた出口なのです。

 今でこそ圏央道という新たな高速道路の開通により、八王子バイパスの需要は少なくなりつつありますが、それでも相模原や町田、横浜と西多摩地区とを結ぶ重要な道路となっており、第1出口を利用する人は、意外と多いです。

 また、八王子市内に行くドライバーでも第1出口で降りた方が便利な場合もあり、たとえば八王子駅北口を中心とした市街地に行く際は、第1出口の方がアクセスが良かったりします。

 第1出口は、従来のインターチェンジの出口と違っていきなり一般道に出るため、道路が空いていると高速道路の速度の感覚が抜けないまま走行してしまうこともあるかもしれません。出口が近づいたら速度に気をつけて運転するようにしましょう。

「第2出口」は八王子ならではの特徴

 下り線からくると第1出口から300mほど先にある第2出口は、八王子インターが運用開始されたときからある出口で、八王子インターの入り口と上り線の出口と共通の場所が使用されています。

第2出口付近(画像:のっぴー)



 出口は国道16号と接続しており、八王子市街地方面と昭島・川越方面に分かれています。第1出口にくらべて、行く方面の選択肢が多いのが特徴です。

 そして、ここでまた八王子インターならではの特徴があります。八王子インターでは、下り線の入り口と出口に料金所が設置されていないのです。これは、どういう仕組みなのでしょう。

 中央道の、高井戸インター~八王子インターは均一料金区間のため(ETC利用だと割引が適応される場合あり)現金の場合、通常なら出口で高速道路の通行料を支払うところを、入り口で支払うしくみになっているのです。

 さらに、八王子インターが均一料金区間の終点ということで、八王子インターを過ぎたところの高速道路上に八王子本線料金所が設けられており、この料金所が八王子インターの下り線入り口の料金所も兼ねているのです。

多数の車両が行き交う第2、安全確認を

 下り線では、八王子インターで高速道路を降りるときも、すでに入り口で料金を支払っているため料金所が必要なく、それにより第1出口のような簡易的な構造や、第2出口でも料金所を通らないで出られるという、珍しい体験ができるのです。

 第2出口は、上り線と下り線兼用ということで、たくさんの車がさまざまな方面に行き交うことになりますし、車線変更の機会も増えます。

 周囲の安全確認をしっかりしながら走行するようにしましょう。

利便性と交通状況を考えた2か所設置

 八王子インターの下り線の出口がふたつあるのは、利用する人の利便性向上と交通状況の緩和のためです。また、均一料金区間であるために、第1出口のような高速道路を降りてすぐ一般道に接続という都市高速のような出口が実現できたのです。

 八王子インター出口を利用しない人にとっては、出口がふたつある意味を知る機会はあまりないかと思いますが、八王子インター近郊や八王子バイパスをよく利用する人にとっては、とても便利に感じる構造なのです。

 もし、八王子インター出口の利用にあまり慣れていない人で、どちらの出口で降りればいいのか迷う場合は、第2出口を利用した方がその後の選択肢が広がるため無難と言えます。第2出口から第1出口へは一般道で、約10分ほどで到着します。

 中央道下り線の八王子インターを利用または通過する際は、第1出口手前約1kmから第1出口と第2出口の表示が出てきますので、運転に気をつけながら、ぜひ注目してみてください。

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