私がネット上のどんな『シン・エヴァ』論争にも共感できない理由
2021年4月3日
ライフ累計興行収入が60億を突破し、現在話題のアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。そんな作品に関するSNS論評について、ルポライターの昼間たかしさんが持論を展開します。
テレビアニメ版の最終回からもう25年
2021年3月8日(月)の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開からもうすぐ1か月が経過します。制作サイドが要請していた「ネタバレ禁止」は解禁へとシフトし、インターネット上、SNS上ではさまざまな意見や考察が飛び交っています。
テレビアニメ版の最終回から25年。今回ついにシリーズが完結してファンは熱く燃えていると思いきや、インターネット上の議論を見ても熱気がいまいち感じられません。
25年の悶々(もんもん)とした思いに決着がついたら人生が終わってしまいそうで、筆者(昼間たかし、ルポライター)はまだ作品を見ていません。その一方で、興行収入は日増しに積みあがっています。
熱気がいまいち感じられないのは、25年という時間がファンの感情を劣化させるには十分すぎるほど長かったからなのでしょうか。
逆に、テレビアニメ版が放送されていた1995(平成7)年と1996年、ファンはなぜあんなに熱くなれたのでしょうか。その謎を、当時の若者たちの生活スタイルから考えていきます。
インターネットが普及していなかった1996年
現在と異なり、当時はインターネットと携帯電話が普及していませんでした。

筆者が大学生だった1996年当時、インターネットに触れたことのある人は東京でも決して多くありませんでした。前年の「Windows95」ブーム以降、パソコンを所有する人は確実に増えていましたが、パソコン通信の電子メールを持っている人はまだ「レアな人」だったのです。
当時のパソコンはとても高価で、学生は必死にバイトするか、ローンを組むかしないと買えませんでした。しかも買った学生の大半は「卒論のために役立つ」などと言いつつも、実際はパソコンゲーム用に使っていました。
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