コロナ禍で外国人減少も「新大久保」に新規出店が止まないワケ
2020年12月24日
お出かけコロナ禍で新大久保の外国人人口が減少しています。一方、これをチャンスととらえビジネスに乗りだす彼らの姿も。最新の現状について、アジア専門ライターの室橋裕和さんが解説します。
新宿区では5000人以上の外国人が減少
新型コロナウイルスは、外国人コミュニティーにも大きな影響を与えています。新大久保ではこの2020年、外国人人口の減少が進んでいるのです。
このエリアで外国人がとりわけ多い大久保1丁目と2丁目、それに百人町1丁目と2丁目に住む外国人は、2020年1月1日の時点では計「8501人」でした。ところが2020年12月1日の統計では、「7207人」まで減っています。1年間で1000人以上が、この地域から転出していったことになります。
同エリア・同じ時期の日本人人口は「1万3201人 → 1万3187人」とほぼ横ばいなので、外国人だけが際立って減少したことになります。
新大久保のある新宿区全体でも、外国人は「4万2598人 → 3万6959人」と大きく減っています(日本人は「30万5854人 → 30万7857人」とむしろ増えています)。
この「減少分」は、留学生が大半を占めているようです(※数字は新宿区の統計より)。
留学生へのダメージが最も大きい
2020年は、コロナ禍によって全世界的に出入国がストップしました。そのため留学生が入ってこられない状態がしばらく続きました。

新大久保も含めた新宿区は、日本語学校や外国人を受け入れている専門学校が非常に多いことでも知られています。そこに行き来する留学生が街に「若さ」を与えてもいました。そして彼らはまた「週28時間」という制限がありながらも、コンビニや飲食店で働く貴重な労働力として街を支えてきた存在です。
しかし入国制限によって、2020年度の新入生は入ってこられなくなりました。オンライン化が進んではいますが、それではなんのための留学か、と取りやめる人もいます。
すでに日本に滞在していた留学生の中には、母国の両親がコロナのために失業し、仕送りをもらえなくなった人もいます。彼らがアルバイトしていた飲食業界はコロナの直撃を受けて人減らしが進んでいます。
そして卒業した留学生たちはコロナ不況を受けて就職先がない――こうした理由で、減便された飛行機に乗り、厳しい検疫の中、帰国する若者が増えているのです。
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