銀座から熱く発信! 老舗「王子サーモン」に聞く、知れば知るほど深いサーモンの世界!
サーモンの楽しみ方や、種類によって何が違うかなど、その世界の深いところを、老舗「王子サーモン」に聞きました。意外な果物と合うといいます。
知っているようで知らなかった。広大なサーモンの世界
「愛され魚類」という分類があるならば、間違いなく名を連ねるだろう食べ物、サーモン。回転寿司に、サンドイッチに、おつまみに。欠かせない食材のひとつです。

そんなサーモン、トリビアが多い魚でもあります。日本語に訳すと「鮭」だけど「マス」も含まれていて、赤いけれど、白身魚の仲間なのだといいます。
さらによくよく考えてみると、即答しづらい疑問も多い魚です。
種類ごと、産地ごとの違いとは、具体的に何なのでしょうか。高いサーモンと安いサーモン、「高いサーモンの方が美味しそう」と漠然と感じますが、値段の理由は味だけなのでしょうか……? 良質なサーモンを知る老舗に話を聞きました。
向かったのは、銀座松屋の裏側にある「王子サーモン」銀座店。1967年、王子製紙のグループ会社として始まった、50年以上の歴史を持つ、サーモンの専門店です。
発足のきっかけは、王子製紙のかつての副社長が、イギリス出張の際、ロンドンのレストランで、美味しいスモークサーモンに出会ったこと。原材料を尋ねたところ、北海道・日高沖産の鮭だと判明し、その感動から、サーモンへの探求が始まったといいます。


店内を見回すと、世界各国から集結した、生、スモーク、フレーク、チップス、加工品など、さまざまな姿のサーモンたちがぎっしりと並んでいます。


食べながら確かめてみよう! サーモンそれぞれの違い
迎えてくれたのは店長の間世田さん。開口一番「まずは、食べてみた方が早いと思いまして!」と、張りのある声を響かせ、出してくれたのは3種類のサーモンです。

最初に言ってしまうとこの3種類、「美味しい!」という率直な感想以外は、噛んだときの感触、味、口の中での広がり方、全部が全部、まったく異なるものでした。
まずは「沖獲り紅鮭」。紅鮭は、鮭の中でもっとも身が赤い種類です。見た目からしてかなり肉厚ですが、口にすると、その厚みをさらに実感。味も濃厚です。(なお、王子サーモンの紅鮭は、徹底した管理のもと、冷凍処理等を行っているため、寄生虫の心配がないとのこと)
2つめは、フィヨルドサーモン。クセのないさっぱりとした味わいながら、噛めば噛むほど、旨みが口の中に広がります。
フィヨルドとは、氷河の浸食作用によって形成された複雑な地形の湾や入江のこと。フィヨルドサーモンとは、そのフィヨルドの中でも選りすぐりの養殖地で育ったサーモンのブランド名です。
そしてその正体は「ニジマス」。別名サーモントラウトとも呼ばれる、養殖育ちの「マス」です。ですが「マス」はサケ科の生物なため、生物学的には同じ魚に分類されます。呼び名の違いは、国や地域によるもの。ちょっとややこしいですが、「仲間」なのだといいます。
3つめは、キングサーモン。噛むと脂分がぎゅっと口の中に広がり、身は、口の中でほろほろとほどけていきます。とろけます。脂のノリがダントツです。
キングサーモンは直訳すると「王様鮭」。王様と呼ばれるゆえんは、この脂のノリと大きさといいます。通常は50cm~1m以内に収まることが多い鮭のなかで、キングサーモンは1.5m前後におよぶことも。
「赤ワインが飲みたくなる味ですよね!」と間世田さん。たしかに、白ワインよりも、赤ワインが合いそうな豊潤な味わいです。

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