ついに葬儀まで自粛ムード 新型コロナで「最期のお別れ」はどう執り行うべきか?

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ついに葬儀まで自粛ムード 新型コロナで「最期のお別れ」はどう執り行うべきか?

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アーバンライフ東京編集部

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新型コロナウイルス感染拡大は冠婚葬祭の実施にも影響を及ぼしています。とりわけ、やり直しの利かない「葬儀」について、当事者たちは頭を悩ませています。

少人数の家族葬・直葬が増加傾向に

 新型コロナウイルスの感染拡大が、日本国内での冠婚葬祭にも影を落としています。

 厚生労働省がイベント開催の必要性を十分検討する呼び掛けた2020年2月20日(木)以降、結婚式の開催を迷うカップルや親族が出始め、話題となりました。続く26日(水)に安倍首相自らが全国規模のイベント開催について2週間の中止や延期を要請したことで、事態は「自粛ムード」一色に。

 結婚式場への延期やキャンセルが相次ぎ、東京オリンピック・パラリンピック後の秋に先延ばしするケースが見られるなか、日取りを延期できない催事もあります。そのひとつが「葬儀」です。

葬儀・告別式を執り行うイメージ(画像:写真AC)



「親戚は家族葬を選びました。大勢の人が集まるのはいけないからって」
「コロナの影響でたくさんの人を呼べないから、ごく少人数の家族葬にします。おじいちゃん、ごめんね」
「故人の式に参列するのは高齢者も多いから、コロナ対策大変だよな……」
「葬儀社の人に聞いたけど、直葬(ちょくそう。火葬のみを行う葬儀)も増えているらしい」

 会員制交流サイト(SNS)ツイッターでは、新型コロナウイルスの影響を懸念して葬儀を縮小する、縮小したといった書き込みが2月下旬ごろから見られるようになりました。

 3月10日(火)、安倍首相がさらに10日間の「自粛延長」を求めたことで、こうした流れは今後も加速しそうです。

「この時期お葬式をするのは、迷惑ですか?」

 葬儀関連サイト運営などを行う鎌倉新書(中央区京橋)が2017年に行った調査によると、東京で行われる葬儀の種別は、一般葬が43%、家族葬42%、1日葬6%、直葬・火葬式が9%。

 全国と比べて小規模な葬儀が選ばれる傾向は以前から高いものの、今回の新型コロナの影響によりその傾向はさらに高まっていると、葬儀関係者は証言します。

葬儀・告別式を執り行うイメージ(画像:写真AC)



「お通夜や告別式に多数の方をお呼びするのは、この時期ご迷惑になりますでしょうか?」
「お世話になった方も大勢いらっしゃるのですが、遠方からわざわざお呼びして、移動の途中で感染させてしてしまうんじゃないかしらと思うと怖いんです」

 葬儀手配事業を展開する「よりそう」(品川区西五反田)に、こうした問い合わせが相次ぐようになったのは3月に入って間もなくのこと。

 皆、親族が亡くなるなどし、差し迫って式を行う必要のある利用者たちばかり。日延べをするわけにもいかず、限られた参列者のみの家族葬を行ったり、直葬をやむを得ず選んだりするケースもあったとのことです。

「たった一度きりのお別れの機会を、ご本人やご家族の望む形で執り行えないというのは、何と悲しいことなのだろうと、この仕事に携わる者として感じています」

 そう話すのは、同社・広報担当の高田綾佳さん。

 提携葬儀社に緊急の聞き取り調査を行ったところ(2020年2~3月実施、有効回答数64件)、新型コロナウイルス感染拡大の影響を感じるとした社はおよそ3割。そのうち「家族葬・密葬を選ぶ割合が増した」との回答は、約半数に上ったといいます。

一度きりの機会を、少しでも良いものに

 また一般葬の場合でも「ご親族の了承を得たうえで、一般参列者の儀式着座はお断りし焼香のみの会葬にしていただいた」といった対策を取る社もあったといいます。

「感染の不安が落ち着いた後に、あらためて故人とのお別れの機会を設けてほしい」と考えた同社では2020年3月31日(火)までの間、やむを得ず最小限の参列者で葬儀を行った利用者を対象に、「後葬(あとそう)」という名のサービスを開始。

 感染拡大収束後に同社提供の一般葬・家族葬・1日葬を営む場合、最大で5万円(税抜き)を同社で負担するとのことです。

 同じように「後日葬」サービスを提案する葬儀仲介業者はほかにも現れ始めていて、「今は最小限のお見送りをし、後からきちんと『お別れの会』を設ける」というスタイルが、ひとつのあり方となるかもしれません。

葬儀・告別式を執り行うイメージ(画像:写真AC)



「一度しかないお別れの機会を、少しでも良いものにしていただきたい」と、よりそうの高田さん。

 ツイッターには「数週間前の親族の葬儀には、座り切れないほどの人が参列してくれた。コロナのせいで家族葬・密葬が増えるのは、寂しいよね」といった書き込みも。

 新型コロナウイルス感染拡大は期せずして、親しい人とのお別れのあり方をあらためて考える機会となっているように感じます。

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