安産と子授けのご利益!江戸から変わらぬ多くの参拝者 水天宮―東京神社案内【22】

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安産と子授けのご利益!江戸から変わらぬ多くの参拝者 水天宮―東京神社案内【22】

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石津祐介

ライター、写真家

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東京都には約2,000社の神社があると言われています。初詣や祈願成就で参拝したり、散歩がてらに立ち寄ったりと神社に行く機会は何かと多いのでは。そこで本シリーズでは、写真家の石津祐介さんが神社の見どころや土地とのつながり、オススメの授与品を紹介し、神職の方からお話を伺います。第22回は「水天宮」です。

匠の技と近代建築が融合した神社(画像:石津祐介)



●安産と子授けのご利益

 東京メトロの駅名にもなっている水天宮。東京メトロ半蔵門線の水天宮前駅出口に隣接しています。安産と子授けのご利益で江戸の頃から広く知られ、多くの参拝者が訪れています。今回は、権禰宜の有馬里佳さんに神社を案内していただきました。

「東京の水天宮は、江戸時代に九州の久留米藩主が文政元(1818)年に藩邸で祀っていた水天宮を、芝赤羽橋の上屋敷に分祀したのが始まりです。平成30(2018)年には、江戸鎮座200年を迎え、その節目にあたり、地震災害に強い免震構造を備えた、古きよきもの、新しきものを取り入れた唯一無二の神社として建て直しをさせていただきました」(有馬さん)

災害に強い免震構造を持つ(画像:石津祐介)
御社殿へと続く斬新な参道(画像:石津祐介)

「安産と子授けについては、江戸時代に参拝に来た妊婦さんがお賽銭箱の上に結ばれた『鈴の緒』という鈴を鳴らす紐を腹帯として巻いたところ、無事に出産し赤ちゃんも順調に育ったというエピソードが江戸の町に広まり、当社が安産のご利益があるとされる由縁です」(有馬さん)

水天宮伝統の五色の「鈴の緒」(画像:石津祐介)

●水天宮のご祭神

 水天宮のご祭神は、福岡県久留米市にある総本宮と同じく天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)と、安徳天皇(あんとくてんのう)建礼門院(けんれいもんいん)二位の尼(にいのあま)の平家一門の三柱が祀られています。

「天御中主大神様は、神話の最初に登場する多くの力を蓄えられた神です。お祈りをする事で、命の誕生の後押しや自身の命に光を与え、大きなお力を授けて下さるご神徳があります。安産や子授けに限らず初宮、七五三、除災招福、心願成就等お参りいただければと思います」(有馬さん)

社殿内の祈りの空間(画像:石津祐介)

●境内の見どころ

 境内には寳生辨財天(ほうしょうべんざいてん)や、秋葉神社、火風神社、高尾神社の3つの社が並ぶ境内社があり、なでると安産と子授け、身体健全、除災招福のご利益のある「子宝いぬ」「安産子育河童」、またブリヂストンの創業者•石橋正二郎氏が奉納した「狛犬」があります。

「寳生辨財天が芸能や金運、学業のご神徳があり、3つの境内社とも以前の御社殿にあった時からお守りしている神社になります」(有馬さん)

境内社の寳生辨財天(ほうしょうべんざいてん)(画像:石津祐介)
左から秋葉神社、火風神社、高尾神社(画像:石津祐介
親子の犬が愛らしい「子宝いぬ」(画像:石津祐介)
河童の親子像「安産子育河童」(画像:石津祐介)
久留米出身の石橋正二郎氏によって奉納された「狛犬」(画像:石津祐介)

●人気の授与品や御朱印をいただこう

 安産のご利益「安産御守・御子守帯」は、5mの生成り帯と巾着型の御守、福戌御守が一式になっています。他にも「御子守(みすずまもり)」は、水天宮の鈴と五色の鈴の緒をあしらった子どもの御守で、「福むすび絵馬」は願いが実を結ぶことを願う縁起物、また「子授け御守」は安産祈願の御守と共に人気があります。御朱印は、通常のものに加えて時期や行事により種類が増え、また3のデザインの御朱印帳があります。

「ご参拝いただいた方に、季節感やその時期を感じていただけるよういろいろな御朱印をご用意しております」(有馬さん)

帯と御守がセットになった「安産御守・御子守帯」(画像:石津祐介)
左から子授け御守、福むすび絵馬、御子守(みすゞまもり)(画像:石津祐介)
水天宮の御朱印帳と御朱印(画像:石津祐介)
今回、神社を案内していただいた権禰宜の有馬里佳さん(画像:石津祐介)

■水天宮(すいてんぐう)
住所:東京都中央区日本橋蛎殻町2-4-1
TEL:03-3666-7195
開門時間:7:00~18:00
神札所:8:00〜18:00
ご祈祷受付:8:00〜15:15
アクセス:東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」より徒歩1分
東京メトロ日比谷線「人形町駅」より徒歩6分
都営地下鉄浅草線「人形町駅」より徒歩8分
都営地下鉄新宿線「浜町駅」より徒歩12分

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