都心の喧騒を思わず忘れる「癒し力」 360度緑に囲まれた五日市の魅力に迫る

東京にこんな豊かな自然があったなんて。拝島駅から武蔵五日市駅、檜原村への緑あふれるルートをまち探訪家の鳴海侑さんが解説します。

ローカル線に乗っている気分を味わえる五日市線

 都心の密集感と新しいモノ・コトの多さが東京の大きな魅力ですが、その情報量に疲れてしまうときもあります。そんな人のためにふらっといける多摩エリアの癒やしスポットをご紹介します。

紅葉に彩られた秋川渓谷の様子(画像:写真AC)



 今回の出発地は昭島市にある拝島駅。新宿駅から中央線と青梅線で35分~50分。西武拝島線でもアクセス可能です。

 拝島駅は2010年に完成した新しい橋上駅となっており、美しいステンドグラスや東西自由通路の西側にある大きなガラススクリーンが特徴的です。ガラススクリーンからは関東山地が見え、まるで東京から遠くに来たような錯覚すら感じさせます。

 JR駅構内には本屋さんがあり、道中読む本をここで買い求めてもいいかもしれません。

 そんな拝島駅を起点とするのがJR五日市線。あきる野市の五日市へ向かう鉄道路線です。車両は中央線で使われている車両ですが、半自動ドア。ドア横のボタンを押して扉を開けます。運行間隔はおおむね20~30分に1本程度。単線で時折行き違いのために長い時間停車する駅もあります。全体的に少し遠くにきてローカル線に乗っている気分を味わえるのが五日市線のいいところです。

 拝島駅を出るとはじめのうちは車窓に住宅地や団地が多く、乗っている人も多いです。3駅ほど乗った先に秋川駅があり、ここで多くの人が降ります。そして南側には東京サマーランドが見えてきます。線路の周囲も段々と畑が増え、徐々に丘陵や山地が迫ってきます。

都内とは思えない山中にハイキングコースなどが

 拝島駅から20分ほど、山に大分近づいてきたところで終点の武蔵五日市駅に着きます。高架の上にホームのある立派な駅です。また駅の中では所々に木が利用されています。

 現在はあきる野市の一部ですが、1995(平成7)年までこのあたりは五日市町でした。市街地は武蔵五日市駅の西、秋川から見ると北側に広がっています。このまちは山間部から集められた木炭を売る市場で栄え、また明治時代には大日本憲法が作られる前に民間で検討された憲法草案(私擬憲法)のひとつ、五日市憲法が作られた場所としても知られています。武蔵五日市より東側から来るバスの一部はこの五日市の市街地まで運行するものもあります。

 さて、武蔵五日市駅は関東山地の麓。山の入り口にあたります。春から秋にかけてはハイキングへ向かう人の姿を多くみることができます。駅前にはカフェを中心に地域情報コーナーやラウンジ、荷物預かり所などがある複合施設「東京裏山ベース」(あきる野市舘谷)があります。ここではレンタサイクルの貸し出しのほか、五日市から檜原村エリアのアクティビティイベントの企画もしています。

武蔵五日市駅の外観(画像:写真AC)



 駅前のバスターミナルからは五日市線に接続するように西東京バスが発着し、檜原村方面へ向かうことができます。途中には秋川渓谷があり、美しい渓谷の景観をみることもできます。ここまで来るといよいよ山の中に入るため、「ここが東京都だ」といわれてもにわかに信じられない人は少なくないのではないでしょうか。それでもここは立派な東京都。東京のもつ多様な面のひとつです。

 さらに東京都の島嶼(とうしょ)部以外では唯一の村、檜原村に入ればより一層山深くなります。途中から大きな沢がふたつに分かれ、バスも大きく2系統に分かれます。そのうち「数馬」方面に行けば、東京都檜原都民の森(西多摩郡檜原村数馬)があります。200haの広さがあり、6つのハイキングコースや森林館、木材工芸センター、炭焼き小屋、野鳥観察小屋といった施設があります。

 またこの森は東京都民の水源林にもなっています。冬の期間(12月から2月)を除けば武蔵五日市駅からの直通バス(1日2往復)や数馬バス停からの無料連絡バス(1日4往復)でアクセスすることが可能です。

機関車を模したユニークなバスで温泉に行ける

 こうした素敵な自然環境もあってか、五日市や秋川渓谷沿いには素敵なカフェも点在しており、緑や山を見ながらカフェでゆっくりとした時間を過ごすこともおすすめです。私も気分を変えたいときにはこのあたりまで足を伸ばし、カフェでじっくり原稿のネタを考えたり、まとめたりしています。

 また、五日市周辺は温泉も豊富です。五日市から檜原村へ向かう途中にある「瀬音の湯」や檜原村に入り、数馬方面にある「数馬の湯」、日の出町にある「生涯青春の湯 つるつる温泉」といった日帰り温泉施設があります。どれもアルカリ性単純泉。東京都心でよく見る黒いお湯とはまた違った温泉です。なかでも「つるつる温泉」はアクセスするバスがユニークなことでも知られています。

機関車型トレーラーバス「青春号」(画像:写真AC)



 つるつる温泉へ向かうバスは武蔵五日市駅前から出ているのですが、機関車を模した見た目となっています。このバスは「青春号」と名付けられ、日本では唯一営業運行するトレーラーバスです。このバスを運転するためにはバスを運転するための大型二種免許の他にけん引用の免許が必要とのこと。とても珍しいものです。時間があればぜひこちらのバスも乗ってみてください。

 ここまで多摩の癒やしスポットとしてJR五日市線でいく五日市や檜原の魅力を紹介しました。車がなくとも電車、バスが充実している場所で、アクセスも比較的容易なエリアです。ぜひ1度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

【路線図】行き方簡単! 西東京バス「檜原都民の森」連絡ルート

画像ギャラリー

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