上京したのに何にも変わらなかった――そんな未熟な「自分探し」を捨て去った、私の末路とは
2019年8月28日
ライフ最新のトレンドや情報であふれ返っている――。これは、地方から東京を見た一般的なイメージです。しかしそのようなものは本質的に自分を変えません。
東京に行けば自分の人生が劇的に変わると信じていた
よく、「東京に来ると人生が変わる」「子どもを産むと妻は変わる」と言われます。上京や出産というライフイベントが自身の環境や考え方に大きく影響し、何らかの変化をもたらすというのは一般的なことなのかもしれません。
一方そのような出来事を経たところで、何も変わらなかった人もいるでしょう。筆者もそのひとり。「〇〇すれば自分は変われる」という、10代の頃に夢見ていた「自分探し」が叶わなかったのです。

筆者は山形県出身。先にふたりの姉が大学進学で上京していたこともあり、中学生の頃から「自分も早く東京に行きたい!」と強い憧れを持っていました。また当時の筆者は、地元の大学に進学して地元で就職して、中学や高校の同級生と結婚する人生なんて絶対に嫌だと考えていました。「東京に行けば、人なのか物なのか場所なのかはわからないけれども、きっとなにかドラマティックな出会いがあって、自分の人生を変えるはずだ」と本気で信じていたのです。
上京して、「マンモス大学だから」という理由で選んだ早稲田大学に入学すると、学校の勉強のかたわら映画を作ったり、演劇活動をしたり、新宿ゴールデン街でアルバイトをしたりしていました。
その間大学やバイト先などで、たくさんの素晴らしい友人や先輩に出会いました。しかし、「人生を変えるほどのドラマティックな出会い」はまだこの先にあると信じ、大学卒業後は就職せずにフリーターを選択したのです。
結局筆者は、「いつかは何かが、誰かが自分の人生を変えてくれる」と「自分探し」と称したモラトリアムに流されていただけだったのです。そんな受け身で他人任せな「自分探し」で見つけられる自分なんてどこにもいないと気付いたときには、すでに上京して5年が経過していました。

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