羽田空港から行く「初日の出フライト」その中身とは? 各社ごとの違いも 【2023年版】
毎年初日の出を飛行機から眺めようというツアーが航空各社や旅行会社で実施されています。競争率が高く根強い人気を誇る「初日の出フライト」とはどんなものなのでしょうか?2023年の羽田空港発着ツアーの航行ルートから機内弁当やお土産、そして実際に参加した体験も交えて、旅行ジャーナリストのシカマアキさんが解説します。●毎年人気で抽選、1名10万円でも参加希望者多数 1月1日の元旦、初日の出に合わせ、その初日の出を飛行機から眺めようというツアーが毎年、航空各社および旅行会社によって実施されています。 日本全国で行われているものの、最も多いのは、東京国際空港(羽田空港)発着のツアー。先着順だとすぐ満席に、抽選だと競争率は何倍にもなるなど根強い人気を誇ります。 飛行機から見る初日の出(画像:JALプレスリリースより) 初日の出フライトの参加費用は、最も高くて1名あたり10万円ほど。ファーストクラスなどの座席、窓側の初日の出がよく見える座席ほど、ツアー代金が高く設定されています。通路側や翼の上など座席に特にこだわらなければ、1名あたり3万円ほどで参加することも可能です。 航空各社の初日の出フライトとはいったいどんなツアーなのでしょうか。2023年の羽田空港発着ツアーの紹介、そして実際に参加したことがある筆者の体験も交えて紹介します。 >>関連記事:羽田空港が変わる!ターミナル直結のホテル・温泉・大型商業施設と開業ラッシュ ●航空各社の初日のフライト、旅行会社で申し込みが一般的2023年1月1日に、羽田空港発着で実施される初日の出フライトは、以下の通りです。 ■ JAL「2023 初日の出 初富士フライト」 ■ ANA「初日の出フライト」 ■ ソラシドエア「初日の出&初詣フライト」 ■ エアドゥ「富士山周遊 初日の出ツアー」 その他、成田国際空港(成田空港)発着でJALとANA、大阪(関西空港)発着でANA、中部国際空港(セントレア)発着でJTA(日本トランスオーシャン航空)とフジドリームエアラインズ(FDA)などがあります。 AIRDOの初日の出フライト。2022年の様子(画像提供:AIRDO)いずれも、おおまかなツアー内容はほぼ同じ。日の出より前に飛行機に搭乗して空港を離陸し、日の出と同時に「富士山」周辺を飛びながら初日の出を楽しみ、元の空港へ戻るという内容です。 搭乗証明書とカレンダー(画像提供:AIRDO)※2022年実施のもの 唯一、ソラシドエアのみ、飛行ルートが異なります。羽田空港を出発して富士山とともに初日の出を観賞するまでは同じ。しかしその後、縁結びで有名な宮崎県の青島神社を参拝し、羽田空港へ戻ります。ソラシドエアの本社は宮崎市にあることもあり、これがソラシドエアの毎年恒例となっています。 宮崎・青島神社(画像:シカマアキ)●気になる「初日の出フライト」の内容、羽田空港に朝4時集合 例えば、初日の出フライトの運航で、最も歴史あるJALの場合。元旦の朝4時に羽田空港に集合して搭乗ゲートへ。この時点で、他の国内線はまだ運航が始まっていません。これもなかなか経験できる機会はないでしょう。 出発前の搭乗ゲートの前は、お正月ムード。振袖を着た女性スタッフが並び、機内で提供される「おせち風弁当」の展示、飛行予定ルートのマップが掲示されています。 おせち風弁当(画像提供:JAL)※2022年実施のもの いざ搭乗し、富士山に向けて出発します。離陸前の、空がまだ真っ暗な滑走路には、同じように初日の出フライトに向かう他の飛行機も並んでいるのが、機窓から見えることも。 富士山へ向かう機内では、航空会社や旅行会社のスタッフによる挨拶など。初日の出直前に富士山付近に到着し、その後、機内の窓から日の出を富士山とともに見ることができます。 遊覧飛行中、片側の窓側席だけでなく、両方の窓から富士山と初日の出が見えるように配慮も。しばらく富士山をまさにぐるぐる回る感じで飛行します。 その後、羽田空港へ戻ります。朝8時ごろには終了。集合時間から4時間足らず、元旦だけの特別な体験と言えるでしょう。 JAL「2023 初日の出 初富士フライト」羽田発着ルート(画像:JALプレスリリースより) 参加者には、初日の出フライトの搭乗証明書、その他お土産も配布されます。どのフライトも内容はおおよそ同じで、飛行機の大きさなどによって募集人員が異なります。 ●着物を着て参加する常連客、1人参加もOKなツアーもある ちなみに、筆者は初日の出フライトに搭乗した経験があります。朝4時集合のため、羽田空港内に前泊。公共交通機関が基本的にまだ動いていないため、この時間にまず自力で羽田空港へ行く必要があります。自宅から車で来た人が多いようでした。中には着物を着て参加する女性客の姿も。 初日の出が出る瞬間はどうしても窓側席のどちらか側になりますが、太陽はゆっくりと上がるため、どちらかの窓側席であれば、富士山とともにきれいに見えます。窓側でない座席の場合も、ドア部分にある小さな窓から順番で見ることができるようでした。 ANA「初日の出フライト」はボーイング787-8での運航予定(画像:シカマアキ) なお、初日の出フライトは羽田発着の場合、某社で競争率およそ5倍以上と聞きました。毎年参加するというリピーターもおり、初日の出フライトにおける人気ぶりがうかがえます。 元旦の初日の出を、飛行機から富士山とともに眺める特別なフライト。もし機会があれば、参加してみてはいかがでしょうか。
- 乗り物
- 羽田空港第1ターミナル駅(東京モノレール)
- 羽田空港第3ターミナル駅(京急)