「パッカーン!」でストレス解消。土日限定の「瓦割り専門店」、開いた人物は読書家

浅草の遊園地・花やしきの近くに、瓦割りの専門店があります。ストレス発散をするために、同店には多くの人たちが訪れます。そもそも空手家のパフォーマンスとして知られる瓦割りのお店をなぜ作ろうと思ったのでしょうか。オーナーの川口さんに話を聞きました。

女性でも簡単に割れる瓦、一気に16枚割る人も

 東京で働いたり、暮らしたりしていると、仕事や家庭など、なにかとストレスがたまりがちです。かといって、日々の生活に追われて、短時間でストレス発散できる場所もなかなかありません。そんな人たちにピッタリなお店が浅草にあります。

悩み多き東京人のストレス発散にぴったりの瓦割り(画像:カワラナ)



 その名も「カワラナ」。2017年4月にオープンしたこのお店では、空手家のパフォーマンスでおなじみの瓦割りの体験ができるのです。利用システムは、どのようになっているのでしょうか。

「カワラナ」は、日本最古の遊園地「浅草花やしき」の近くにある(画像:カワラナ)

 瓦割りは店内に併設されたスペースで、手を傷めないよう、専用のグローブを使って行います。使用するのは厚さ1~2cmの「のし瓦」という種類の瓦で、裏面の真ん中にあらかじめスリットが入っているため、女性でも簡単に割れるようになっています。

瓦割りに使われる「のし瓦」は、割れやすいように作られている(画像:カワラナ)

 基本料金は、1枚割ると500円、5枚で2000円、10枚で3900円。女性は5枚、男性は10枚を選ぶ人が多いとのこと。もちろんそれ以上の枚数にもチャレンジでき、2018年8月現在の最高記録は男性31枚、女性16枚となっています。

 多くの枚数を割るためには、腕力にまかせて割ろうとするのではなく、野球の遠投時の投球フォームのように体全体を使って、拳に全体重をかけるのがコツです。

瓦を割る女性。終了後は一様にすっきりした顔になるという(画像:カワラナ)
男性も負けずに瓦割り。後ろに見えるのはすでに割られた瓦の山(画像:カワラナ)

 浅草という土地柄やサービスの珍しさもあり、インバウンド(訪日外国人)が多いと思いきや、利用者の9割以上は日本人。そのうちの半分以上が20~30代女性とのことです。皆さんストレスが相当溜まっているんでしょうか。

想像以上に爽快、ビジネスにしてしまうほど

「以前、すごいお客さんがいらっしゃいましたね。とてもおきれいな方だったのですが、瓦の前に立ったまま、割らないで2~3分間なにかブツブツつぶやいているんです。肝心の内容は聞こえなかったのですが、本人いわく『憎しみを思い出している』と(笑)。すごいですよね。その分、割ったときの顔がとんでもなく晴れやかでしたが」

 笑いながらこう話すのは、「カワラナ」を運営する合同会社ハハハ代表の川口民夫さんです。横浜出身で、高校・大学時代はバックパッカーとして、世界60か国以上を旅していたといいます。そのときの経験を生かして、同店をオープンしたのだそうです。

忍者にコスプレした人たちと一緒に店の前に立つ川口さん(写真中央)(画像:カワラナ)



「行く先々、面白い場所もあれば、やることがなくてつまらない場所もあったんです。やっぱり違う土地にいったら楽しみたいじゃないですか」

 そんななか、瓦割りをビジネスに選んだのは、自分がかつて体験し、「ありえないほどの爽快感」を味わったからだといいます。

「興味を持ったのは、2016年の4月にテレビで瓦割りをしている番組を見てからです。インターネットで調べたら、『石川商店』という、戸越銀座にある屋根工事専門の業者さんが『かわら割り道場』というのをやっていたのを知りまして。すぐに行って体験したんですけど、もうね、想像以上に爽快で。これまで30数年間生きてきましたが、一撃で瓦をぶっ壊すあの高揚感はハンパなくて」(川口さん)

「カワラナ」の提供するさまざまな瓦割りプログラム(画像:カワラナ)

 その後、「石川商店」が高校時代の同級生の実家だったことが判明。共通の友人を通じてコンタクトをとるようになり、今では「カワラナ」に瓦を卸してもらう間柄になったといいます。

「カワラナ」のさまざまな割引サービス(画像:カワラナ)

 そんな川口さん、実は2018年8月まで大手サービス企業に勤めるサラリーマンでした。「カワラナ」はその仕事のかたわら、土日祝日を利用して運営していたといいます。今後は瓦割りだけでなく、さらなるビジネスの拡大を視野に入れています。

「当社のミッションは『楽しく暮らす人を増やすこと』。『カワラナ』は気軽にストレス発散のできるお店として知られるようになりましたが、私はお客さんにただ楽しくなってほしいだけなんですよ(笑)」

シンプルに楽しんで欲しい。今後は読書会も企画

 川口さんの当面の目標は、「カワラナ」への人の流れをより活発にすること。そのためにはさまざまなジャンルの人たちと交流することが大切だと考え、月替わりで店内に絵や写真などの作品を無料展示できるスペースを作ったり、持ち込んだ本を物々交換できる棚を作ったりしています。
 
 作品展示は2018年1月から始めて、すでに6回の実績があります。今後は店内で読書会も始める予定も。川口さん自身、年間200冊の本を読破する読書家でもあります。

絵や写真などを無料展示できるスペース(画像:カワラナ)
持ち込んだ本を物々交換できる棚。川口さんは店外で「アサクサ読書会」を主催している(画像:カワラナ)

 ちなみに屋号の「カワラナ」は、「カワラ(瓦)」と「ワラナ(割らな)」をくっ付けた造語です。4文字でシンプルに語感を強調したといいます。「割らな」と関西弁になっているのは、大阪出身の父親からの影響だそうです。

「あとは、『変わらな』って意味も込めているんです。ストレスを溜めた状態から、明るく変わらな、って感じでしょうか。ま、これ、思いきり後付けなんですけどね(笑)」

 瓦割りから始まった川口さんの野望。今後、どれだけの人を明るく変えていけるのか、ますます目が離せません。

●カワラナ
・住所:東京都台東区浅草2-27-17
・交通アクセス:銀座線「浅草駅」から徒歩10分、つくばエクスプレス「浅草駅」から徒歩5分
・営業時間:10:00~17:00
・営業日:土日祝日

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