日本初「イヴ・サンローラン」回顧展をより深く楽しむ!都内でフランス気分が味わえるスポット6選

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日本初「イヴ・サンローラン」回顧展をより深く楽しむ!都内でフランス気分が味わえるスポット6選

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シカマアキ

旅行ジャーナリスト、フォトグラファー

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海外旅行先として根強い人気を誇る都市、フランス・パリ。東京都内には、フランスの雰囲気が感じられる場所がいくつもあります。現在開催中の話題の「イヴ・サンローラン展」に行くならチェックしておきたい都内スポットを6カ所、フランスに詳しい旅行ジャーナリスト・フォトグラファーのシカマアキさんが比較して解説します。

 海外旅行先として根強い人気を誇る都市、フランス・パリ。プレタポルテ(高級既製服)の新作発表会パリ・コレクションが行われるファッションの街でもあります。

 そのパリで、1960年代以降サファリルックやパンツスーツ、ピーコート、トレンチコートといったアイテムを次々に定着させた「モードの帝王」がイヴ・サンローランです。映画にもなった彼の作品についての大回顧展が現在「国立新美術館」で開催中です。

 東京都内には、フランスの雰囲気が感じられるスポットがいくつもあります。今回は話題の企画展「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」を見る前に、知っておくとより楽しめる場所を6つご紹介します。

●都心でフランス気分が味わえる「神楽坂」はSNS映えでも注目

 東京都心で「プチ・フランス」「リトルフランス」など呼ばれていることで有名なのが、神楽坂です。もともと在日フランス人向けの学校があり、そのため周辺に住むフランス人が多くいたことに由来し、現在もフランス料理店やカフェ、ショップなどが多くあります。

「プチ・フランス」「リトルフランス」などと呼ばれる神楽坂エリア。フランスらしい店舗がこのエリアに集中する。神楽坂通りにはビストロフレンチが味わえる人気店が多い(画像:photoAC)



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 神楽坂で中心的存在なのが、1952年に開校した「東京日仏学院」(旧アンスティチュ・フランセ東京)です。今は移転してしまった東京国際フランス学園も、かつて神楽坂にありました。

 アンスティチュ・フランセ東京のアルファベットが刻まれたピンクの壁は「SNS映えする」と若者を中心に人気。構内にあるメディアテークでは、映画や音楽、アートやグルメといったフランス文化に関する所蔵資料の閲覧や貸出、ワークショップなどが数多く開催されています。2021年には「フランスの村」というコンセプトで作られた新校舎が増築されました。

 神楽坂エリアにはその他、フレンチビストロ、カフェ、フランス菓子、フランスパン、チーズ、塩バターなどのお店が点在しています。裏路地に入ると多い石畳は、パリの人気スポット「モンマルトル」の雰囲気とも似ています。街歩きが楽しい都内随一のスポットです。

モンマルトルの街並み(画像:photoAC)

●フランスにある聖地を再現した泉、本場の建築様式が伝わる歴史的建物も

 神楽坂以外にもフランスが感じられる場所が、都内にあります。

 例えば、目白の「東京カテドラル聖マリア大聖堂」にあるルルドの泉。フランス南西部の町ルルドは世界中から巡礼者が集まる場所で、ここに病気をいやす奇跡の泉があることで有名です。20世紀初め、東京カテドラル聖マリア大聖堂の敷地内に、フランス人宣教師の手で再現されたルルドの泉が作られ、今日に至ります。

東京カテドラル聖マリア大聖堂は1964年建設で、国際的に有名な日本の建築家・丹下健三氏が手がけた。パリ・イタリア広場には丹下健三設計の「グラン・テクラン」もある(画像:photoAC)

 また「まるでヴェルサイユ宮殿のよう」とずっと評されているのが、「迎賓館赤坂離宮」です。日本唯一のネオバロック様式による宮殿建築物であり、威厳ある外観はもちろんのこと、豪華な館内の至るところにフランスらしさが取り入れられています。

元赤坂の「迎賓館赤坂離宮」は東京23区で唯一の国宝建築でもある(画像:photoAC)
ヴェルサイユ宮殿(イメージ画像:photoAC)

 上野にある「国立西洋美術館」は、20世紀を代表するフランス人建築家ル・コルビュジエの設計。ユネスコ世界文化遺産にも登録された地上3階・地下1階の鉄筋コンクリート造の建物で、「ドミノ・システム」「近代建築の5原則」などル・コルビュジエ建築の特徴が直に見られます。

1959年竣工の国立西洋美術館。コンクリートの柱や床で支えるため壁面を大きくなくすことができるル・コルビュジエ建築の特徴がみられる(画像:photoAC)
リヨン郊外にあるル・コルビュジエの作品「ラ・トゥーレット修道院」。1960年の竣工だが設計時期はこちらの方が早い。石積み・レンガ造りから脱却した近代建築(画像:photoAC)

●都内にあるフランス式庭園をお散歩、バラの季節はさらにパリジェンヌ気分

 ちょっとお散歩するのにおすすめのフランス式庭園も、都内にいくつかあります。左右対称など整形型庭園は、主にヴェルサイユ宮殿などで見られるスタイルです。

 駒込の「旧古河庭園」は、日本初の本格的ヨーロッパ建築をもたらしたイギリスの建築家ジョサイア・コンドルによる洋風庭園。春と秋、約100種200株ものバラが咲き誇ることで知られ、まるでフランスのお城にいるかのような美しさが体験できます。

旧古河庭園とバラが咲き誇るフランス式庭園(画像:photoAC)
16世紀に建設されたロワール地方の世界遺産「シュノンソー城」の幾何学的な庭園(イメージ画像:photoAC)

 そのほか都内では「新宿御苑」も代表格。バラの花壇を中心とし、プラタナスの並木を左右に配置する庭園や並木道など、見どころが多くあります。現在の新宿御苑を設計したのは、フランス人造園家のアンリ・マルチネです。

●約半世紀にわたって活躍「イヴ・サンローラン」の軌跡をたどる展覧会

 日本でもよく知られているフランス・パリ発のブランド、イヴ・サンローラン。世界のファッションシーンをリードし続けたイヴ・サンローランの人生を回顧する日本で初めての「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が、12月11日まで東京・六本木の国立新美術館で開催されています。

日本初「イヴ・サンローラン」大回顧展が開催中(画像:TBSテレビのリリースより)

 イヴ・サンローラン(1936~2008)は、1958年、クリスチャン・ディオールが急死したことを受け、「DIOR」のデザイナーとしてデビュー。1962年、自身のブランド「イヴ・サンローラン」を発表し、2002年に引退する前の40年あまり、「モードの帝王」と呼ばれるなど、女性のファッションに変革を起こしました。1983年、現役のデザイナーで初めて、アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館で展覧会を行ったことでも知られます。

イヴ・サンローランが手がけた代表作の1つ。本展で見ることができる(画像:株式会社TBSテレビリリース)

 今回の「イヴ・サンローラン展」は、パリにあるイヴ・サンローラン美術館の全面協力による、日本初の回顧展。序章と11章から構成され、DIORでのデビュー、イヴ・サンローランとして初のコレクション、独自スタイルの確立までを、テキスタイル作品110点をはじめ、グラフィック作品124作、写真作品30点、ジュエリー55点によって紹介されています。

 豪華絢爛ともいえる、イヴ・サンローランが生み出した美の世界。没後に日本で初めて開かれる展覧会で、時代を超えたイヴ・サンローランの世界観を堪能してみてはいかがでしょうか。

イヴ サンローラン美術館パリ(Musée Yves Saint Laurent Paris)は2017年オープンとまだ新しいパリの人気スポット(画像:株式会社TBSテレビリリース)

 現在神楽坂の東京日仏学院では、連続講義「パリ・モード史講座(アートのアトリエ)」を実施中です。歴史を深掘りしながらファッションの未来を探る内容とのこと。

 授業は10月30日(月)、11月13日(月)、11月27日(月)、12月11日(月)の19時~20時30分に、教室での対面もしくはオンラインで行われます。興味のあるテーマだけの受講も可能なので、展覧会の予習や復習として参加してみてはいかがでしょうか。

■東京カテドラル聖マリア大聖堂
住所:東京都文京区関口3-16-15
TEL:03-3941-3029(9:00~17:00※12:00~13:00をのぞく)
※見学不可時間:日曜8:00~14:00/水・木・金10:30~11:00/木曜13:00~16:15頃
アクセス:東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」より徒歩15分
JR新宿駅・目白駅より都バス61系統にて「ホテル椿山荘東京前」停留所下車、徒歩1分

■迎賓館赤坂離宮
住所:東京都港区元赤坂2-1-1
TEL:03-5728-7788
公開時間:10:00~17:00(最終受付16:30)
休館日:水曜
庭園入園料:300円/大学生以下無料
本館・庭園(主庭及び前庭)参観料金: 一般1,500円/大学生1,000円/中高生500円/小学生以下無料
アクセス:JR「四ツ谷駅」より徒歩約7分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷駅」より徒歩約7分
※その他公開日程など最新情報は公式サイトをご確認ください

■国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30~17:30(金・土9:30~20:00)※入室は閉室30分前まで
休館日:月曜
入館料:常設展500円/大学生250円(原則毎月第2日曜、国際博物館の日(5月18日)、文化の日(11月3日)は入館無料)
※企画展料金は異なる
アクセス:JR「上野駅」より徒歩1分
京成電鉄「京成上野駅」より 徒歩7分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」より徒歩8分
※最新情報は公式サイトをご確認ください

■旧古河庭園
住所:東京都北区西ケ原1-27-39
TEL:03-3910-0394
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
休園日:12月29日~翌年1月1日まで(洋館は月曜休館)
入園料:一般150円/65歳以上70円(小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)※洋館入館料別途400円
アクセス:JR京浜東北線「上中里駅」より徒歩7分
東京メトロ南北線「西ケ原駅」より徒歩7分
JR山手線「駒込駅」より徒歩12分
都電荒川線「飛鳥山」より徒歩18分
※最新情報は公式サイトをご確認ください

■イヴ・サンローラン展
開催日時:開催中~2023年12月11日(月)
休館日:火曜日
開催場所:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
入場料:一般2,300円/大学生1,500円/高校生900円/中学生以下無料
交通アクセス:東京メトロ千代田線「乃木坂駅」青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
東京メトロ日比谷線「六本木駅」4a出口より徒歩約5分
都営地下鉄大江戸線「六本木駅」7出口より徒歩約4分

参考:東京日仏学院イベントページ
https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/histoire-de-la-mode-a-paris/

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