目黒区で「会おうね!」――東京23区初のイオンモールの商業施設「自由が丘 デュ アオーネ」、その特徴は?
2023年秋、自由が丘に東京23区初のイオンモール商業施設「自由が丘 デュ アオーネ」が開業予定です。今回は、都市型店舗1号店が自由が丘に出店することになった経緯とあわせて店舗の特徴について都市商業研究所の若杉優貴さんが解説します。23区初のイオンモールに「自由が丘で会おうね!」 高級住宅街として知られる目黒区自由が丘に、東京23区内で初となる「イオンモール」運営のショッピングセンター「自由が丘 デュ アオーネ」(JIYUGAOKA de aone)が今年(2023年)秋に開業します。 イオンモールのショッピングセンターの東京23区1号店が「自由が丘」であることには驚いた人もいるのではないでしょうか。果たしてどういった施設に「会える」のでしょうか。 イオンモールのショッピングセンター「自由が丘 デュ アオーネ」イメージ。(イメージ画像:イオンモールのニュースリリースより)【画像】歴史とエリア特性を反映させた「都市型イオンモール」>> 増える都市型イオンモール、自由が丘の次は横浜駅前にも イオンモール運営のショッピングセンター「自由が丘 デュ アオーネ」が出店するのは、東急東横線・大井町線自由が丘駅から歩いて2分ほどの、学園通りとメープル通りの交差点。かつてこの場所には「ピーコックストア自由が丘店」(大丸ピーコック)がありました。 老朽化のため2021年に閉店した「ピーコックストア自由が丘店」。 跡地はイオンモールが再開発することに。(画像:藤井瑞起) ピーコックストア自由が丘店は、黒柳徹子さんの出身校としても知られる「自由ヶ丘学園小学校・トモエ学園小学校」跡地に、百貨店「大丸」傘下のスーパー「大丸ピーコック自由が丘店」として1968年11月に開店。2013年4月にイオングループ入りによって屋号を改称しました。 建物は地上4階・地下1階建で店舗面積は3,888平方メートル、隣接地に別館(飲食棟)と立体駐車場を併設しており、自由が丘では数少ない大型駐車場を備えたショッピングセンターとして永年親しまれましたが、老朽化による耐震性不足のため2021年5月に閉店。建物は解体され、ピーコックストアの親会社であるイオングループのディベロッパー「イオンモール」によって再開発が行われています。 建設が進むイオンモール運営のショッピングセンター「自由が丘 デュ アオーネ」。(画像:若杉優貴) かつて「イオンモール」といえば「安い土地を広く活用できる郊外立地ならではのもの」と言われていました。 しかし、2006年の都市計画法改正によって郊外店の出店規制が以前よりも強化されたこと、さらに人口の都心回帰の動きもあり、近年は全国各地に駅チカの「都市型イオンモール」が登場。今年秋には自由が丘のほかにも横浜駅前のダイエー跡にイオンモールが出店する予定となっています。 各地に増えつつある「都市型イオンモール」。2021年に名古屋駅から約1キロの場所に開業した「イオンモール名古屋ノリタケガーデン」(写真)の高層階はオフィス併設。 2023年内には横浜駅前にも出店予定。(画像:若杉優貴)一般的な「イオンモール」よりは小さいけれど…館内には「公園」も それでは、23区初となるイオンモール運営のショッピングセンターはどういった内容となるのでしょうか。 イオンモールによると、「自由が丘 デュ アオーネ」の建物は鉄骨造り地下2階・地上4階建てで、延床面積は約9,500平方メートル、総賃貸面積は約4,900平方メートル、総テナント数は27店舗を予定。核店舗となるスーパーマーケット(ピーコックストアが再出店するかどうかは未発表)のほか、ライフスタイル雑貨、インテリア、トレンドファッション、エリア初となる食物販専門店などが出店するとしています。 「自由が丘 デュ アオーネ」ロゴタイプ。(イメージ画像:イオンモールのニュースリリースより) 一方で「自由が丘 デュ アオーネ」は以前のピーコックよりも広くなるものの、「3万平方メートルを超える巨漢店舗に100以上のテナントが出店する」という形態が一般的なイオンモールのなかでは「最小クラス」の規模となります。 規模の小ささを聞いて残念に思うかも知れませんが、イオンモールは「自由が丘 デュ アオーネ」について「小径のGreen Hill(緑の丘)」をコンセプトに「自然と自然に落ち着ける場所」を目指すとしており、イオンモールらしく「買い物だけではない」さまざまな楽しみを提供してくれる建物となりそうです。 その象徴といえるのが、緑豊かな野外テラスの存在です。テラスの広さは約1,000平方メートルもあり、都内ショッピングセンターの屋上庭園としては有数の規模。店外から大階段で直接アクセスすることもでき、一息つけるベンチなどが設置されるほか、「インスピレーションの庭」をテーマとして、ヨガや食物販マルシェ、ワークショップなどさまざまな体験交流イベントも開催するとしています。 「自由が丘 デュ アオーネ」館内イメージ。緑豊かなテラスや屋外部分が設けられており、ベンチなど休息スポットも見られます。 街路から階段で直接入ることができ、「街歩きの延長」「公園を備えた施設」としても楽しめそう。 (イメージ画像:イオンモールのニュースリリースより) なお、イオンモールは「自由が丘 デュ アオーネ」開業に合わせてピーコックストア自由が丘店にあった「自由ヶ丘学園小学校・トモエ学園小学校記念碑」を再設置するとしています。自由ヶ丘学園(現在は共学高校のみ設置)は「自由が丘」という地名の由来でもあり、記念碑の設置によって地域の歴史の継承も行われることになります。 ピーコックストア前にあった自由ヶ丘学園・トモエ学園跡の記念碑。再設置される予定。(画像:藤井瑞起)100周年を迎える自由が丘、生まれ変わる駅前の憩いの場としても期待 「自由が丘」の地名が誕生して約100年。駅チカには今も個性的な商店が軒を連ねる一方で、自由が丘駅前広場の北側(自由が丘デパート西側)では2025年度の完成を目指して大型再開発が進行中。100周年を前に街の姿が大きく変わろうとしています。 「自由が丘 デュ アオーネ」はイオンモールの商業施設としては小さい規模ですが、買い物の場としてのみならず、イオンモールらしく様々な機能を備えた、エキチカの新たな「地域の憩いの場」としても期待がかかります。 自由が丘駅前では2025年度の完成を目指して大型再開発が進行しています。(画像:若杉優貴)■自由が丘 デュ アオーネ(イオンモール) 開業予定時期:2023年秋 住所:東京都目黒区自由が丘2-15-4 営業時間:未定
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