旅の達人が教える「西アジア」の魅力!旅の予習はかわいい動物モチーフ満載の博物館へ【豊島区・池袋】

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旅の達人が教える「西アジア」の魅力!旅の予習はかわいい動物モチーフ満載の博物館へ【豊島区・池袋】

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シカマアキ

旅行ジャーナリスト、フォトグラファー

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西アジアは、交易によってヨーロッパとアジアの文化が交錯するトルコや、古代オリエント文明由来の文化を色濃く残すイラン周辺の地域を指し、さまざまな文化が混ざり合った豊かな魅力に充ちた旅行先。今回は旅行ジャーナリストのシカマアキさんが、行先を選ぶ際の注意点から予習に最適の展覧会までご紹介します。

 私たちが住む日本があるアジアは「東アジア」です。その対極の「西アジア」は同じアジアというくくりでも、文化や歴史などがまったく異なります。

 日本から直行便が多くあるその先のヨーロッパと比べると「遠い」というイメージを抱くでしょう。しかし、旅をすれば西アジアの魅力は多々あります。東京・池袋の「古代オリエント博物館」は日本最初のこの地域専門の博物館で、特別展も随時開催しています。今回は西アジアの魅力とともに、古代オリエント博物館で現在開催中の特別展もご紹介します。

トルコからイランまで多民族国家の多い西アジアでは混交するエキゾチックな文化が魅力(イメージ画像:photoAC)



●西アジアで行きやすいのは直行便がある「トルコ」「イスラエル」

 「日本からアジアを旅する」というと、近場の韓国や台湾、香港、さらに東南アジアのタイやシンガポールなどが、日本人旅行者の主な行き先です。「西アジア」は、中東とアフリカ北東部の総称であるとともに、メソポタミアやインダスといった古代オリエント文明の発祥の地で知られます。

 西アジアの主な国は、イラン、イラク、サウジアラビア、ヨルダン、シリア、イスラエル、トルコなど。日本から最も行きやすいのは、東京(羽田・成田)から直行便がある「トルコ」です。

トルコの首都イスタンブールとボスポラス海峡(画像:シカマアキ)

 首都イスタンブールは「文明の十字路」と呼ばれ、街の中でボスポラス海峡をはさんで「アジア側」「ヨーロッパ側」に分かれています。西アジアを体感するなら、アジア側の旧市街がおすすめ。

エルサレムにある神殿の丘と岩のドーム(画像:photoAC)

 また、東京(成田)から直行便があるイスラエル、その首都エルサレムも西アジアの重要都市。ユダヤ教が誕生した地であり、のちにキリスト教とイスラム教に派生しました。

 聖地エルサレムは世界遺産。イスラエルとパレスチナとの衝突がたびたびニュースで取り沙汰されるため治安が懸念されます。しかし、街じゅうに警察が多く巡回し、国を挙げて治安維持に力を入れているため、紛争地帯以外はおおよそ安全です。

東京(成田)-テルアビブの直行便を運航するエル・アル航空(画像:シカマアキ)

●一度は行きたい世界遺産、ヨルダンの古代都市ペトラ

 治安が懸念される西アジアにおいて、まだ安全に旅ができるのがヨルダン。世界遺産の「ペトラ遺跡」は、断崖と岩山に囲まれた天然の要塞です。

ヨルダンの古代都市ペトラ(画像:photoAC)

 遺跡に向かう細い道を抜けた先に、映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のラストに登場した宝物殿「エル・ハズネ」があります。さらに先に、1,000あるとも言われるペトラの遺跡群が出現する光景は圧巻です。

 また、西アジアで古代オリエント文明の発祥地として世界遺産の多い国が、イランとシリア。ただどちらも、いざ現地を訪れるとなると治安面で懸念があります。

●奥が深い西アジアの郷土料理、都内でまず食べてみるのも手

 西アジアは、郷土料理も豊富。世界三大料理に入る「トルコ料理」は、遊牧民由来のケバブをはじめとした肉料理や乳製品を使った料理、イランやギリシャなどの周辺国と歴史的に関連して地中海で採れるシーフードや木の実を使ったメニューがあるなど多彩です。

美食で知られるトルコ料理。都内にも店舗が多い(画像:シカマアキ)

 海外でアラブ料理といえば「レバノン料理」を出す店も多々あります。アラブ人のイスラム教徒とキリスト教徒の食文化が融合し、日本人の口にも合う豆を使った料理が豊富です。その他、ハーブやフルーツを多用する「イラン料理」、そのイラン料理や国境を接するパキスタンやインドの流れをくみ香辛料やヨーグルトを多用する「アフガニスタン料理」などが含まれます。

レバノン料理は豆をペースト(フムス)にしたりコロッケ(ファラフェル)にしたりするなどの特徴が見られる(画像:photoAC)

 西アジアの料理は、東京都内でも現地の味が楽しめるお店があります。旅の予習として、探して訪れてみてはいかがでしょうか。

●池袋にある日本最初の古代オリエント地域専門の博物館

 東京・池袋に、「文明発祥の地」と言われる西アジア・エジプト地域の古代文明を紹介する「古代オリエント博物館」があります。1978年、日本最初の古代オリエント地域専門の博物館としてオープン。この地域の旧石器時代からサーサーン朝時代までの資料約5,000点およびシリア出土品を多数収蔵しています。

夏の特別展「西アジアのいきもの」ポスター(画像:古代オリエント博物館 リリースより)

 古代オリエント博物館では、2023年度の夏の特別展「西アジアのいきもの」が9月10日(日)まで開催中。

6千年前の先史時代から8世紀まで対象の「山地ゾーン」に展示されている「山羊文鉢」(画像:古代オリエント博物館 リリースより)

 この特別展は、東京国立博物館、MIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム)など8つの機関に加え、個人所蔵のコレクション、古代オリエント博物館の所蔵品で構成。西アジア由来の動物と植物を表現した作品280点が、実際の動物園のように生き物の生息地や種類ごと、8つの章にわけて展示されています。

西アジアを象徴する「乾燥地ゾーン」での展示物(画像:古代オリエント博物館 リリースより)
「鳥類ゾーン」では西アジアで特別な存在だった鳥にクローズアップした展示(画像:古代オリエント博物館 リリースより)

 山羊が描かれた彩文土器、馬の形をしたファイアンス製(陶器)の飾り、羊の頭を表現した移動式のかまどなど、先史時代から中世にかけての所蔵品を展示。ミュージアムショップでは今回の特別展オリジナルグッズの販売などもあります。

特別展関連グッズの一例。「オリジナル型抜きフレークシール」(6柄各5枚計30枚セット550円)など(画像:古代オリエント博物館 リリースより)

■古代オリエント博物館 2023年度 夏の特別展「西アジアのいきもの」
会期:2023年7月15日(土)~9月10日(日)
住所:東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ文化会館ビル7F
TEL:03-3989-3491
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)※変更の可能性あり
入館料:一般1,000円/大・高生800円/中・小生500円
アクセス:東京メトロ有楽町線「東池袋駅」より徒歩6分
JR「池袋駅」より徒歩13分

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