宅建は不動産業界で需要の高い国家資格のひとつです。
他の資格と比べて「簡単」と思っている人が多いようですが、本当に簡単なのでしょうか。
実は、平均合格率は15~17%と決して高くありません。
今回は、宅建が簡単と言われる理由や、おすすめの勉強方法を説明します。受験を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
※本記事はアーバンライフメトロが独自に記事を制作し、スクール紹介にはアフィリエイトプログラムの協力をいただいています。
宅建(宅地建物取引士)とはどんな仕事?
宅建とは不動産の売買や賃貸物件を斡旋(あっせん)する際、滞りなく契約できるように段取りを組む仕事です。土地や建物を売りたい人の契約のサポートや、土地を売買したい人の希望に合った不動産の紹介などをします。
不動産の契約取引の際に行う重要事項の説明や、交付する書類への記名・押印は、宅建の資格所有者しかできない独占業務です。
お客様は専門知識を持っていない場合が多く、その状態で高い金額のやり取りをします。宅建士が間に入ることで、知識を用いた公正な取引が可能となるのです。
不動産の売買や賃貸借の仲介など不動産取引を行う業者も、法律によって従業員5名につき1名の宅建士を在籍させる必要があるため、宅建取得者は不動産業界で高い需要があります。
宅建は簡単に合格できるって本当?
決して簡単な試験ではありません。過去5回分の合格率は15~17%と約8割の人が不合格となっています。それでも簡単に合格できると言われる理由と、合格するために必要な勉強時間を説明します。
合格率は15~17% 8割以上の人が落ちる試験
宅建の過去5回分の合格率は以下のとおりです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
令和3年度(12月) | 24,965人 | 3,892人 | 15.6% | 34点 |
令和3年度(10月) | 209,749人 | 37,579人 | 17.9% | 34点 |
令和2年度(12月) | 35,261人 | 4,610人 | 13.1% | 36点 |
令和2年度(10月) | 168,989人 | 29,728人 | 17.6% | 38点 |
令和元年度 | 220,797人 | 37,481人 | 17.0% | 35点 |
(引用元:ユーキャン公式サイト)
他の国家資格と比べると、合格率が比較的高いことから「合格しやすい」という印象を持たれています。しかし、実際は15.6%〜17.9%となっており、毎回約8割以上の受験生が不合格です。
あくまでも他の資格と比較した場合の話であり、決して簡単に取得できる資格ではありません。
合格率が低い理由は?
合格率が低い理由として、「誰でも受けられる」「不動産業界の新入社員がとりあえず受験する」「出題範囲が広い」といったことが挙げられます。ひとつずつ詳しく解説します。
誰でも受けられる
宅建の受験資格は、年齢や性別、学歴などに制限がなく、誰でも受験できます。
法律系など他の資格試験は大卒以上など必要条件が設けられていますが、宅建は受験料さえ支払えばチャレンジできるので、受験までのハードルが低いと言えます。
そのため、専門学校を出ていない人や知識がまだ不十分な人の受験が多くなり、合格率が下がる傾向にあります。
宅建を取得しておけば、不動産業界だけでなく、銀行や小売などさまざまな業種で役に立つので、まだ知識のない学生が挑戦することも原因のひとつです。
不動産業界の新入社員がとりあえず受験する
不動産業界に入った新人社員が、会社の規則や上司からの指示で受験する場合も少なくありません。入社したてだと合格に達するレベルの知識がない人が圧倒的多数です。
初学者の場合、平均330〜400時間ほどの勉強時間が必要。この時間は1日2時間の勉強を約半年間続ける計算です。勉強する時間を確保できないケースもあり、不合格になる人が一定数います。
出題範囲が広い
宅建はマークシートでの回答であるため、簡単だと思われがちです。しかし、出題範囲は広く、専門用語も多いため、十分な準備をしていなければ受かるのは困難です。
専門用語の中には意味の異なる似た用語が多く、コツコツと暗記する必要があります。出題範囲が広いので、問題を絞ることはかなり難しいと言えます。
不動産業に勤めている人でさえ、かなり勉強する必要があるので、初学者であればなおさら時間を確保しなければ合格できません。
合格するためにはどれくらい勉強時間すればいい?
初学者が独学で宅建に合格するためには、平均300〜400時間もの勉強時間が必要と言われています。
合格者の多くは、試験の約半年前から勉強を始めています。約半年で300〜400時間勉強するには、1日約2時間の計算です。合格者が勉強を始めた時期で最も多かったのは、4月です。
やみくもに勉強すればいいというわけではなく、科目ごとに時間配分を考える必要があります。たとえば権利関係は、理解や記憶するのにかなり時間がかかるので、早めに対策を練ることが大切です。
独学で受験に臨むのであれば、自分でテキストを選んだり、スケジューリングをしたりと、複数のタスクをこなす必要があります。
自信のない方は、4月より早い時期から勉強に取りかかるのがおすすめです。
宅建が簡単と言われがちな理由
ここまで宅建に合格することの難しさを説明しましたが、ネットで「宅建の合格は簡単」だという意見を見かけることもあるでしょう。これは以下の理由から述べられたと推察されます。
他の国家資格と比べると難易度が低い
宅建は、他の国家資格と比べると合格が比較的容易です。宅建とその他の国家資格の合格率と勉強時間の比較を表でまとめました。
・合格率
合格率から他の国家資格と比較します。
資格名 | 合格率(例年) |
司法書士 | 3~4% |
社労士 | 6~7% |
マンション管理士 | 8~9% |
行政書士 | 11~15% |
宅建士 | 15~17% |
管理業務主任者 | 20~30% |
(引用:アガルートアカデミー公式サイト)
宅建は、管理業務主任者の次に合格率が高いという結果が出ました。
よく比較される他の国家資格は、合格率が10%以下の資格が多くある中、宅建の平均合格率は、15〜17%と比較的高いことがわかります。不動産関係の資格の中でも、管理業務責任者の次に高いため比較的簡単です。
・勉強時間
勉強時間を他の国家資格と比較します。
資格名 | 合格率(例年) |
管理業務責任者 | 300時間 |
宅建士 | 300~400時間 |
マンション管理士 | 500時間 |
行政書士 | 600~1,000時間 |
社労士 | 1,000時間 |
司法書士 | 3,000時間 |
(引用:アガルートアカデミー公式サイト)
行政書士や社労士は1,000時間、司法書士は3,000時間と年単位の勉強時間が必要。対して宅建士は、300~400時間と比較的短い時間で受かる資格です。
合格率と勉強時間を他の国家資格と比較すると、宅建は他の国家資格よりも少ない勉強時間で合格率も高いことがわかります。このような結果から宅建は他の国家資格よりも受かりやすいと言われています。
受験資格の制限がない
法律系などの他の資格試験は大卒以上といった受験条件がありますが、宅建は制限がなく、誰でも受験することが可能です。
知識の浅い不動産業界の新入社員や専門の学校を出ていない人も受験するため、ハードルが低いと考えられ、簡単に受かるイメージにつながっています。
不動産業界の人は受かりやすい
長年不動産業界に勤めていた人であれば、不動産関連の専門用語を使うことに慣れています。
社内の宅建取得者に受験についての話を聞くこともでき、一般の受験者よりも合格しやすい環境にいる傾向があります。
マークシートの4択問題
出題形式がマークシートの4択問題であることも、合格が簡単だと言われる理由のひとつです。
たとえば測量系の資格試験は製図作業、行政書士の資格試験は記述式問題が出題されます。一方、宅建は全問マークシート方式のみ。そのため「まぐれで合格する可能性がある」と考える人が一定数います。
しかし、もちろんそういった偶然が起きることはほぼありません。受かったとしても、知識のない状態での業務は苦労するはず。しっかりと勉強をして受験に臨みましょう。
ブログなどで合格者の声が目につく
インターネット上では、「一発合格した」「2週間の勉強で受かった」といったコメントを多く見かけます。
合格者は口を開きますが、不合格者は黙っています。「不合格だった」と、周囲に知られたくないからです。そのため、不合格者の声は広く伝わっていません。
簡単に合格できた人はごく一部。すべての声を鵜呑みにせず学習に取り組みましょう。環境は人それぞれ違うので、他人と比べる必要はありません。
宅建を取るための4種類の勉強法とメリット・デメリット
宅建に合格するには、独学、宅建アプリ、通信講座、スクールの主に4種類の勉強方法があります。それぞれのメリットとデメリットを説明します。生活環境や性格から自分に合う勉強方法を選んでみてください。
独学のメリットとデメリット
独学のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
【メリット】
- 必要な教材だけ購入すれば良いので、最低限の出費で済む
- 自分のペースで勉強を進められる
- 好きな場所や時間で学習できる
【デメリット】
- わからない部分の質問ができない
- 法改正などイレギュラーの対応が難しい
- モチベーションやスケジュールをすべて自己管理しなければならない
- 自分の知識量によっては、かなりの時間を要する可能性がある
独学は、不動産業界で働いている方、法律系の国家資格の受験経験者、あまり出費をしたくない方におすすめです。
メリットは自分のペースで勉強を進められる点です。仕事で専門知識に触れている人は、比較的スムーズに勉強を進められます。
必要な分だけ教材を購入すれば良く、最低限の出費で済むので、あまりお金を出せない人に向いています。
注意点は、スケジュールの管理やモチベーションを保つのが難しいことです。
わからないことがあった時にすぐに質問ができず、自分で解決する必要があります。自分でスケジューリングや問題解決ができなければ、独学での合格はできません。
宅建アプリのメリットとデメリット
最近では、アプリを使って勉強をする人が増えています。宅建アプリのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
【メリット】
- 好きな時間、場所で勉強できる
- 苦手な問題を簡単に管理できる
- 本やノートを持ち運ぶ必要がない
【デメリット】
- 過去問のインプットだけになってしまう
- 本当に暗記できているかわかりにくい
- 目が疲れやすい
アプリは過去問にも挑戦できるので便利です。
間違いや復習したい問題にチェックを入れれば、後日再挑戦できる機能もついています。
ただしアプリを使用した学習ではインプットしかできないため、過去問の丸暗記になってしまう可能性があります。アプリだけに頼らず、アウトプットも必ず行いましょう。
通信講座のメリットとデメリット
通信講座は、出費は抑えたいけど、独学では不安な方におすすめです。メリットとデメリットは以下のとおりです。
【メリット】
- わからないことがあれば質問できる講座が多い
- 自分のペースで学習ができる
- スクールよりも費用がかからない
【デメリット】
- モチベーションを自分で保つ必要がある
- 独学より費用がかかる
通信講座は、スクールよりも費用が安く、自分のペースで進められるので、費用と効率性ともにバランスの取れる学習方法です。
わからないことがあれば専門知識をもった講師に質問できたり、サポートをしてもらえたりします。講座によっては、アプリもあるので、場所や時間を選ばずに好きなタイミングで勉強できます。
スクール・予備校のメリットとデメリット
スクールは、講師から直接学びたい方におすすめです。メリットとデメリットは以下のとおりです。
【メリット】
- わからないことがあればすぐに質問できる
- 仲間ができるため、モチベーションを保ちやすい
- スケジュールの管理や教材を用意する必要がない
【デメリット】
- 決まった時間、場所に行く必要がある
- 一定の費用がかかる
- 自発的に学習しなくなる恐れがある
スケジュールがしっかりと組み込まれ、教材を用意してもらえるため、初学者や一人で継続して勉強するのが苦手な人に向いています。
わからないことがあれば、その場ですぐに質問できるので、疑問を解消しながら効率良くしっかりと学習できます。
弱みは、紹介した学習方法の中で、最も費用がかかってしまう点です。
宅建合格のためのおすすめ通信講座
合格するための四つの勉強方法を説明しました。中でも最もバランスが取れているのが、通信講座です。
ここではおすすめの通信講座を紹介します。通信講座ごとにそれぞれ特徴があるので、自分に合った講座を選んでください。
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サポート内容 | AI問題復習・検索機能 学習フロー・レポート マイノート・メモ機能 |
講座ダウンロード | アプリでDL可能 |
受講形態 | オンライン |
受講期間 | 基本講座:31時間 |
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合格率・合格実績 | 非公開 |
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まとめ
宅建が簡単と言われるのは、他の国家資格よりも合格率が高いことや、受験するハードルが低いイメージがあるからです。実際は簡単に受かる試験ではありません。
しかし自分に合った勉強方法で対策すれば、初学者でも合格する可能性は十分あります。
今回紹介した、通信講座を自分に必要だと感じたら無料お試しから始めることをおすすめします。