FP試験の申込み方法と日程

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FP試験の申込み方法と日程

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FP協会ときんざいが主催している、FP試験。本記事では、試験日や受験申し込み方法、受験料を解説しています。また、試験の難易度や勉強時間の目安、試験合格後に挑戦をおすすめする資格も紹介しているため、FPの受験を検討している人はぜひ本記事を参考にしてください。

 FP(ファイナンシャル・プランナー)とは、税制や不動産、住宅ローンや保険商品、年金制度といった家計に関わる幅広い知識を活かして、相談者の資産設計についてのアドバイスを行う専門家です。FPを名乗るためには、NPO法人の日本FP協会、もしくは一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)が認定を行う国家資格「FP技能士」を取得する必要があります。

 FP試験は二つの団体が主催していますが、試験日や申し込み方法においてそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。本記事では、FP協会ときんざいが開催する試験について、試験開催日や申し込み方法を解説するとともに、受検料や合格後におすすめの資格を紹介しています。FP技能士の資格取得を検討している人、FP協会ときんざいのいずれかで受験するか悩んでいる人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

2022~2023年のFP試験日一覧

 FP技能士の試験は、基本的な問題が問われる筆記試験と、具体的な事例が出題される応用的な実技試験で構成されます。また、試験の難易度別に1級・2級・3級と3段階にわかれていて、1級が最も難易度が高い試験となっています。

 FP技能士の2級および3級については、学科試験と実技試験がそれぞれ同じ日に開催されるため、1日ですべての試験が終了します。しかし、1級は学科試験と実技試験が別の日に開催されます。ここでは、FP技能士の各級について、2022年から2023年までの学科試験と実技試験の開催日をまとめています。

FP2級とFP3級の学科&実技と1級の学科試験

 FP技能士の2級と3級では、どちらの級も同じ日に学科試験と実技試験の両方が開催されます。また、試験を開催するFP協会ときんざいとで試験日は同じです。2級・3級と同じ日に開催されていますが、1級の学科試験はきんざいだけが開催している点に注意が必要です。

 1級の学科試験、2級・3級の試験は一つの年度に3回開催されていて、主に5月、9月、1月に試験日が設定されています。今年度、つまり2022年度に開催される試験日スケジュールは以下の表の通りです。また、来年度つまり2023年度に開催される試験日については、まだ公表されていません。

2022年度の試験日受験申請期間合格発表日
2023年1月22日(日)11月8日(火)~11月29日(火)3月2日(木)

 FP協会ときんざいが開催する2級・3級の試験はそれぞれ出題範囲が同じですが、例年FP協会の試験のほうが合格率が高い傾向にあります。この背景には、FP協会の試験において、独立・開業を目指して自主的に資格取得を狙う受検者が多いという傾向が潜んでいます。これは、きんざいよりもFP協会のほうが、FPについてのサポートやサービスを手厚く行っているため、FPを生業としようと考える人が受検の際に選びやすいからです。そのため、FP協会の試験ときんざいの試験とで難易度に大きな差があるわけではなく、受検者のレベルの差によって合格率が異なると言えます。

FP協会のFP1級の実技試験

FP協会が開催する1級の実技試験では、資産設計提案業務に関する問題が出題されます。試験は1つの年度で一度しか開催されず、例年秋シーズンに試験日が設定されています。

きんざいのFP1級の実技試験

 きんざいが開催する1級の実技試験では、資産相談業務に関する問題が出題されます。試験は一つの年度で3回開催されますが、2022年度の1回目の試験は既に終了しています。そのため、以下の表では、2022年度に開催される残りの試験日を紹介しています。

2022年度の試験日受験申請期間合格発表日
2023年2月上旬~中旬11月上旬~12月中旬3月10日(金)

 きんざい主催のFP1級試験については、まだ試験日や受検申請期間が定まっていないため、きんざいのHPを定期的にチェックするのがおすすめです。また、2023年度に開催される、あとの2回の試験スケジュールは未定です。

FP試験の申し込み方法

 FP試験の受検申し込みを行う場合、インターネットまたは郵送のどちらかの方法を選ぶことになります。それでは、FP協会ときんざいが開催するそれぞれの試験について、受検申し込み方法を詳しく見ていきます。

FP協会への申込み方法

インターネットで申し込む

 FP協会が開催する試験へインターネットで申し込む場合、以下の手順になります。

  1. 日本FP協会のHPから、「インターネットでの申請」のリンクへアクセスする
  2. 「個人受検者として申請する」の下にあるバナーをクリックする
  3. 入力フォームに、必要事項を入力する
  4. 「クレジット決済」「コンビニ決済」のいずれかから、受検料の支払い方法を選択
  5. 受検料を支払う
  6. 普通郵便で、受験票が送付される

 インターネットでの申し込みでは、FP協会のHP上にある入力フォームを経由して、受検申請期間内に必要事項を届け出ます。なお、クレジット決済の場合は、受験申し込みと同時にクレジットカードの即時決済が行われます。また、コンビニ決済では、あらかじめ選択したコンビニで所定の受験料を2日以内に支払います。

郵送で申し込む

 FP協会が開催する検定試験へ郵送で申し込む場合の手順は、以下の通りです。

  1. 試験事務課へ電話かWebサイトから連絡するか、全国の書店もしくは日本FP協会認定教育機関に足を運んで、受検申請書を入手する
  1. 空欄や不備がないよう、受検申請書に情報を記入する
  2. 受検手数料を振り込んで、支払明細書の原本かコピーを申請書に貼る
  3. 受検申請書の送付専用封筒に申請書を封入し、「簡易書留」にて送付する

 郵送で申し込む場合、まずは試験事務課や書店などで受検申請書を入手する必要があります。書店や協会認定の教育機関では申請書の送付を依頼できないため、郵送で申請書を入手したい場合には、試験事務課へ、電話かWebサイトを通して連絡するようにしてください。

 また、受検申請書に記入後送付する際には、受検申請締切日の消印が有効になっています。確実に届くように、郵便局の窓口で「簡易書留」にて送付するよう注意が必要です。

きんざいへの申込み方法

インターネットで申し込む

 きんざいが開催する試験へインターネットで申し込む場合、以下の手順を踏むことになります。

  1. きんざいHPの「インターネット受検申請受付システム」へアクセスする
  2. 初めて申し込む場合、利用規約に同意の上、メールアドレスの認証と個人情報の入力を行い、ユーザー登録を行う
  1. 試験の種類を選択する
  2. 受検申請についての注意事項を確認する
  3. 「個人申請」を選択する
  4. 受検科目や免除申請の有無、受検地を選択する
  5. 受検書類などの送付先を入力する
  6. 支払い方法を選択し、その後受検料を支払う

 インターネットで申し込む際には、きんざいの「インターネット受検申請受付システム」においてユーザー登録を行う必要があります。また、受検料の支払いではFP協会の場合と同様に、「コンビニ決済」か「クレジット決済」のいずれかを選択可能です。コンビニ決済の場合、受検申請から2日以内に所定のコンビニで支払いを行い、クレジット決済の場合には、申請と同時に即時決済となります。

郵送で申し込む

 きんざい開催の試験へ郵送で申し込む場合、以下の手順を踏んでください。

  1. 受検申請期間内に、きんざいHP上にある「受検申請のダウンロード」バナーをクリックし、受検申請書をダウンロードする
  2. ダウンロードしたファイルをプリントアウトし、必要事項を記入する
  3. 受検申請書に記載してある口座へ、受験料を振り込む
  4. 受検料の振込金受取書または利用明細、受検申請書のコピーを封筒へ入れ、きんざい宛に送付する

 郵送で申し込む際には、インターネット上で受検申請書をダウンロードし、自らプリントアウトする必要があります。また、きんざいへ受検申請書を送付する際には、受検料の振込金受取書か利用明細のコピーを必ず同封するようにしてください。

FP試験の受験料

 FP試験の受検料は、2級3級は各団体で同じ金額ですが、1級のみ異なります(FP協会は実技のみ)。2022年9月時点での受検料は、以下の表の通りです。

FP協会きんざい
学科実技学科実技
1級20,000円8,900円28,000円
2級5,700円6,000円5,700円6,000円
3級4,000円4,000円4,000円4,000円

 上記の受検料はいずれも非課税ですが、コンビニ決済やカード決済の場合にはそれぞれ振り込み手数料がかかります。

FP試験の難易度

 FP試験と一口に言っても、1級と3級とでは出題範囲や問題の難易度が大きく異なります。それぞれの試験について、独学は可能かどうか、また通信講座を活用すべきかどうかなど、試験の難易度や対策を解説します。

FP3級の難易度

 FP3級試験の過去8回分の合格率平均は、FP協会が実施する学科試験で83.13%、実技試験で83.48%です。一方、きんざいが実施する学科試験の合格率平均は58.45%、実技試験は49.08%と、FP協会の試験よりも合格率が低くなっています。

 また、ファイナンシャルプランナーの3級を取得するために、学科試験と実技試験の両方とも合格する必要があるため、実質的な合格率は上記の合格率よりも低く、およそ50%から70%程度と考えられます。しかし、他の国家資格よりは合格率が高く、比較的挑戦しやすい資格と言えます。また、きんざいが開催する試験のほうが合格率が低い理由としては、企業の業務命令で受験する層が多く、モチベーションが低い人が一定数いることが挙げられます。

 FP3級試験に合格するための勉強時間目安は、一般的に30~100時間程度とされています。金融業界の経験者や金融の知識がある人は、より短い勉強時間で合格を狙えるはずです。FP3級は、市販の参考書を使用した独学で十分合格を狙える難易度とも言われています。

FP2級の難易度

 2022年1月にFP協会が実施したFP2級試験の合格率は、学科試験で41.51%、実技試験で56.33%となっています。きんざいの場合、学科試験の合格率が19.50%、実技試験は科目に応じて36.69%~57.84%と変動しています。

 受験回によって多少変動はあるものの、FP協会の合格率は学科試験で40%前後、実技試験は50~60%前後です。また、3級と同様に2級でもきんざいのほうが合格率が低く、学科試験で20~30%、実技で20~60%程度の合格率です。

 FP2級合格に必要な勉強時間は、現在の知識量や経験に応じて150~300時間程度と言われています。出題範囲が狭く難易度も高くない3級とは違い、より専門的で高度な内容が問われる2級では、独学ではなく通信講座や資格学校を利用して勉強を行う人が多くなります

FP1級の難易度

 FP1級の学科試験はきんざいのみ開催していますが、過去6回の試験における合格率平均は12.75%です。また、実技試験についてはきんざいで80%前後、FP協会で70~90%前後の合格率となっています。

 実技試験の合格率はとても高い数値になっていますが、そもそも合格率の低い学科試験に合格しないと実技試験を受験できないため、実技試験に到達するまでが難しいと言えます。上記の合格率を参考にすると、学科試験と実技試験の両方における合格率はおよそ10%前後です。

 FP1級に合格するためには合計で450~600時間の勉強時間、期間にして半年から1年程度必要とされています。独学で受験する人はほとんどおらず、大半が通信講座や資格スクールを活用しています。

FP試験の合格後のスキルアップについて

 FP試験に無事合格した後は、さらなるスキルアップのために他の資格に挑戦するのがおすすめです。ここでは、FP試験に合格した後に受検をおすすめする資格を紹介します。

FP3級の合格後におすすめの資格

 FP3級を取得すると、FP2級試験の受験資格を得られます。ファイナンシャルプランナーとして、さらに知識を身に付けたい、スキルアップをして仕事に活かしたい場合、FP2級の取得がおすすめです。FP2級は3級よりも難易度が比較的高いため取得している人も少なく、取得しておくことで顧客からより信頼を得られるかもしれません。

 また、同じ金融分野である簿記の3級を取得し、損益計算書や賃借対照表を理解できるようになるのもおすすめです。簿記で得た知識は、企業の経営で、法人向けの金融商品の営業などでの活躍に役立ち仕事の幅が広がるはずです。

FP2級の合格後におすすめの資格

 FP2級に合格した人は、最難関のFP1級に挑戦するのがおすすめです。FP1級を受検するためには、1年以上の実務経験か、FP協会主催のAFP認定研修を修了しCFP認定者となるか、いずれかの条件を満たす必要があります。FP1級取得者はかなり少なく価値が高いことから、ファイナンシャルプランナーの独立・開業を目指す人は、同業他社との差別化を実現するためにFP1級に挑戦するのが良いでしょう。

 また、そのほかにもFP協会が主催している、FP上位資格のAFPとCFPがあります。FPとしてより信頼を集めたい場合にはAFPが、グローバルにFPとして活躍したい場合にはCFPがおすすめです。

FP1級の合格後におすすめの資格

 FP1級に合格した人へは、企業の経営状況についてアドバイスできる中小企業診断士、宅建士や不動産鑑定士などの不動産関連資格がおすすめです。中小企業診断士の知識は経営者に対するライフプランニングに活用でき、不動産関連資格はFP試験の出題範囲と重複するため試験に挑戦しやすいと言えます。このように、FP以外の資格取得によって、より自分の市場価値が高まるダブルライセンスを狙えます

まとめ

 本記事では、FPの各試験における試験日や申し込み方法、受検料や難易度を解説してきました。FP試験はFP協会、きんざいという二つの団体が試験を主催しています。どちらに合格しても国家資格となり、2級、3級では日程、金額、学科試験の問題は同じですが、実技試験の内容が異なります。1級では団体によって受検金額が異なり、FP協会は実技試験のみ行います。また、両団体とも、インターネット上での受検申し込みや郵送での受検申請など、申し込み方法を選べます。FPを受検する人は、受検申請期間内に所定の方法で申し込めるよう、本記事の情報をぜひ参考にしてください。また、FPの各試験に合格した後は、FPのさらに上級の資格や関連性の高い他の資格を取得して、活躍の場を広げてみてはいかがでしょうか。

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