FP(ファイナンシャルプランナー)1級とはどんな資格?難易度や試験内容を詳しく解説

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FP(ファイナンシャルプランナー)1級とはどんな資格?難易度や試験内容を詳しく解説

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FP1級試験とは、FP資格のなかでも最高峰に位置付けられる国家資格で、FPの民間資格である「CFP」と同等レベルだといわれています。この記事ではFP1級を受けてみたい方のために、FP1級の概要や試験内容、おすすめの勉強法などを紹介しています。

 お金に関する正しい知識の習得や、自身のスキルアップなどを目的に、FP(ファイナンシャルプランナー)を目指す人が年々増加傾向にあります。FPは、長期的なライフプランについて、お金の面からアドバイスやサポートを行う職業です。FPに関する資格のなかでも最高峰に位置付けられる「FP1級」は、極めて優れたファイナンシャルプランニング知識を得られる試験です。
 そこで今回は、「FP1級資格試験」について詳しく解説します。試験の難易度や試験内容、FP1級のおすすめ予備校についても紹介していますので、FPの資格に興味のある人や、FP1級資格取得を目指している人は、ぜひお読みください。

※本記事はアーバンライフメトロが独自に記事を制作し、スクール紹介にはアフィリエイトプログラムの協力をいただいています。

FP(ファイナンシャルプランナー)1級とはどんな資格?

 FP(ファイナンシャルプランナー)1級とは、「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」の略称で、FP資格のなかでも最も難易度が高い位置付けにある国家資格です。FP3級は、主婦や学生が受験することが多く、FP2級は、就職のために有利な資格を得たいビジネスパーソンや学生が多く受験しています。これに対し、FP1級は、お金の知識に関する専門家を目指す人や、独立してFP事務所を経営したい人などが多く受験する傾向にあります。また、FP1級に合格すると、セミナーの講師などを依頼される可能性も高まるため、将来的にフリーランスで働きたい人にもピッタリの資格となっています。

FP1級の難易度

 FP1級の受験を検討している人のなかには、「実際にFP1級って一体どのくらいの難易度になるのかな?」と気になっている人もいることでしょう。結論からいうと、FP1級の難易度は非常に高く、毎年多くの人が試験をクリアできていないのが現実です。以下では、FP1級の難易度を詳しく解説します。

学科試験の合格率

学科試験合格率
2022年1月6.67%
2021年9月13.03%
2021年5月20.05%

 まずは、学科試験の合格率を見てみましょう。2022年1月のきんざい学科試験の合格率は6.67%です。受験者数7,958人に対し、合格者数はわずか531人でした。このことから、学科試験を突破するのは、決して容易ではないことが分かります。

実技試験の合格率

実技試験(きんざい)合格率
2022年2月85.88%
2021年9・10月85.16%
2021年6月85.27%
実技試験(FP協会)合格率
2021年9月93.8%
2020年9月97.7%
2019年9月93.0%

 続いて、実技試験の合格率です。2022年2月実施の、きんざいの実技試験の合格率は85.88%です。この時に受験者数は1,119人で、合格者数は961人でした。また、2021年9月に行われた日本FP協会の実技試験の合格率は、93.8%です。この時の受験者数は1,201人で、合格者数は1,126人でした。
 学科試験に比べ、実技試験の合格率がこれほどまで高い理由には、学科試験の合格者のみが実技試験を受けていることが挙げられます。FP1級に合格するには、学科試験と実技試験の両方に合格しなければなりません。そのため、実際の合格率は、両試験の合格率を掛けあわせた数字となり、FP1級の合格率は実質的には7%~18%の間にあるのだということが分かります。

他の資格との比較から見えるFP1級の難易度

 FP1級の実質的な合格率が、7~18%ほどということから、合格するのは決して簡単ではないことが分かります。FP1級と合格率が同レベルの代表的な資格には、「行政書士」が挙げられます。しかし、FP1級は原則としてFP2級に合格した人しか受験することができません。一方で、行政書士には受験資格がないため、実際にはFP1級の資格取得は行政書士の資格取得よりもハードルが高いと考えておいた方が良いでしょう。

FP1級試験の受検資格は?

 FP1級試験を受けるためには、いくつかの条件が存在します。この条件は学科試験、実技試験それぞれに設けられており、全てクリアしなければFP1級を取得することはできません。以下では、FP1級試験の受験資格を説明します。

学科試験の受検資格

 FP1級学科試験を受けるためには、以下いずれかの資格が必要になります。

  • FP2級合格者で、実務経験が1年以上あること
  • FP実務経験が5年以上あること
  • 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級合格者でFP実務経験が1年以上あること

 実務経験とは、資産設計・運用・管理およびこれらに関わる相談業務に携わった経験がある者をいいます。なお、「業務」として担当した経験を対象とします。どの資格を取得する場合でも、学科試験の受験には、実務経験が不可欠なのです。

実技試験の受検資格

 FP1級実技試験を受けるためには、以下いずれかの資格が必要になります。

  • FP1級の学科試験合格者
  • FP養成コース修了者で、実務経験が1年以上あること
  • 日本FP協会の「CFPの認定者」もしくは「CFP資格審査試験(6課目)合格者」

 「FP養成コース」とは、きんざいが実施している研修のことです。FP養成コースの受講料は約100万円で、研修日数は2ヶ月間と長期に及ぶため、受講できる人は限られます。

FP1級の試験の概要と特徴

 FP1級試験の特徴は、出題範囲の広さと深さにあります。FP2級試験は、FP3級と出題範囲はほとんど同じであるものの、より深掘りした内容を問われる試験でした。しかし、FP1級では、2級試験では扱われなかった幅広い問題が、細かく出題されるのです。ここからは、FP1級の試験の概要と特徴について見ていきましょう。

FP1級試験の概要

 FP1級の試験内容は、学科試験と実技試験の2つに分かれています。学科試験は金融財政事情研究会(きんざい)だけが実施しており、実技試験はきんざいと日本FP協会の両方が実施しています。FP協会が開催する実技試験では、「資産設計提案業務」に関する問題が出題されます。1年に一度のみの開催で、例年秋頃に試験日が設定されています。一方、きんざいが開催する実技試験では、「資産相談業務」に関する問題が出題されます。試験は1年に3回開催されています。

特徴1. 試験範囲が広い

 FP1級は、テキストや過去問だけでは完璧に対策することができない、初見の難問が多く出題される傾向にあります。そのため、市販のテキストでは試験範囲を十分に網羅することはできません。FP3級やFP2級のときには、テキストと問題集を繰り返し解くことで、十分に合格を狙うことができました。これは、テキストや問題集が、試験の出題範囲をカバーできているためです。しかし、FP1級試験は範囲がとても広いために、効率的な勉強法を確立するのが容易ではありません。

 現在、FP1級試験対策として用意されている教材のなかには、6分冊に分かれた分厚いテキストが多数存在します。しかし、実際の試験はそれ以上に出題範囲が広いものです。そのため、試験でテキストの持ち込みが可能であったとしても、7~8割程度しか得点できない可能性は決して低くないのです。

特徴2. 6分野の専門家と同等の知識が必要

 FP1級の試験では、範囲が広いとされている6分野のそれぞれにおいて、専門性の高い内容が多く出題されます。FP2級までは、わたしたちの生活にも関わりのある一般問題が多く出題されました。しかし、FP1級では、特定の業界のなかで仕事をしている人にしか理解できない内容も、出題範囲となります。たとえば、国税庁が発表している税の処理方法や、保険業を営む人が順守すべき法律の内容などです。そのため、6分野の専門家と同等の知識が必要なことも多々ありこれらを体系的に学ぶためには膨大な学習時間が必要となるのです。

特徴3. 最新の法改正についても出題される

 2級でも法改正の内容は出題されますが、各試験ごとの、法令基準日について施行されている内容が主な範囲でした。しかしFP1級では、試験日に施行されていない場合でも、将来に施行されることが決定した内容は出題の対象となります。したがって、新聞やニュースなどで、いつどのような法改正があるのかを、確認しておくことが重要です。

FP1級に合格するために一体どのくらいの勉強時間が必要なの?

 FP1級に合格するために要する勉強時間は、およそ500〜600時間といわれています。FP2級に合格するために要する勉強時間がおよそ300時間だといわれているため、約2倍の勉強時間が必要になります。また、FPに関する予備知識がない人や独学で学習する人は、さらに多くの勉強時間を必要とするケースが多いです。勉強にあてられる時間から逆算した試験日に向け、余裕をもったスケジュールを組んでいきましょう。

FP1級合格への勉強方法は?

 ここまで、FP1級の概要やその難易度についてお伝えしてきました。では、FP1級に合格するには、具体的にどのような勉強方法で進めていくと最も効率的なのでしょうか。下記では、FP1級に合格するためにおすすめの勉強方法について紹介します。

2級合格から時間を置かない

 前述した通り、FP1級は、FP2級と比較して、基礎・応用どちらも難易度が上がり、範囲も広がります。このことから、FP2級に合格したら、なるべく時間を置かずFP1級試験を受けることをおすすめします。あまりにも時間が経ってしまうことで、せっかく頑張って勉強した知識をも忘れてしまい、もう一度FP2級の試験範囲から勉強し直す必要が出てくる可能性が否定できません。

法改正にも注意

 FP1級試験では法令基準日が決められています。そのため、試験日の法令基準日時点での内容に合わせて、勉強を進める必要があります。1月と5月の試験の場合は前年10月1日、9月試験の場合は同年4月1日が基準日です。また、基準日時点ですでに改正や施行が決まっている法律に加えて、将来施行される法律が出題範囲に含まれることも多く見られます。法改正に十分注意し、内容を理解しておくよう心がけてください。

独学よりも予備校に通うのがおすすめ

 初めてFP1級を目指す人は、独学よりも予備校に通うのがおすすめです。やはりFP1級は難易度が高い試験なだけあって、独学での勉強はハードルが高く、なかなか合格できず、結局お金も時間も無駄にしてしまう場合が多いです。一方、予備校では、初歩的な問題から応用編まで幅広い問題が提供されているため、体系的に学習できます。また、不明点や苦手な箇所はすぐに相談できる環境が整っているため、確実に合格したい人にとって予備校は強い味方となるでしょう。

FP1級のおすすめ予備校3選

 ここからは、数あるFP1級の予備校のなかでも、特におすすめの予備校を3つを紹介します。おすすめポイントや特徴についても説明していますので、ぜひ自分に適した予備校を見つけるための参考にしてください。

LEC東京リーガルマインド

LEC FV

おすすめポイント:長年蓄積されたノウハウにより作成されたオリジナルテキスト!実務の第一線で活躍中の専任講師が、しっかりと学習をサポートしてくれる

 LEC東京リーガルマインドの講座の特徴は、学習意欲やモチベーション維持、効率よく学習させるためのさまざまな取り組みが用意されている点にあります。LEC東京リーガルマインドは、1979年の設立以来、行政書士試験や司法試験などの法律系資格のほか、簿記・会計系といった幅広い講座を開講しています。

 そんなLEC東京リーガルマインドが展開する「1級FP学科試験対策講座」は、長年蓄積されたノウハウにより作成されたオリジナルテキストです。

 専任講師による質の高い講義によって、合格に必要な知識をインプットしたあと、オリジナルテキストをベースに復習することで、効率的な学習を実現できます。さらに、LEC東京リーガルマインドの講座料金は業界のなかでも非常にリーズナブルです。そのため、「なるべく費用を抑えながら学習したい」という人にもピッタリの講座となっています。

 おすすめポイント

  • 実務の第一線で活躍中の経験豊富な講師が、しっかりと学習をサポートしてくれる
  • さまざまな学習スタイルに対応している
  • 過去問や模擬試験によるアウトプットが充実している
  • いつでも質問できるサポート付き
  • 受講生のニーズと時間に応じたコースが豊富

基本情報

料金2023年1月・5月向け 1級FPパーフェクトコース合格パック・通信: 103,950円
会社名株式会社東京リーガルマインド

資格の学校TAC

おすすめポイント:校舎が全国に展開され、教室で仲間とでもビデオ(DVD)ブースで個別にも受講できる、大手資格講座会社!オリジナル教材の質が高いことでも定評がある

 資格の学校TACでは、実務に携わる経験豊富な講師が、具体的な事例を引き合いに出し、合格に向けたノウハウを手厚く指導してくれます。講師と教材の質の良さに高い定評があり、近くに校舎がない人でも、通信でクオリティの高い学習を受けられる点が大きな魅力です。常に最新情報を意識したオリジナル教材や、実務経験の豊富な講師が、受講生を合格まで導いてくれることでしょう。

 また、資格の学校TACでは、専用アプリを活用し、講義をタブレットやスマホにダウンロードして学習できるため、隙間時間に学習に取り組むことも可能です。さらに、学習メディアも、ライフスタイルに合わせて選択できます。加えて、ウェブでのフォローはもちろん、質問メールで細かく疑問点を解決できるツールが取り揃えられています。資格の学校TACは、全国の校舎で体験入学や講座説明会を受け付けているため、興味のある人は申し込んでみてください。

 おすすめポイント

  • オリジナル教材の質が高い
  • 実務に強い講師陣の指導に定評がある
  • すき間時間に勉強しやすい学習スケジュール
  • 受講生のレベルに合わせた多彩なコースが用意されている
  • 校舎が全国に展開されている、大手資格講座会社

基本情報

料金2023年1月目標 1級本科生 Web通信講座:133,000円
(2022年10月2日までの申し込みで108,000円)
会社名TAC株式会社

山田コンサルティンググループ

おすすめポイント:FP講座30年以上と指導歴が長い!オンデマンド授業で授業を配信!短期間で重要ポイントを理解することができる

 山田コンサルティンググループは、1989年に創業した総合コンサルティング会社です。FP講座のパイオニア的存在として、現在も多くの受講生をサポートしています。オンデマンドで授業を配信するため、パソコンとネット環境さえあればどこででも受講可能です。

 山田コンサルティンググループの強みは、FP講座30年以上と指導歴が長く、FPに関する指導の知見は多数蓄積されている点にあります。特に、オリジナル教材には、長年の指導を通じて得たFP試験突破のためのノウハウが詰まっており、ケーススタディやコラムなどを盛り込みながら、体系的に試験勉強ができます。また、過去のFP1級試験の出題傾向や、法令改正部分もしっかりと考慮されており、ポイントを押さえて効率的にできる教材となっています。カリキュラム終了後は、オリジナルの模擬試験にもチャレンジできるため、実際の試験を想定した計画的な学習に取り組めます。

 おすすめポイント

  • FP1級の講座価格は安め
  • 質問サポートもバッチリ
  • 練習問題を通じて基礎と応用力をがっちり鍛える
  • 質問で疑問を残さず学習可能
  • コースの数は少なめ
  • 豊富な教育実績がある
  • 短期間で重要ポイントを理解することができる
  • オリジナルの模擬試験にもチャレンジできる

基本情報

料金・1級 FP技能士 学科試験対策 総合webコース 88,000円
・インプットwebコース 44,000円
・アウトプットwebコース 44,000円
会社名山田コンサルティンググループ株式会社

まとめ

 今回は、FP1級試験の内容や難易度、おすすめの勉強方法についてお伝えしました。

 FP1級の合格率はおおよそ7~18%で、他の資格と比較してもかなりハードルが高いことで知られています。また、受検には、規定の受験資格を全てクリアしている必要があるため、誰でもチャレンジできるわけではありません。さらに、FP1級に合格するためには、平均500〜600時間ほどの勉強時間が必要になるため、決して簡単に取得できる資格ではないことが分かります。

 初めてFP1級に挑戦する場合には、予備校を利用するのがおすすめで、予備校では、過去によく出てくる問題を繰り返し解きながら、効率よく勉強を進められます。ぜひ、今回紹介した内容を参考にFP1級試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。本記事が少しでもFP1級試験の受検を検討している方の参考になれば幸いです。

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