ファイナンシャル・プランナーの資格は独学で合格可能?

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ファイナンシャルプランナーの資格は独学でも取れるのでしょうか?FP試験の種類による難易度の違い、独学のメリットやデメリットに加え、注意点を解説します。独学での勉強が難しくなってくるFP技能士試験2級~1級、研修が必要なAFPやCEPの取得を目指す場合におすすめの講座もご紹介しています。

 何かと不安な今の時代。自分の資産はできるだけ賢く運用したいものです。そんな時代にこそ「ファイナンシャルプランナーの資格があるとイイらしい!」という声をよく聞きます。
 とはいえ、そもそもFP資格って独学で取れるものなのでしょうか?
 独学でFP資格をゲットするまでの道のりをご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。

※本記事はアーバンライフメトロが独自に記事を制作し、講座の紹介にはアフィリエイトプログラムの協力をいただいています。

独学でFP資格の取得はできる?

 独学で試験合格を目指すなら、まずは基本情報を頭に入れておきましょう。

 FP試験は、FP技能試験と、「AEF」「CFP」の三つの種類に分けられます。
 FP3級の資格は国家資格でありながら、なんと独学で目指せます
 民間資格である「AEF」「CFP」は、研修での受講が義務付けられているため、残念ながら独学のみでの合格はできないことになります。

 ですから、独学でのFP試験の合格の目標は、FP技能試験3級を目指すことになります。

3級は勉強のしかた次第で合格できる

FP技能士試験3級の受験資格

 FP技能士試験3級の受験資格には年齢制限がありません。「FP事業に従事している者、または従事しようとしている者」との記載があるのみです。
 つまり、誰にでもチャンスがあるのです。

FP技能士試験3級の試験内容

 FP指定試験機関には、一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)と、NPO法人日本ファイナル・プランナーズ協会(日本FP協会)の二つがあります。

 FP技能士試験3級には学科試験と実技試験があります。きんざいと日本FP協会での学科試験は共通ですが、実技試験はそれぞれ違う内容の試験を受けることになります。学科試験は試験時間60分で、三答択一方式の試験となっています。

 実技試験は、きんざいの場合「個人資産相談業務」「保険顧客資産相談業務」のいずれか、日本FP協会の場合は「資産設計提案業務」を受けることになります。

 どの実技を受験するかによって、勉強内容が変わってくるので、はじめによく考える必要があります。
保険を専門に学びたいならきんざいの「保険顧客資産相談業務」、今後の資産設計に役立てたいなら日本FP協会の「資産設計提案業務」など、将来を見据えて考えましょう

 ちなみに試験を受けるなら、学科試験と実技試験を同時に受けるのがおすすめです。試験にはタックスプランニング問題が含まれていますが、学科と実技の年度が異なると、税制が変わる場合があるからです。

FP技能士試験3級の難易度

 FPというと敷居が高く、難しく感じるかもしれませんが、FP技能試験3級は難易度が低く、受かりやすい資格といえます。2018年5月には79.11%、2018年1月には79.75%と8割近くの方が合格しているのです。
 目標を立ててしっかり勉強すれば、受かる可能性が高いということになりますね。

2級からは独学では難しくなってくる

FP技能士試験2級の受験資格

 先述したように、FP技能試験3級の資格は「FP事業に従事している者、または従事しようとしている者」でしたが、FP技能試験2級の資格には、以下の条件のどれかひとつを満たす必要があります。

  • AFP認定研修の受講修了者
  • FP技能士試験3級検定合格者
  • FP実務経験2年以上

 実務経験や特別な条件がないFP技能試験3級に比べ、少しハードルが高くなります。いきなり2級からチャレンジしたい!という方は、日本FP協会が実施するAFP認定研修を受講しましょう。ちなみにAFP認定研修の受講は誰でも受講可能です。

FP技能士試験2級の試験内容

 私生活に役立つレベルの知識を身に着ける、いわば入門編であるFP技能試験3級と違い、FP技能試験2級は実務に関わるレベルを有する国家資格です
 学科試験と実技試験があり、一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)と、NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)とでは、実技試験の内容が異なります。実技は二つの機関あわせて5種類から1種類を選んで受験します。
 そのため、それぞれの実技試験の試験範囲や特徴を知っておく必要があります。現在働いている職種や目指したい業種によって決めることも大切です。

 FP技能士試験2級は先に学科試験が、午前10時から12時までの120分で行われます。その後実技試験が、13時30分から90分で行われます。学科試験はマークシート方式、実技試験は記述式になります。別の日に受験することも可能です

 資格取得には、学科試験と実技試験の両方に合格しなければなりません。学科試験、もしくは実技試験のどちらかに合格すると「FP技能士」の一部合格になります。有効期間は翌々年度末までなので、それまでにもうひとつの試験に合格すれば、晴れて「FP技能士」の完全合格となります。

FP技能士試験2級の難易度

 FP技能士試験2級では実用スキルが問われるため、実技試験では理解度が試される出題内容や出題形式が取り入れられています
 FP技能士試験3級の実技試験は、マークシート式の選択問題なので、言葉を暗記していれば合格できます。一方で、FP技能士試験2級の実技試験は、深堀りされた問題や、理解力や応用力が試される問題が出ます。
 「顧客の立場に立った相談ができるか」「問題の解決策の検討や分析ができるか」などが問われる問題が出題されるので、暗記力だけでは合格できません。
 問題数もFP技能試験3級に比べボリュームがあるので、準備して臨む必要があります。

 学科試験が60満点中36点以上、実技試験がきんざいは50満点中30点以上、日本FP協会が100満点中60点以上が合格点になります。

 きんざいと日本FP協会によって出題傾向は異なり、きんざいの実技試験はどちらかというと複雑な事例が多く出題され、問題を解くには読解力が求められる傾向があります。日本FP協会は、比較的オーソドックスでシンプルな問題が出題されますが、問題数が多く解答のスピード感が求められると言われています。どちらのタイプが向いているかをよく考えて、受験することをおすすめいたします。

 FP技能士試験2級の合格率は、学科試験と実技試験を同時に受験した合格者の場合で、およそ40%前後です。FP技能士試験3級の合格率と比べると難しく思えるかもしれませんが、しっかりと傾向と対策を練り、準備して臨むなら、独学でも合格を目指せる難易度です。

1級の独学はかなりハードルが高い

FP技能士試験1級の受験資格

 これまでのFP技能士試験3級・FP技能士試験2級とは比較にならないほど難解なのがFP技能士試験1級です。まずは学科試験に合格して、それから実技試験を受けるという流れになります。

 学科試験を受けるための資格は以下の通りです。

  • FP技能士試験2級合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
  • FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
  • 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者

 FP技能士試験1級の学科試験は、きんざいで受験します。

 次に実技試験を受けるための資格は以下の通りです。

  • FP技能士試験1級合格者
  • 日本FP協会の「CFP認定者」
  • 日本FP協会の「CFP資格審査試験の合格者」
  • きんざいの「FP養成コース」修了者+実務経験1年以上

 FP技能士試験1級の実技は、日本FP協会かきんざいで受験します。

 日本FP協会の「CFP資格審査試験の合格者」になれば、FP技能試験1級の学科試験が免除となり、日本FP協会の実技を受けるだけでFP1級になれます。

FP技能士試験1級の試験内容

 FP技能士試験1級の学科試験は基礎編と応用編の構成となっています。どちらも100満点ずつで合計120点をとれば合格です。

 この学科試験ですが、とにかく基礎編が難解です。過去問やテキストでは網羅できないほど試験の出題範囲が幅広く、毎回の試験で新規の問題がたくさん出題されます。もし仮に試験会場にテキストを持ち込んでも7~8割しか得点できない、とさえ言われています。

 この難解な基礎編に比べて応用編は、点数を取りやすくなっています。比較的過去問のリピート問題が多く出題されます。基礎的な知識で解ける穴埋め問題や計算問題で高得点を見込めます。

 学科試験に合格したら、いよいよ実技試験です。FP技能士試験1級の実技試験は機関によって異なり、日本FP協会では筆記試験、きんざいでは面接試験となります

 筆記型の日本FP協会の実技試験は、択一や語群選択、空欄記入、論述の形式で、2題(20問)出題されます。面接型のきんざいは、面接が始まる約15分前に設例が配られ、その設例をもとに面接が実施されます。面接の所要時間は約12分で、面接回数は2回です。

 面接だと緊張してしまう…という方は、筆記型の日本FP協会の実技試験がおすすめです。

FP技能士試験1級の難易度

 FP技能士試験1級の合格率はおおよそ10%と低く、かなり難易度の高い資格です。FP1級技能士試験と合格率が近いのは行政書士です。行政書士に受験資格がないことを考えると、厳しい受験資格があるFP技能士試験1級の資格取得は、さらにハードルが高いといえるでしょう。

 FP技能士試験1級に合格するための勉強の目安は、450~600時間程度とされています。毎日のコツコツと地道な努力が必要です。

 FP技能士試験2級までなら、なんとか独学で合格できるケースもありますが、FP2級とFP1級では難易度の差は、比較にならないほど大きくなります。10人にひとりぐらいしか合格しないと考えると、挫折しそうになりますが、FP技能士試験1級の資格は、着実に努力して取るに値する最上位資格です。顧客から信頼を得やすく、社会的にも高く評価されます。
 合格までの道は険しいですが、がんばって努力を継続すれば必ず合格を掴み取れます。諦めずに粘り強く勉強しましょう。

独学のメリットとデメリットは?

 難易度の低いFP技能士試験3級や、FP技能士試験2級は頑張れば、独学でも資格取得できます。とはいえ、あまり考えずに独学を選んで後悔するのは避けたいものです。
 ここからは、独学のメリットとデメリットを解説いたします。しっかり理解したうえで独学を選ぶかどうかを決めましょう。

メリット

勉強の費用を抑えられる

 独学だと費用を抑えられます。教材であるテキストと問題集は、FP3級・FP2級どちらも各4000円前後で購入できるので、毎年の法改正に対応している最新のものを入手しましょう。
 過去問については、2~3年分であれば、日本FP協会ときんざいの公式ページで無料の過去問を手に入れることができます。

 FP技能士試験3級の問題は、基礎的な内容が多めで、過去問に似た問題が多く出される傾向があります。
 基本テキストと基本問題集、そして過去問をしっかり勉強すれば合格につながります。

スキマ時間で勉強できる

 時間や気持ちに余裕がなかったり、毎日忙しい生活を送っていると、決まった時間にスクールに通うなど、勉強のために時間を取り分けるのが難しいこともあるかもしれません。

 独学であればスキマ時間を上手に活用して勉強できます。出社や帰宅の通勤時間を利用したり、オフィスでの自席ランチタイム時間なども活用できます。
 自宅では、朝のすがすがしい時間帯を利用したり、家事の合間に講義音声を流したり、お休み前の半身浴ついでに…など自分に合ったスキマ時間を見つけて、勉強時間を確保できるメリットは大きいです。
 時にはお休みしたり、時間をずらすのもOK。長続きできるように工夫することが可能です。

自分のペースで勉強を進められる

 誰にもせかされず、自分のペースで勉強できるというメリットもあります。
 自分の興味のある分野を徹底的に調べたり、あれこれ比較したり、勉強の過程を楽しむのも良いでしょう。
 合格に向けてのラストスパートも自分で決める…独学ならではのゆとりを持ちながら、マイペースで勉強を続けられます。
 資格取得を急いでいないなら、こんな学び方もアリですね!

デメリット

教材選びが難しい

 FP試験のテキストは種類がとても多く、どのテキストを選んだらよいのか迷ってしまいます。テキストの中には、試験範囲を十分に網羅していないものや、文字ばかりが多くて、解説が分かりにくいものなどがあり、勉強してはじめて「失敗した!」と気づくことがあります。同じ出版社から複数のテキストが発売されているため、テキスト選びに苦労する場合もあります。
 テキスト選びに失敗すると、勉強の意欲がそがれてしまうので、注意が必要です。

法改正への対応が難しい

 独学だと、法改正への対応が面倒だという大きなデメリットがあります
 9月に行われるFP試験では、4月1日時点で施行されている法令等に基づいて出題されます。ところが、1月と5月で行われるFP試験では、10月1日時点で施行されている法令等に基づいて出題されます。
 試験を受けるタイミングにあわせて、最新の法改正情報を自分で調べなければなりません。法改正部分は試験に出題される可能性があるので、注意が必要です。

モチベーションの維持が難しい

 勉強好きな方や資格取得慣れしている方は心配ないのですが、独学でモチベーションを維持するのは難しいものです。
 集中できなかったり疑問点がすぐに解消できず勉強が思うように進まないと、ストレスを感じ、そのうち勉強から遠のいてしまいかねません。

 さらに資格を取る以上、自分の興味のある分野以外のところも勉強しなければなりません。
絶対に合格したい!という強い意志がなければ続けるのが難しくなります。

独学で学ぶ際の注意点

 ここからは、独学でFP資格を取ろうと決意した場合の注意点について解説します。

最新版のテキストを購入する

 FP試験用のテキストは、毎年行われる法改正に対応するために毎年発行されています。必ず最新版のテキストを購入しましょう

 最新版のテキストでも、内容は出版社ごとに特徴がありますので、わかりやすく自分に合ったタイプを選びましょう。イラストや図が多め、解説中心で文章が多いものなど、自分に合ったものを選びましょう。

法改正の情報を細かくチェックする

 毎年行われる法改正ですが、試験の行われるタイミングによっては、10以上の法改正が関係することがあります。法改正の情報は、日本FP協会やきんざいのサイトで情報が掲載されることがあります。また、テキストを販売する出版社の公式サイトでも、法改正についての情報を専用ページで紹介しています。これらのサイトをこまめにチェックして、常に最新の情報を入手しましょう
 試験間近まで気を抜かず、万全の対策で試験に臨んでくださいね。

受験資格を確認する

 ご紹介したように、FP技能士試験3級とFP技能士試験2級でも、受験資格が大きく異なります。独学の場合、認識違いを修正する機会がありませんので、最初にきっちり確認しておくことが重要です。

独学と通信講座やスクールの違いはどこにある?

 独学で勉強する場合の注意点などについてご紹介してきました。
 では独学での勉強と通信講座やスクールを利用しての勉強ではどこが違ってくるのでしょうか?
 ここからは通信講座やスクールを利用するメリットや料金、勉強時間の違いについて、確認していきます。

独学

 これまでご説明したように、独学には「費用を抑えられる」「スキマ時間で勉強できる」「自分のペースで勉強できる」というメリットがあります。一方で「教材選びが難しい」「法改正への対応が大変」「モチベーションの維持が難しい」「すぐに疑問を解消できない」などのデメリットがあります。

通信講座やスクールのメリット

 通信講座は、テキストや動画を使いながら、自分のペースで学習をすすめていく勉強方法です。テストや課題を提出し、添削・返却されます。

 運営会社が培ってきた経験やノウハウが凝縮された内容で、FP試験の出題傾向やつまづきやすいポイントをサポートしてくれます。受験時の注意点やテクニックなども学べるので、独学に比べて効率よく学べます。

 スクールの場合、学校へ実際に通い、FP資格取得を目指すコースを選ぶことになります。同じ目標をもって学ぶ仲間がいるので、モチベーションがあがります。
 また、対面での授業なので、分からないことはすぐに質問してクリアにできます。

FP技能士試験3級の通信講座の料金と勉強時間の目安

 FP技能士試験3級は、独学で合格を目指せたり、2級とともに勉強する方が多いです。そのため通信講座の数はそれほど多くありません。FP技能士試験3級の通信講座の料金の相場は、5,000円前後から25,000円前後です。

 勉強期間は、1日2時間勉強できるとして2カ月から3カ月程度がだいたいの目安です。

FP技能士試験2級の通信講座の料金と勉強時間の目安

 FP技能士試験2級の通信講座は、単独での講座と、2級と3級を一度に学べる講座があり、希望に合わせて選択できます。そのため料金相場は8,000円~96,000円前後と幅広くなっています。

 勉強期間は1日2時間勉強できる場合、2カ月から5カ月程度がだいたいの目安です。

 講座を受講したものの不合格になってしまった場合でも、受講料が全額返金というサービスがある運営会社もあります。事前に確認しましょう。

おすすめのFP講座3選

会社名フォーサイトスタディングキャリカレ
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特徴・全国平均合格率の1.96倍
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・合格すれば2講座目を無料で受講できる
・圧倒的な低価格!
コース/料金2023年1月試験対策(2級基礎+過去問・2級FP技能士+AFP)+3級対策
69,800円
・2022年5月~2023年1月試験対応版一括:31,900円
・FP2級合格コース:29,700円
・FP3級合格コース:4,950円
2級・3級FP技能士一括費用:40,700円
公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

まとめ

 FP技能士試験3級は、独学であっても取り組み次第でファイナンシャルプランナーの資格が取れます。
 FP技能士試験2級は頑張ればなんとか独学での資格取得も夢ではありませんが、なかなか難しいのが現状です。
 FP技能士試験1級の場合は、試験内容や受験資格などのハードルが一気に高くなり、残念ながら独学のみでの合格はできません。

 FP技能士試験3級、もしくはFP技能士試験2級資格を目指して、独学を選ぶかどうかは、メリットやデメリットを考え、自分に合う勉強方法かどうかを判断しなければなりません。
 独学でチャレンジすると決めたなら、注意点を必ずチェックして、万全の体制で臨んでください。

 おすすめのFP講座についてもご紹介しましたので、自分に適した勉強方法で、憧れの資格取得までの道のりを、着実に歩んでいきましょう!

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