先行きの見えない現代社会において、お金を上手く管理し、運用していくことの重要性は増す一方です。しかし、身近なお金とはいえ、管理や運用といった様々な問題に対してはよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
ファイナンシャルプランナーはそんなお金についての課題を解決する専門家です。そして、そんなファイナンシャルプランナー資格は取得しておくと自身のためにもなり、また仕事として活用できたり、独立を狙うことができたりします。
とはいえ、ファイナンシャルプランナーの資格といっても複数の種類があり、出題範囲や難易度も様々で、どれを受験すればよいのか迷う場合も多いでしょう。
本記事では、そんなファイナンシャルプランナー資格について、種類ごとに難易度や勉強方法などについて解説しています。気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
※本記事はアーバンライフメトロが独自に記事を制作し、資格の紹介にはアフィリエイトプログラムの協力をいただいています。
ファイナンシャルプランナー資格とは?
ファイナンシャルプランナーとは、お金の専門家として、顧客が抱える保険や税金、住宅ローン、相続、教育資金といったお金の課題に対してアドバイスしたり、相談者のニーズに即した適切な金融商品を提案する仕事です。
ファイナンシャルプランナーになるのに資格は必須ではありません。しかし、取得しておくことで実務に関する知識が身に付きますし、顧客からの信用が増したり、必要な情報を取得しやすくなったりします。
ファイナンシャルプランナー資格には主に2種類あります。国家資格の「FP技能士」と、民間資格の「AFP/CFP」です。FP技能士資格は一度合格すれば保有し続けることができますが、AFP/CFP資格には有効期限があり、更新するには継続的に教育を受ける必要があります。
【国家資格】FP技能士資格とは?
FP技能士資格は日本FP協会及び金融財政事情研究会(通称:きんざい)の2つの団体機関が試験を実施しています。試験内容は学科試験と実技務試験があり、両方に合格することでFP技能士となることができます。
試験内容としては、学科試験はどちらの機関も同様で、実技試験は異なります。どちらで受験しても資格の価値は同様ですので、好きな方を受験しましょう。
FP技能士資格は国家資格であり、資格に有効期限は無く、簡単な方から3級、2級、1級の3つの種類があります。3級は誰でも受験が可能ですが、2級、1級と級が上がるにつれ、受験資格が厳しくなり、また主題範囲が広く、受験費用も上がっていきます。
3級FP技能士
3級FP技能士試験では、ファイナンシャルプランナーについての基礎知識が出題されます。学科試験と実技試験の両方がマークシート式で、2つとも得点率が60%以上で合格です。
学科試験の出題範囲は「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業継承」で、実技試験が日本FP協会では「資産設計業務」、きんざいでは「個人資産相談業務」「保険資産相談業務」となっています。
実技試験の合格率は日本FP協会の方が高い傾向にありますが、出題範囲が異なるので、自分が得意な業務や、仕事・生活に役に立つ方で受験すればよいでしょう。
なお、受験費用は学科と実技それぞれで4,000円で、受験資格はなく、誰でも受験が可能です。
2級FP技能士
2級FP技能士試験では、3級よりも難易度が上がり、豊富な金融知識意識が試されます。こちらも学科試験と実技試験があり、学科試験はマークシート方式ですが、実技試験は計算が必要で選択式以外の回答方式もあります。合格の基準は3級と同様で、両方の得点率が60%以上です。
出題範囲は学科試験が3級と同様の6項目で、実技試験も日本FP協会は「資産設計業務」となっています。きんざいでの実技試験は、「個人資産相談業務」「中小事業主資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」「損保顧客資産相談業務」です。
受験費用は学科と実技を同時に受けると11,700円で、学科のみだと5,700円、実技のみだと6,000円かかります。
2級からは受験資格があり、これから2級の受験資格を得ようとする場合、下記のいずれかを満たす必要があります。
- 3級FP技能検定合格者
- 日本FP協会の認定教育機関でのAFP研修修了者
- FP業務に関して2年以上の実務経験
1級FP技能士
1級FP技能士試験は、FP技能士の最高峰として高度な専門知識を必要とする、かなり難易度の高い資格です。1級FP技能士を名乗るには、学科と実技両方に合格する必要がありますが、学科と実技の試験日が異なり、学科合格後に実技を受けるという流れとなっています。
学科は基礎編がマークシート、応用編が記述式、実技もは記述式です。なお、1級に関しては学科はきんざいのみの実施です。
出題範囲としては2級までと変わりませんが、当然より深く、またあまり一般的には身近ではないレベルの、金融業界や不動産業界の専門知識が要求されます。
受験費用は学科が8,900円、実技がきんざいでは28,000円、日本FP協会では20,000円です。
受験資格としてはこれから受験資格を得ようとする場合、以下のいずれかを満たしておく必要があります。
- FP2級に合格していて、FP業務の実務経験が1年以上ある
- FP業務で5年以上の実務経験がある
また、実技試験に関しては、学科試験に合格していなくても、以下のいずれかに該当すれば受験できます。
- きんざいの実施するFP養成コースを修了していて、FP業務の実務経験が1年以上ある
- CFP認定者
- CFP資格合格者
【民間資格】AFPとCFP®資格とは?
ファイナンシャルプランナーについての民間資格として、AFPとCFPがあります。AFPやCFPは日本FP協会が認定試験や研修を行っていて、登録をする必要があります。
一般的に、FP技能士を取得した後に、スキルアップとしてAPFやCFPを目指す場合が多いです。AFPやCFPとなることにより、FP技能士以上に信頼性が増し、また定期的に法律改正などの情報を受け取ることができるためです。
資格に有効期限があることも、顧客からすると常に最新の情報を持っているという安心につながっているともいえます。
AFP
AFPとなるには、AFP認定研修を終了し、AFPと認定された後も2年に1回の資格更新をし続ける必要があります。そして、AFP資格認定の要件のひとつとして、2級FP技能士検定に合格することが挙げられます。
つまり、2級FP技能士試験に合格した上で、AFPとして登録するための研修を受けるという流れが一般的といえます。
受験資格は以下の条件を満たしている必要があります。
- 日本FP協会認定機関の「AFP認定研修」を修了している
- 2級FP技能検定に合格している
AFP認定研修(基礎)で学ぶ内容は、2級FP技能検定試験の学科・実技出題範囲となっています。
内容は「FP基礎」「金融資産運用設計」「不動産運用設計」「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」「リスクと保険」「タックスプランニング」「相続・事業承継設計」「提案書の作成」です。
すでに2年以上のFP実務経験がある方で、2級FP技能士試験に合格していれば、最低1カ月程度のAFP認定研修(技能士過程)を修了すればAFP資格が取得できます。
AFPを取得する際の費用としては、AFP認定研修の受験費用として10,000円~(機関や受講法により異なる)となっています。
また、日本FP協会の会員となる入会金10,000円、年会費12,000円に、2年ごとの継続教育単位取得費用として数千円~数万円程度も必要です。
CFP®
CFPは世界的に認められている、ファイナンシャルプランナーとしては最高峰の資格です。CFPもAFPと同様、2年ごとに所定の教育や研修を受けることで、資格を保持し続けることができます。
CFPの受験資格は、以下のいずれかを満たしている必要があります。
- AFP認定者であること
- 所定の大学院で単位を取得すること
FP技能士と同様に「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業継承」について、科目ごとに受験します。
一度にすべて合格する必要はなく、数年かけて一つずつ受験することが可能です。各科目とも、四肢択一式で、マークシートにて回答します。
資格取得までには、さらに以下のような条件が課せられます。
- 3年間の実務経験もしくは「みなし実務研修」を受講すること
- 試験合格後にCFP®エントリー研修を受講し、修了すること
CFPにかかる費用としては、受験料が6科目合計で27,000円程度かかり、さらに登録料で5,000円、年会費8,000円、更新費も必要となっています。
【国家資格】FP技能士資格の難易度は高い?
国家資格であるFP技能士資格ですが、その難易度は高いのか気になるところです。国家資格といえば難関というイメージを持つ方も多いかもしれません。実際のところ他の国家資格と比較すると、3級と2級は比較的低めといえますが、1級の難易度は高いです。
難易度の高い方が、もちろん資格合格に必要な勉強時間も増えていきます。
試験自体は日本FP協会ときんざいが実施しており、それぞれで試験内容や合格率が異なります。どちらで合格しても資格の価値は同じですので、自分に有利な方を選びましょう。
3級FP技能士資格の難易度は低め
3級FP技能士資格の合格率は平均70%程度であり、難易度は低めといえます。例えば他の国家資格である宅地建物取引士、行政書士、司法書士と比較すると明らかです。
また、3級FP技能士の試験合格に必要な勉強時間は80~150時間程度といわれており、これも国家資格試験の中では少ないといえるでしょう。(下図参照)
【各資格合格率】
資格 | 平均合格率 | 勉強時間の目安 |
---|
3級FP技能士 | 70% | 80~150時間 |
日商簿記3級 | 40% | 100時間 |
宅地建物取引士 | 15% | 200~300時間 |
行政書士 | 11% | 800~1,000時間 |
司法書士 | 4% | 3,000時間 |
また、3級FP技能士の試験は学科と実技があり、日本FP協会ときんざいのそれぞれで設定されています。2021年の合格率は下記ですので、参考にしてみてください。
【日本FP協会 3級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験 |
---|
2021年9月 | 84.69% | 80.50% |
2021年5月 | 83.25% | 76.65% |
2021年1月 | 87.92% | 86.53% |
【きんざい 3級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験(個人) | 実技試験(保険) |
---|
2021年9月 | 53.31% | 43.25% | 48.68% |
2021年5月 | 47.81% | 59.63% | 47.76% |
2021年1月 | 63.75% | 58.63% | 47.76% |
3級FP技能士の合格点
3級FP技能士に合格するには、学科と実技ともに60%の得点率が必要です。学科試験は日本FP協会ときんざいで同様ですので、どちらで受験しても同じ結果となります。実技試験の科目は異なりますので、好きな方を選びましょう。
【3級FP技能士の配点と合格点】
試験科目 | 実施団体 | 科目 | 配点 | 合格点 |
---|
学科 | 共通 | – | 60 | 36 |
実技 | 日本FP協会 | 資産設計提案業務 | 100 | 60 |
きんざい | 個人資産相談業務 | 50 | 30 |
個人資産相談業務 | 50 | 30 |
3級FP技能士の合格率は毎年70%前後
【FP3級合格率】
試験年月 | 学科試験(FP協会) | 実技試験(FP協会) | 学科試験(きんざい) | 実技試験(きんざい) |
---|
2022年1月 | 87.01% | 90.75% | 62.52% | 45.98% |
2021年1月 | 87.92% | 86.53% | 63.75% | 57.29% |
2020年1月 | 85.34% | 79.45% | 65.43% | 49.17% |
2019年1月 | 74.09% | 83.8% | 51.91% | 56.21% |
2018年1月 | 80.33% | 89.07% | 65.34% | 67.13% |
出典:日本FP協会 「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」
3級FP技能士の勉強時間
3級FP技能士の勉強時間は80~150時間といわれています。開きがありますがこれは予備知識があるかどうかや、勉強の得手不得手でかなり必要な時間が変わるためです。人によってはこれよりも短い時間でマスターしたり、長い時間かかったりするでしょう。
仮に合格に必要な勉強時間を80時間とすると、平日2時間、土日4時間勉強する前提では1カ月ほどで完了することができます。150時間の場合でも、2カ月ちょっとです。人にもよりますが、一般的にはこつこつと勉強すれば、3カ月もあれば合格の可能性はかなり高いといえるでしょう。
2級FP技能士資格の難易度は低め
2級FP技能士資格は実務に役立つレベルとされています。の2級FP技能士資格の難易度は3級よりも上がり、合格率も下がります。とはいえ、合格率は平均40%程度であり、他の国家資格と比較しても高い方といえます。
また、2級FP技能士の試験合格に必要な勉強時間は150~300時間程度といわれており、3級よりは時間がかかるとはいえ、国家資格試験の中では少ないといえるでしょう。(下図参照)
【各資格合格率】
資格 | 平均合格率 | 勉強時間の目安 |
---|
2級FP技能士 | 40% | 150~300時間 |
宅地建物取引士 | 15% | 200~300時間 |
行政書士 | 11% | 800~1,000時間 |
司法書士 | 4% | 3,000時間 |
3級同様、FP協会ときんざいの合格率をそれぞれみていきます。
【日本FP協会 2級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験 |
---|
2021年9月 | 50.56% | 60.26% |
2021年5月 | 55.61% | 66.67% |
2021年1月 | 44.02% | 71.01% |
【きんざい 2級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験(個人) | 実技試験(中小) | 実技試験(生保) | 実技試験(損保) |
---|
2021年9月 | 25.46% | 42.48% | 59.75% | 33.92% | 68.49% |
2021年5月 | 33.82% | 42.81% | – | 47.18% | – |
2021年1月 | 23.42% | 36.00% | 64.12% | 54.96% | – |
2級FP技能士の合格点
2級FP技能士に合格するには、3級と同様、学科と実技ともに60%の得点率が必要です。日本FP協会ときんざいで配点が異なるため、合格点は異なりますが、必要な得点率は同様です。
試験科目 | 実施団体 | 科目 | 配点 | 合格点 |
---|
学科 | 共通 | – | 60 | 36 |
実技 | 日本FP協会 | 資産設計提案業務 | 100 | 60 |
きんざい | 全て同様 | 50 | 30 |
2級FP技能士の合格率は40%前後
【FP2級合格率】
試験年月 | 学科試験(FP協会) | 実技試験(FP協会) | 学科試験(きんざい) | 実技試験(きんざい) |
---|
2022年1月 | 41.51% | 56.33% | 19.50% | 45.34% |
2021年1月 | 44.02% | 71.01% | 23.42% | 45.58% |
2020年1月 | 41.86% | 62.61% | 28.81% | 38.45% |
2019年1月 | 48.26% | 50.31% | 31.11% | 37.48% |
2018年1月 | 45.63% | 57.45% | 28.53% | 31.72% |
出典:日本FP協会 「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」
2級FP技能士の勉強時間
2級FP技能士の勉強時間は150~300時間といわれています。こちらも開きがありますが、予備知識があるかどうかや、勉強の得手不得手、そして独学なのかなどで時間が変わってきます。
仮に合格に必要な勉強時間250時間とすると、平日2時間、土日4時間勉強する前提では3~4カ月ほどで完了することができます。ただ、実際は勉強範囲も広く、途中でつまづくこともあることから、多くの方は半年近くの勉強期間を経たのちに合格しているようです。
1級FP技能士資格の難易度は高め
お金のプロフェッショナルである1級FP技能士資格の難易度は、2級よりも格段に上がり、合格率も他の一般的な資格よりも低いです。合格率は平均10%程度であり、他の難関国家資格と比較しても遜色ないレベルといえます。
1級FP技能士の試験合格に必要な勉強時間は2級の2倍といわれており、おおよそ600時間程度となります。改めて、他の国家資格と見比べてみても、その難易度が分かります。(下図参照)
【各資格合格率】
資格 | 平均合格率 | 勉強時間の目安 |
---|
1級FP技能士 | 10% | 600時間 |
宅地建物取引士 | 15% | 200~300時間 |
行政書士 | 11% | 800~1,000時間 |
司法書士 | 4% | 3,000時間 |
FP協会ときんざいの合格率をそれぞれみていきます。なお、学科試験はきんざいでのみ実施されます。
【日本FP協会 1級合格率】
試験年月 | 実技試験 |
---|
2021年9月 | 93.8% |
2020年9月 | 97.7% |
2019年9月 | 93.3% |
【きんざい 1級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験 |
---|
2021年9月・10月 | 13.03% | 85.16% |
2021年5月・6月 | 20.05% | 85.27% |
2021年1月・2月 | 9.95% | 88.49% |
1級FP技能士の合格点
1級FP技能士に合格するには、3級や2級と同様、学科と実技ともに60%の得点率が合格の基準です。日本FP協会ときんざいともに60%という基準は同じですが、配点は下記表を参照ください。
【1級FP技能士の配点と合格点】
試験科目 | 実施団体 | 配点 | 合格点 |
---|
学科 | きんざい | 200 | 120 |
実技 | 日本FP協会 | 100 | 60 |
きんざい | 200(※) | 120 |
※きんざいの実技試験は、100点満点のものが2回に分けて実施されます。
1級FP技能士の合格率は10%前後
【FP1級合格率】
※学科試験はきんざいのみ
試験年月 | 学科試験(きんざい) |
---|
2022年1月 | 6.67% |
2021年9月 | 13.03% |
2021年5月 | 20.05% |
2021年1月 | 9.95% |
2020年9月 | 15.01% |
試験年月 | 実技試験(FP協会) |
---|
2021年9月 | 93.8% |
2020年9月 | 97.7% |
2019年9月 | 93.0% |
試験年月 | 実技試験(きんざい) |
---|
2022年2月 | 85.88% |
2021年9月・10月 | 85.16% |
2021年6月 | 85.27% |
2021年2月 | 88.49% |
2020年9月・10月 | 86.34% |
1級FP技能士の勉強時間
1級FP技能士の勉強時間は600時間といわれています。2級までと比較すると販売されている教材が少なく、反対に出題範囲は広く、深いです。最新の法改正も押さえておかなければなりませんので、単に参考書を覚えるだけというわけにもいきません。
合格に必要な勉強時間600時間を、平日2時間、土日4時間勉強する前提で計算すると、半年以上はかかる計算になります。継続的に、また効果的に学習していく必要があるでしょう。
【民間資格】AFPとCFP®資格の難易度は高い?
民間資格であるAFPとCFPですが、その難易度はどうなっているのでしょうか。一般的にAFP資格の難易度は2級FP技能士と同様といわれています。また、CFP資格は1級FP技能士と同じくらいで、かなり難易度は高いです。
FP技能士と同様、難易度が高くなるほど試験合格に必要な勉強時間も多いといえます。
AFPの試験は日本FP協会ときんざいが実施していますが、CFPは日本FP協会のみとなっています。
なお、AFPやCFPには有効期限があります。AFPやCFPとして認定されたとしても、定期的に更新する必要がありますので注意しましょう。
AFP資格の難易度はFP技能士2級とほぼ同じ
AFP資格の難易度は2級FP技能士とほぼ同じといわれています。というのも、AFPになるには、まず2級FP技能士に合格し、その後AFP認定研修を受け、日本FP協会の資格認定館員に入会するというのが一般的な流れだからです。
AFP認定研修は落ちるようなものではありませんので、実質的に2級FP技能士の難易度がそのままAFP資格の難易度といえます。
2級FP技能士で説明した表を再度ご確認ください。ほかの国家資格と比較すると、難易度が低いといえます。
【各資格合格率】
資格 | 平均合格率 | 勉強時間の目安 |
---|
2級FP技能士 | 40% | 150~300時間 |
宅地建物取引士 | 15% | 200~300時間 |
行政書士 | 11% | 800~1,000時間 |
司法書士 | 4% | 3,000時間 |
【日本FP協会 2級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験 |
---|
2021年9月 | 50.56% | 60.26% |
2021年5月 | 55.61% | 66.67% |
2021年1月 | 44.02% | 71.01% |
【きんざい 2級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験(個人) | 実技試験(中小) | 実技試験(生保) | 実技試験(損保) |
---|
2021年9月 | 25.46% | 42.48% | 59.75% | 33.92% | 68.49% |
2021年5月 | 33.82% | 42.81% | – | 47.18% | – |
2021年1月 | 23.42% | 36.00% | 64.12% | 54.96% | – |
AFPの合格点
AFPの合格点は2級FP技能士と同様です。配点と合格点を確認してみましょう。
【2級FP技能士の配点と合格点】
試験科目 | 実施団体 | 科目 | 配点 | 合格点 |
---|
学科 | 共通 | – | 60 | 36 |
実技 | 日本FP協会 | 資産設計提案業務 | 100 | 60 |
きんざい | 全て同様 | 50 | 30 |
AFPの合格率は毎年40%前後
【FP2級の合格率】
試験年月 | 学科試験(FP協会) | 実技試験(FP協会) | 学科試験(きんざい) | 実技試験(きんざい) |
---|
2022年1月 | 41.51% | 56.33% | 19.50% | 45.34% |
2021年1月 | 44.02% | 71.01% | 23.42% | 45.58% |
2020年1月 | 41.86% | 62.61% | 28.81% | 38.45% |
2019年1月 | 48.26% | 50.31% | 31.11% | 37.48% |
2018年1月 | 45.63% | 57.45% | 28.53% | 31.72% |
出典:日本FP協会 「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」
AFPの勉強時間
AFPの勉強時間は、2級FP技能士と同様で150~300時間といわれています。決して一朝一夕で合格できる内容ではありませんが、税金や保険など、身近なテーマについて興味がある場合などは、のみ込みが早い場合もあるでしょう。
個人差はありますが、仮に合格に必要な勉強時間250時間とすると、平日2時間、土日4時間勉強する前提では3~4カ月ほどで完了することができます
CFP®資格の難易度は高い
ファイナンシャルプランナーのトップであるCFPの難易度は高いです。CFPになるには日本FP協会が実施しているCFP資格審査試験にて、6科目全てに合格する必要があります。一度に合格せずとも、1科目ずつ受験し、全てに合格すればCFPになることができます。
科目ごとの合格率は大体30~40%程度ですが、一括で合格している割合は10%前後とかなり低いです。
【各資格合格率】
資格 | 平均合格率 | 勉強時間の目安 |
---|
CFP | 10% | 500~600時間 |
宅地建物取引士 | 15% | 200~300時間 |
行政書士 | 11% | 800~1,000時間 |
司法書士 | 4% | 3,000時間 |
【日本FP協会 CFP合格率(2021年6月実施)】
科目 | 合格率 |
---|
金融資産運用設計 | 34.9% |
不動産設計 | 35.4% |
ライフプランニング・リタイアメントプランニング | 36.2% |
リスクと保険 | 38.3% |
タックスプランニング | 37.1% |
相続・事業承継設計 | 36.3% |
CFP®の合格点
CFP試験は科目ごとに行われ、合否が決まります。合格基準はFP3級・2級が配点の60%と決まっていたのとは異なり、非公表となっています。とはいえ、過去の傾向では100点満点中54点~66点の間に合格の基準が設定されているようです。
しかし、基準はあくまでも基準でしかなく、試験は相対評価です。少しでも高得点を得るために、しっかりと勉強しておきましょう。
CFP®の合格率は10%前後
【CFP合格率】
試験年月 | 金融資産運用設計 | 不動産設計 | ライフ・リタイア | リスクと保険 | タックスプランニング | 相続・事業承継設計 |
---|
2022年第1回 | 34.3% | 37.1% | 35.9% | 34.8% | 36.0% | 39.8% |
2021年第2回 | 37.0% | 35.4% | 38.3% | 41.0% | 37.5% | 35.0% |
2021年第1回 | 34.9% | 35.4% | 36.2% | 38.3% | 37.1% | 36.3% |
2020年第2回 | 35.4% | 37.6% | 39.3% | 37.5% | 37.0% | 41.3% |
※2020年第1回は、新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み中止
出典:日本FP協会 「CFP®資格審査試験 試験結果データ」
CFP®の勉強時間
CFPの勉強時間は1級FP技能士と同様といわれています。大体600時間を目安とすればよいでしょう。6科目ありますが、それぞれ80~120時間程度かかるようです。もちろん、科目や個人によってかなりばらつきが生じる実態もあります。
また、これまで見てきたように合格に必要な勉強時間600時間を、平日2時間、土日4時間勉強する前提で計算してみると、半年以上はかかります。内容も難しいため、半年にこだわらずに、ある程度長期的な観点で計画を立てるとよいでしょう。
とはいえ、各科目に分かれているとはいえ、関連する税制などのつながりも少なからずあります。そして税制は毎年変わります。科目ごとに期間が空くと、また一から勉強という形になりますので、可能な限り一度で合格を目指す方が、トータルの勉強時間は少なく済むでしょう。
ファイナンシャルプランナー資格取得のための勉強方法
ファイナンシャルプランナー資格取得に向けた勉強方法としては、主に独学と通信講座が挙げられます。独学の場合は出費を抑えられる点が、通信講座の場合は効率的に勉強できる点がメリットです。
それではそれぞれみていきましょう。
独学で勉強する
2級・3級FP技能士は難易度が高くないため、独学でも十分に合格を目指すことができます。独学の場合、市販されている参考書を購入し、それを中心に学習することが基本的な流れです。
自身でしっかりと計画を立て、毎日コツコツと勉強することができる人は、独学で合格を狙うこともそれほど難しくはないでしょう。
また、出費としては参考書代のみですので、かかる費用を抑えられることも嬉しいポイントです。
一方、継続して勉強することが苦手な人もいます。参考書を購入したことに満足し、結局ほとんど手つかずで放置してしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。そういういう方は、次で説明する通信講座の方が学習しやすいかもしれません。
通信講座で勉強する
お金は独学よりもかかるものの、効率的に合格に向けて学習できるのが通信講座です。通信講座であれば、あらかじめ学習のスケジュールを設定してくれていることが多いため、スケジュール通りに勉強することで合格に近づくことができます。
昨今は本を読むだけではなく、スマホやタブレットでどこでも勉強できる仕組みが整っています。外出中や移動中の空き時間も上手く活用できるのは嬉しい点でしょう。
自分一人で勉強の計画を立てるのが苦手な方や、最短で合格したい方にはおすすめといえます。
また、2級FP技能士の受験資格には3級FP技能士の合格や2年以上の実務経験が必要ですが、日本FP協会の認定教育期間の通信講座を受講すれば、受験資格を得ることができます。3級を経てから2級を取得したいと考えている方は指定の通信教育を受講することで、最短で資格取得を狙えるでしょう。
おすすめのFP講座3選
| フォーサイト | アガルート | スタディング |
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会社名 | 株式会社フォーサイト | 株式会社アガルート | KIYOラーニング株式会社 |
特徴 | ・全国平均合格率の1.96倍 ・たった2カ月で合格 ・楽しく学べるフルカラーテキスト | ・講師が出題傾向を分析し、注力すべき分野や知識を洗い出し、反映させたテキスト ・見やすく、わかりやすいレイアウトでテキスト作成 | ・身に付きやすい映像授業 ・1回の講義がコンパクト ・過去問から頻出問題をセレクト |
コース/料金 | 2023年1月試験対策(2級基礎+過去問・2級FP技能士+AFP)+3級対策:69,800円 | FP技能検定試験2022年9月~2023年5月試験合格目標2級3級合格講座:65,780円 | ・2022年5月~2023年1月試験対応版一括:31,900円 ・FP2級合格コース:29,700円 ・FP3級合格コース:4,950円 |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
まとめ
ファイナンシャルプランナー資格は、普段の生活はもちろん就職や転職、上位資格であれば独立できる可能性も広がります。
資格実施機関が二つあり、またFP技能士とAFP/CFPの違いに混乱することもあるかもしれませんが、しっかりと理解した上で、自分に合った資格を選びましょう。
国家資格であるFP技能士も、民間資格であるAFP/CFPも、区分によって難易度がかなり異なります。難易度が上がるほど、また更新が必要なAFP/CFPの方が顧客からの信頼は得やすいですが、反面手間や費用がかかります。
学習する時には資格取得の目的や今後の自身のキャリアプランなどを考慮し、適切なものを選びましょう。