文房具好きにはたまらない。銀ブラしながらお気に入りを探そう

  • ショッピング
  • 有楽町・日比谷
  • 銀座
  • 銀座一丁目駅
  • 銀座駅
文房具好きにはたまらない。銀ブラしながらお気に入りを探そう

\ この記事を書いた人 /

日野京子のプロフィール画像

日野京子

エデュケーショナルライター

ライターページへ

暑さもひと段落し、気分も持ち物もリフレッシュしたくなる季節。身の回りで使う新しいお気に入りを、手に取って選んでみるのはいかがでしょうか?流行の最先端発信地、銀座には、極上で一味違う文房具や画材を扱うお店があるんです。エデュケーショナルライターの日野京子さんが解説します。

ようやく暑さもひと段落し、秋の気配を感じる季節になりました。学校生活では夏休みも終わり新学期もスタート。そんな学校生活で欠かせないアイテムと言えば文房具です。

普段使いから高級品まで様々な商品が世に送り出されていますが、色々な分野の老舗が集まる東京銀座には文房具好きの聖地や老舗画材店など商品を見るだけでも楽しい専門店が集まっています。

今回は、初秋の銀座で「銀ブラ」をして大人はもちろんのこと、子どもも「普段使っている文房具」とはまた違う文房具の世界の奥深さを体感できる、お店をご紹介していきます。

銀座はいつも別格の街(画像:photoAC)



東京の中でも別格の銀座

都内に数多くある観光地、繁華街の中でも別格の街なのが「銀座」です。

江戸時代の銀貨鋳造所である銀座役所がそのまま地名として残り、現在に至ります。地方にも銀座を冠した商店街や通りは存在し、マクドナルドを始めとする海外企業の日本進出一号店の場にも選ばれるなど全国屈指の影響力を持つエリアです。

そんな銀座の歴史を振り返ると、明治維新だけでなく1872(明治5)年に発生した銀座大火を契機に政府によりレンガ作りの西洋的な街並みの都市に大変身を遂げました。

そして交通の要でもある東海道に面しているという条件も重なり、関東大震災や戦争という苦難を乗り越えて老舗や高級ブランドそして話題のショップがひしめき合う伝統ある流行発信地として君臨しています。

歴史と伝統に彩られた店の数々 

最先端のお店だけでなく、創業が江戸時代や明治、そして大正と100年以上の歴史を持つお店が普通に街に溶け込んでいるのも銀座の特徴といえます。

新旧が融合する銀座で立ち寄りたい老舗はさまざまなジャンルでありますが、子どもも使用する文房具類では3店舗あります。

江戸時代から受け継がれる老舗「東京鳩居堂」

銀座らしいレンガ造りの建物、正面にはシンボルマークである「二羽の鳩」が描かれた白いタイルがはめ込まれている気品漂う「東京鳩居堂」は、書道道具や日本画で使用する絵の具である顔彩、お線香や匂い袋や和風便箋など日本の伝統的な文房具品が並ぶお店です。

地下1階地上9階建てのビルのうち1階と2階が東京鳩居堂になります。

銀座四丁目の交差点からすぐの鳩居堂銀座本店(画像:photoAC)

四代将軍・家綱の時代、寛文3(1663)年に京都で創業し、来年創業360年を迎える老舗。明治維新により京都から東京へと皇族ならびに公家が移動したのに伴い東京にも出店。それが現在の東京鳩居堂になります。

銀座のシンボルマークでもある「セイコーハウス銀座 時計塔」(旧和光本館)からほど近く、道に迷わずにたどりやすい好立地の場所にあります。

お香や美しい便箋や和紙や文房具はお土産としても喜ばれますし、自分用に購入して手軽に伝統文化を感じみやびな心を育むことができます。

明治期から西洋文具を取り扱う「伊東屋」

明治に入ると東京都心は西洋文化が急速に浸透していきました。文房具の世界でも万年筆のような「西洋筆記具」を取り扱う文具店が登場。銀座発祥の文具店「伊東屋」は「和漢洋文房具店伊東屋」の名で1904(明治37)年に開店しました。

当初は、現在の松屋銀座に隣接する銀座3丁目で営むも、関東大震災で店舗が被災。出店していた丸ビル内で営業再開をしつつ、7年後の1930(昭和5)年に地下2階地上8階建ての絢爛(けんらん)豪華なビルに装いを改めて「新伊東屋」がスタートしました。

しかし、戦争により焼失。戦後は銀座2丁目に移転し現在もその地で営業を続けています。

2015年に新ビル竣工をし、それまで沢山の文房具品がひしめき合うような店内が有名でしたが、リニューアルオープンを契機にイメージがガラリと変わりました。

お気に入りの文具を見つけたい(画像:jetsetter 株式会社プレスリリースより)

創業当時から変わらぬ欧米の筆記具や文房具の充実はもちろんのこと、オリジナル商品の開発やスタイリッシュな陳列とセレクトショップのような空間へと生まれ変わりました。

親にとっては「自分の青春時代の伊東屋とは全く違うお店」ですが、子ども世代にとっては「これが銀座の伊東屋」と色々な意味で世代間ギャップも楽しめます。

自社生産を貫く画材店

歌人与謝野晶子筆の「月光荘」とホルンのマークが印象的な、銀座8丁目に店を構える「月光荘」は自社工場での絵の具の生産そしてオリジナル商品のみを取り扱う画材店です。

創業は1917(大正6)年ですが、最初は現在の新宿区で創業しました。銀座に店を構えるようになったのは戦後です。戦災により新宿のお店が跡形もなくなり、再起の場所として1948(昭和23)年に中央区立泰明小学校前から再スタート。

日本で絵の具を初生産した月光荘(イメージ画像:photoAC)

月光荘を語る上で欠かせないのがコバルトブルーの開発です。戦前、舶来品に頼るしかなかった絵の具を国内で生産することに成功し、戦後もチタンホワイトをはじめ「自社生産」を貫き、その意志は脈々と引き継がれています。

店舗は銀座界隈での移転をしつつ銀座8丁目の地に落ち着いたのが2006(平成18)年です。現在の店舗のすぐ近くには「資生堂パーラー銀座本店」が入る「東京銀座資生堂ビル」もあり、銀座らしい雰囲気が漂います。

絵の具やスケッチブックだけでなく、鉛筆削りや消しゴム、便箋や封筒などの商品も揃そろえています。絵心がなくとも、豊富な画材を目の前にすると「何か描きたい」と思わずにはいられなくなるお店です。

文具品や画材は思い思いの秋を充実させる

子どもだけでなく大人も文具品や画材に何かしらの思い出があります。インターネットで何でも手に入る時代になりましたが、足を運んでみて品定めをする楽しみは捨てがたいものがあります。

過ごしやすい季節を迎え、銀座の街に点在する文房具店や画材店を訪ねてみて「最近全く書いていない手紙を書いてみよう」「ちょっとしたイラストを描いてみたい」と自分の時間を充実させてみてはいかがでしょうか。

充実した時間を過ごそう(イメージ画像:photoAC)

■東京鳩居堂
住所:東京都中央区銀座5-7-4
電話:TEL 03-3571-4429
アクセス:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線 銀座駅より徒歩1分

■銀座伊東屋本店
住所:東京都中央区銀座2-7-15
電話:03-3561-8311
アクセス:東京メトロ有楽町線 銀座1丁目駅より徒歩1分

■月光荘
住所:東京都中央区銀座8-7-2 永寿ビル1F・B1F
電話:03-3572-5605
アクセス:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線 銀座駅より徒歩5分

関連記事