来年は新作映画&ホテル開業! 日本人が『トイ・ストーリー』を大好きな納得の理由とは

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来年は新作映画&ホテル開業! 日本人が『トイ・ストーリー』を大好きな納得の理由とは

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山本久留美

アウトドア&お出かけライター

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ディズニー配給・ピクサー制作のアニメ映画『トイ・ストーリー』。日本にも数多くのファンがいて、その人気は衰え知らずです。なぜ日本人はトイ・ストーリーが好きなのか? 同作の最新情報と併せて紹介します。

都内にショップ続々、新刊本も

 ディズニー配給・ピクサー制作のアニメ映画『トイ・ストーリー』。公開から25年を超えて今も愛され続ける名作です。

 2021年には、JR東京駅(千代田区丸の内)構内や京王百貨店新宿店(新宿区西新宿)など東京都内で期間限定ショップが出店されたほか、小学館ジュニア文庫から新刊本も発売されて、その人気は衰え知らず。

2021年に発売された、小学館ジュニア文庫の単行本『トイ・ストーリー』(画像:小学館、版元ドットコム)



 そして、きたる2022年はその勢いがさらに加速することが予想されます。そう、2022年は、ファンにとってはたまらない“トイ・ストーリー・イヤー”なのです。

 同年7月にはトイ・ストーリーのスピンオフ映画『バズ・ライトイヤー(邦題)』が全国公開の予定。また、それに先立ち4月には、東京ディズニーリゾートにトイ・ストーリーホテルが開業します。

 さて、そんなトイ・ストーリーには、日本人だからこそ心打たれるような要素がいくつも隠されています。今回は同作関連の直近動向を紹介するとともに、その魅力に迫っていきます。

待望の新作映画、ストーリーは?

 1995(平成7)年に公開された『トイ・ストーリー』は、世界初の劇場向け長編CGアニメとして大きな注目を浴びました。物語の中心となるのは、カウボーイのウッディと、そのライバルであり親友として登場するバズ・ライトイヤー。

2021年は、JR東京駅構内などにトイ・ストーリーの期間限定ショップが出店(画像:写真AC)



 バズは自分がおもちゃではなく、スペースレンジャーだと信じていたことから、さまざまなトラブルを巻き起こします。

 今回3年ぶりのシリーズ新作は、バズのモデルとなったスペースレンジャーのストーリー。

 本作の予告編は公開後24時間で8300万回以上再生されるほどの反響を集めました。世界中で多くのファンが期待していることがうかがい知れます。

 スペースレンジャーになるまでのバズ・ライトイヤーを描かれていて、おもちゃのバズのモデルとなった人物のストーリー。本作のバズは、おもちゃのバズと比べてもキリッとしてかっこいいのが特徴です。

 シリーズから独立した内容なので、本編を見ていない人も楽しめるはず。

来春オープン、世界観に浸れるホテル

 映画の公開を祝うかのように、一足先に東京ディズニーリゾートにて「トイ・ストーリーホテル」が2022年4月に開業します。

 本ホテルはデラックスタイプとバリュータイプの中間の「モデレートタイプ」で、シンプルなサービスのため、お得な宿泊費で泊まれるとのことです。

 ブロックで組み立てたようなホテルの外観、天井にはすごろく・壁にはゴーカートのイラストと遊び心いっぱい。客室は、本編でおもちゃの持ち主として登場する「アンディ」の部屋がイメージされており、まるで映画の中に入ったような気持ちになれるのだそう。

日本人こそ感情移入する、物語の秘密

 トイ・ストーリーは、日本人にこそ響きやすい点があると筆者は考えます。

 トイ・ストーリーに登場する、自由に動き回り、鋭く持ち主の感情を読むおもちゃたちには、まさに魂が宿っています。

 日本では元来「万物に神が宿る」とされており、ものを長く大切に扱うことが良いとされる文化がありました。子どもの頃「ものを大切に使いなさい」と保護者から言われて育った記憶は多くの人に共通してあるものでしょう。

「断捨離」という言葉が2010年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされて以降、モノを捨て去ることはある種の英断として評価されてきましたが、モノの少輔に関してはまた違った一面があるとも考えられます。

 長く大切にものを扱い、ものと心を通わせる。そんな美学が、日本には古くからあります。

 トイ・ストーリーのおもちゃたちは、人間の前では動きませんが、必死に持ち主のそばにいようと試みます。そんなおもちゃたちの姿に、日本人が昔から大切にしてきた「ものを大切にしよう」と思う価値観が重なるかもしれません。

ストーリーの中に「日本」も登場!

 同作ファンの皆さんはすでにご存じかと思いますが、実は『トイ・ストーリー2』では、ウッディたちおもちゃは日本へ来るギリギリのところまで行くのです!

 作中で、ウッディを盗んだおもちゃ屋のアルおじさんは、「日本の小西博物館」という場所に商談を持ちかけます。小西博物館のスタッフは大喜びでウッディたちを買い取ると言い、アルは急いで日本に向かう準備を始めるのでした。

 結果、ウッディたちは危機を逃れるのですが、作中の重要シーンに日本が登場したことをうれしく感じたファンも多かったはず。

 この小西博物館は、ピクサーを創業から支える日本人スタッフ、小西園子さんの名前に由来しているそうです。そして、モデルは横浜にある「ブリキのおもちゃ博物館」だったそうです。

 実は、「ブリキのおもちゃ博物館」はトイ・ストーリー誕生の地でもあります。同作のジョン・ラセター監督は来日時にブリキのおもちゃ博物館を訪ね、生き生きしたおもちゃの姿を見て、トイ・ストーリーのアイデアを得たのだそう。

 ブリキのおもちゃ博物館には、バズのモデルになったおもちゃも飾られています。

 同館館長の北原照久さんのモットーは「物を大切にすること」。北原さんの思いが、トイ・ストーリーにも反映されているのが感じられます。

 ピクサーを支える小西さんの存在やブリキのおもちゃ博物館がトイ・ストーリー着想の地となったことも、私たち日本人がトイ・ストーリーに親しみを感じる理由のひとつなのかもしれません。

2022年トイ・ストーリーイヤーを楽しもう!

 今回はトイ・ストーリーの新作とホテル、その魅力を紹介しました。

 トイ・ストーリーは、日本人だからこそできる見方があります。またシリーズ2作目では、ウッディが日本のおもちゃ博物館に送られそうになったりと、日本との縁も非常に深い作品です。

 2022年のトイ・ストーリーイヤーを楽しむため、ぜひ今のうちにシリーズを復習しておきましょう!

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