足の踏み場もない室内に絶句! 極度の「コレクター気質」な恋人に、30代女性が放った一言とは

本やレコード、ホビー用品、漫画など、ひとつのものを部屋いっぱいに集めて喜びを感じる「コレクター」の人々。もし自分の恋人が極度のコレクターだったら、あなたはどうしますか? 都内に住む30代の女性がインタビューに答え、自身の体験を明かしました。


変化し続ける「理想の男性像」

 モテる男性のタイプというものは、時代とともに変化をし続けているようです。

 バブル経済の全盛期だった80年代後半から90年代初めには、高収入・高学歴・高身長の「3高」が持てはやされ、一方、バブル崩壊やリーマンショック(2008年)をへた2010年代には「4低」男性がフィーチャーされました。

 女性に対して決していばらず低姿勢、家事や育児を分担できる低依存、堅実な勤め先と仕事ぶりで失職の心配が少ない低リスク、趣味などで浪費をしない低燃費――。バブル時代とは真逆とも言える理想の男性像が浮かび上がりました。

等身大を求める現代女性たち

 令和を迎えた2021年現在はどうでしょうか。同年に実施された独身女性が対象のアンケート調査によると、

「趣味など没頭できるものを持っている」(31.7%)
「料理好きでマメに自炊する」(30.1%)

といった特徴を持つ男性が支持される傾向に。好感を持てる男性の趣味については、

・読書(11.7%)
・キャンプなどのアウトドア(9.2%)
・料理(8.5%)

が上位に入りました。

「高級品を所有することをステータスと考える男性より、庶民的でも一緒にいて安心できる人がいい」(30代女性)といった自由回答も寄せられていることなどから、肩ひじを張らない“等身大”の相手を探し求めている現代女性たちの価値観をうかがい知ることができます。

※参照:ウェブメディア「マッチングアプリ大学」が2021年2月~3月、20~40代の独身女性445人に対して実施したインターネット調査の結果

理想の恋人……のはずだった

 決して派手過ぎず、地に足が着いていて、読書などの趣味を持っている男性。

 前述の調査結果に照らせば、C子さん(31歳)の恋人は現代においてごく理想的な男性と言えるのかもしれません。

 しかしC子さんは相手のある特性に頭を悩ませることになります。それは、彼が暮らすひとり暮らしの部屋に足の踏み場もないほどため込まれた、本・CD・レコードのコレクションでした。

C子さんががくぜんとした、恋人の男性の室内(画像:C子さん提供)



※ ※ ※

 今回、インタビューに答えてくれたC子さんは、東京23区在住・在勤。友人の紹介で知り合った5歳年上の恋人がいます。

 お互い職場が別々のため、毎週末土日のどちらかに会う約束を重ねてきました。新型コロナ禍ではありますが、幸い、ふたりの住まいは隣接する区同士。電車で数駅の距離にあります。

 感染対策のため遠くへは出掛けず、近所の広い公園を散歩したり、C子さんのマンションで一緒に料理を作ったりと、穏やかな日々を過ごしてきました。

 交際1年余り。順調に関係を築いていましたが、C子さんには気に掛かることがありました。まだ1度も相手の家に招いてもらったことがなかったのです。

 彼は、社会人になったのを機に借りたマンションで約15年間ひとり暮らしをしていると話していました。実直で、裏表のない性格。自分のほかにも交際女性がいるとか、実は既婚者だった、なんてことは考えにくいと思ってはいました。しかし、

「一度くらいあなたの部屋にもお邪魔してみたい」

とC子さんが申し出ても、いつも何となくはぐらかされてしまうのでした。

「来てもいいけど、驚かないで」

「読書や音楽が好きで、本やCD、レコードを昔から集めている」
「休日には街歩きをして、神田・神保町のような古書店街によく出掛ける」

 彼は自分の趣味をそう語っていました。

 たしかにC子さんの部屋で一緒にテレビを見ているとき、70~80年代のヒット曲が流れると、当時の時代背景やアーティストの経歴などを得意そうに話して聞かせてくれました。書籍も、新刊から絶版になったものまで常に細かくチェックしているようでした。

本を読む男性のイメージ(画像:写真AC)



 彼の「コレクター癖」が明らかになったのは、コロナ禍で迎えた2度目の春。そろそろ結婚について考えようかという話が出た際に、C子さんが

「結婚を考えるのなら、その前に部屋を訪ねたい。どのようなところで暮らしていて、どんな生活をしているのか先に知りたい」

と切り出したのがきっかけでした。

「もちろん構わない。でも、部屋にたくさんモノがあるから、できれば驚かないでほしい」
「もう何年も人を招いていない」

 彼が初めてOKを出したため、さっそく次の週末に来訪を約束。彼の住む駅の改札前で昼前に待ち合わせをし、徒歩5分ほどのところにある4階建てのマンションへ、ふたりで向かいました。

 新卒のときに賃貸契約したため、当時の給料に見合う家賃7万円ちょっとのワンルーム。広さはおよそ20平方メートル。30代後半の会社員男性が都内で暮らす部屋としては、どちらかといえば質素だという印象をC子さんは抱いていました。

文字通り“足の踏み場のない”室内

 15年の間に、なぜ途中で引っ越しを考えなかったのだろう――? そんな素朴な疑問は、マンションに到着して部屋のドアを開けた瞬間、一気に氷解しました。

 床じゅう、足の踏み場もないほどに積み上げられた本、本、本の山。ベランダに続く掃き出し窓以外の3辺の壁を埋め尽くす、レコードとCDの数々。

 本は、160cm弱のC子さんの腰ほどの高さにまで重ねて置かれ、それでも足りずに小さなキッチンのひと口コンロの上にも侵食しています。

 部屋の中央には、本の置かれていない床面が細い通路のように確保されていて、窓際のベッドまでたどり着けるようになっているものの、そこ以外は文字通り床面が一切見えない状態です。

 C子さんは、想像もしなかった光景にしばらくぼうぜんとしてしまったといいます。

数千冊の本、1万枚以上のCD・レコード

 本は数千冊以上あると思う、と彼は言いました。レコードは5000枚単位、CDはそれ以上。中学時代からコツコツ集めてきたものなのだと、どこか申し訳なさそうに話してくれました。

レコードのイメージ(画像:写真AC)



 その全てにきっと愛着があるのだろうと、彼に対する共感を示そうとする半面、C子さんは、うず高く積まれた本の山の一番下にある1冊など、もはや取り出して読むことは不可能ではないかと思いました。

 CDだって、レコードだって。平日の日中は仕事へ出ているのだから、自分で自由にできる在宅時間はおよそ12時間。そのうち7時間を睡眠としたら残りは5時間。テレビも見るしスマートフォンでSNSも見るのだから、音楽を再生して聴く時間は限られている。

 この室内にある本やCDやレコードはすでに、彼の残りの人生で読み切れない・聴き切れないほどの量になっているのではないかと感じていました。

「所有」そのものに感じる喜び

 コレクターと呼ばれる人たちがいます。骨とう品やホビー用品、漫画、切手、本、レコードなどをいくつも収集する趣味を持つ人たちのことです。

 彼ら・彼女たちは、集めた本やレコードを実際に読んだり聴いたりはもちろんする一方、そうした実用的目的を超えて「所有」することそのものに喜びや価値を見いだしている、といった傾向があるとされています。

 C子さんもその存在自体は把握はしていました。しかし、この状況はさすがに度を越しているのではないか――。

 何も言えずにいるC子さんに、彼の方が切り出しました。

「いずれは整理しなくてはと思っていたんだけど、なかなかきっかけがないままこんなに増えていってしまって。何年か前に交際した女性も、結局この部屋には呼べずじまいだった。でも今度こそ本気で片付けようと思っているんだ」

コレクションへの「落とし前」

 C子さんは提案しました。結婚をどうするか考えるためにも、まずは一緒に新しく部屋を借りて住みませんか? と。

 ちょうどC子さんの賃貸マンションは2か月後に契約更新が迫っています。今もどうせ近い場所に住んでいるのだから、一緒に暮らした方が家賃や光熱費も抑えられてメリットが大きいはずだ、と。

 彼も承諾し、翌々週には不動産賃貸会社へふたりで訪れ、その日のうちに引っ越す部屋を決めてしまったと言います。

 そこから彼はものすごい勢いで自分の部屋を片付け始めました。引っ越し先は、45平方メートルほどの2DK。本もレコードもCDも、少なくとも現状の半分以下にしなければとてもではないけれど新居に収まり切りません。

 手伝おうか、とC子さんが声を掛けるも、「自分でためてきたものだから、自分で“落とし前”を付けたい」と言って、黙々と彼は古書を束ねて縛り続けていました。

「もう二度とため込まない」と彼は言った

 結局C子さんの方が早く新居に入居し、1か月ほど遅れて彼が引っ越してきました。コレクションは来訪時の5分の1ほどにまで減らしていました。

「覚悟はしていたけど、片付けは本当に大変で地獄を見たよ。もう二度とため込まないし、今のこの部屋に収まる数を上限にしようと思っている」

 2DKのひと部屋ずつを自室に割り当てた新居で、背丈より高い本棚を新調してそこにえりすぐりのコレクションを並べた彼は、どこかホッとした様子でC子さんにそう語ったと言います。

 ただ、本やレコードを買い集める趣味は今も変わっていません。コロナ禍で外出が難しい今は、ネット通販を活用してレアな古書を探し求めているそうです。

「もちろん読んでもいるようですが、やはり本に囲まれた空間そのものが好きで、そこにいると落ち着くみたいですね。今のところ部屋に収まっているし、これ以上どうこうは言えないから、相手の趣味として尊重したいと思っています」とC子さん。

 最近では、

「もしモノが増え過ぎてしまったら、買い取りサービスを依頼すれば自宅まで来て段ボールに詰めて持っていってくれることが分かったから、うまく活用しようと思うよ。あの地獄の引っ越し作業で得た貴重な知見だね」

とうれしそうに話しているのだそう。

一緒に暮らしてみて分かったこと

 一緒に暮らしてみての感想を尋ねたところ、C子さんは、

「“他人”と暮らすってどんな感じだろうと思っていましたが、思ったよりストレスは少なくて快適に過ごせています。ケンカは多少しますけどね。結婚してもいいね、とか、このまま同居でも十分楽しいね、とかふたりで話しているところです」。

 お相手の男性にとって、C子さんとの交際は現状を変える良いきっかけにもなったようです。旺盛な知識欲はそのまま、ちょうどいいキャパシティーをふたり暮らしによって見つけ出したのでしょう。

 後から考えれば、あの来訪の日に彼が言った「今度こそ本気で片付けようと思っている」という言葉は、C子さんに対する彼なりの最大の“プロポーズ”だったのかもしれません。

※記事の内容は、関係者のプライバシーに配慮し一部編集、加工しています。


【画像】絶句……実際の部屋(5枚)

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