今どき女子がハマる「あざとい系ファッション」 異性ウケを狙ってるワケじゃないって、本当?
人気バラエティー番組のタイトルにも、人気アイドルグループの楽曲タイトルにも。今やすっかり市民権を得た、肯定的な意味での「あざとい」という単語。今どきの若者たちは、なぜ「あざといファッション」を支持しているのでしょうか。「かわいい!」と言わずにはいられない 人気バラエティー番組のタイトルにも、人気アイドルグループの楽曲タイトルにも。今やすっかり市民権を得た、肯定的な意味での「あざとい」という単語。今どきの若者たちは、なぜ「あざといファッション」を支持しているのでしょうか。(構成:ULM編集部) ※ ※ ※ 「あざとい系女子」という言葉をご存じでしょうか。あざとい、のもともとの意味は「ずうずうしく抜け目がない」「小利口」など(デジタル大辞泉)。 しかし現代では「自分でカワイイということを分かっていて、周囲の心をくすぐるような振る舞いをすること」といったニュアンスで使用されています。少し前の言葉で言うなら「ぶりっ子」もほぼ近い意味だったでしょうか。 「あざとい系女子」、その特徴とは?(画像:写真AC) インスタグラムでも「#あざとい」とハッシュタグを付けた投稿は、自撮りを中心に約12.8万件、「#あざとい系女子」も5.5万件を超えており、注目を集めているワードであることがあらためて分かります。 ちなみに「#あざとい」投稿で、人間の女性たちの次に多いのは猫や犬などペットの画像。思わず「かわいい!」と言わずにいられない対象のことを「あざとい」と称していることが分かります。 最近ではテレビ朝日アナウンサーの弘中綾香さんとタレントの田中みな実さんが出演するバラエティー番組『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)もあり、世間の声を“代弁”しています。 番組放送時はツイッターでトレンド入りするなど、注目度は抜群。公式テレビポータルTVerでは、アイドルグループSexyZoneの中島健人がゲスト出演した放送回が約40万回再生をマークするなど、バラエティーでは異例の実績をおさめています。 「異性に媚(こ)びている」など悪い意味にもとらえられがちな「あざとい系女子」ですが、実態は意外にも女性にウケており、なかでも「あざとい系コーデ」といわれるファッションをオープンに支持する若い女性も多数。 かわいさ追求、むしろ「清々しい」かわいさ追求、むしろ「清々しい」 東京ではどのような「あざとい系ファッション」が見られるのでしょうか。 あざとい系女子から大人気のブランド代表格のひとつは「SNIDEL(スナイデル)」。新宿、渋谷、池袋、有楽町、二子玉川、立川、町田と、都内の主要エリアに計10店舗を構えています。 2019年11月22日(金)、リニューアルオープンした日の渋谷パルコ(画像:ULM編集部) SNIDELが展開するアイテムは毎回反響が大きく、そのブランド名を知らない人でも、都内で見かけたカワイイ系ファッションの女性が着ていたワンピースがSNIDELのものだった、なんてことは間々あるはず。 女性らしい淡めの色使い、ボディーラインをほどよく拾うシルエットのアンニュイさ、フワッと広がるフレアのスカート、お嬢さまのような清楚なワンピース。 分かりやすくかわいらしさを追求しに行くスタイルは「逆に清々しい」という意見もあるように、最近では好感を持たれている「あざとい系女子」。ここまで人気を博している理由を探ると、結局のところ「シンプルにあざとい系コーデがかわいいから」という点に行き着くようです。 では具体的には、どのようなコーデが「あざとい系」とされているのでしょうか。具体的なキーワードを挙げて紹介します。 「ちょいダボ」や「肌見せ」って何?「ちょいダボ」や「肌見せ」って何?「あざとい系コーデ」のなかで今、王道とされているスタイルが「ちょいダボ」と「肌見せ」のふたつです。 「ちょいダボ」とは、少しオーバーサイズの服を着用したスタイルのこと。大きめを着ることで女性らしい華奢(きゃしゃ)さ、小柄さを強調され、かわいらしさが際立つコーデです。 人気ブランドSNIDELのウェブ企画。タイトルは「“ドキッとさせる”魅せニット」(画像:マッシュホールディングス) 袖丈も長めのため、手の甲辺りから指先まで隠れるのもポイント。ちょっと不器用そうな印象を与えることで、見る者の庇護欲をくすぐるのでしょうか。「萌え袖」という呼び名も浸透していますが、これは女性だけでなく若い男性でも取り入れているのを見掛けます。 この「ちょいダボ」もまさに王道スタイルですが、やはりあざとい系のコーデは「王道であることが良し」とされるようです。 例えばファッション雑誌『CLASSY.(クラッシィ)』(光文社)モデルの石井里奈さんが「#あざとい系女子」というタグを付けてインスタに投稿した ちょいダボなコーデには、3000件以上の「いいね!」が寄せられました。 ダボッとしたニットにあえてショートパンツを合わせ、あざといだけでなくおしゃれで垢抜けた印象になるこのスタイルは、ついつい真似したくなってしまうコーディネートには、「大人かわい過ぎます!」とファンたちから称賛のコメントが相次ぎました。 やり過ぎないバランス感覚が大事やり過ぎないバランス感覚が大事 ほかにも、あざとい系の王道として「肌見せ」している女性が多いことが分かります。 インスタでは「#肌見せ」のハッシュタグ投稿が2.3万件超え、その他「#肩出し」も2.2万件を超えています。 『美人百花』2021年6月号に登場した田中みな実さん。メガネで演出できる、小顔見せ・知的見せ・優しさ見せといったパターン別のあざとテクを伝授(画像:OWNDAYS) 肩出しとは肩の部分に穴が空いていたり、デコルテから肩の部分まで露出しているスタイルのこと。 「露出している」と言うと少し抵抗がある人もいるかもしれませんが、どの女性もちょうど良さを追求したバランス感覚を擁しているようで、皆、やり過ぎていないヘルシーな印象です。 目指すは、どちらかといえば女性ウケ? こういった「あざとい系コーデ」を調査していて興味深いのは、異性ウケを狙っているというよりも、女性同士でカワイイファッションを披露し合い、互いにほめ合い、高め合っているように見える点。 異性の前での「あざとい系コーデ」は「やり過ぎなのでは」と感じる女性も少なくないようで、SNSでは女子会のような友人同士が集まる場面や、仲間同士でフォローし合っているアカウントに自撮り画像を投稿するユーザーが多いよう。 インスタなどを見てみると「あざとい系コーデ」を投稿している女性たちは確かにかわいらしく、異性でなくてもときめいてしまいます。 昨今、男性だけでなく女性にも、女性アイドルを強く推す(ファンになり応援する)傾向が顕著ですが、ファッションやメイクによってかわいらしい外見をつくり、自他ともにめで合う振る舞いというのは、画像投稿がメインのSNSが生み出した現代ならではの「カワイイ」の楽しみ方と言えるかもしれません。 「参考になります!」がほめ言葉「参考になります!」がほめ言葉 SNSのコメント欄を見てみると、男性からのコメントよりも、女性たちからの「かわいすぎる(ハート)」「参考になります!」「○○さんみたいになりたい」といったコメントが多いのも特徴。 カワイイの1ジャンルである「あざとい」は、現代において特に女性から支持されるスタイルであることがうかがい知れます。 少し前までは女子に嫌われている印象のある「あざとい系」でしたが、逆にあこがれる女性は確実に増えている様子。 SNSの発達は、自身の”魅せ方”を研究し上達する女性たちを増やす後押しともなりました。今後も人気を集めていくであろう「あざとい系コーデ」、男性のみならず多くの女性たちをも引き続きとりこにしていくのでしょう。
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