専門店・商業施設・ホテル…業態から見る最旬かき氷トレンド2023
コロナ禍の新大久保に見る日本人と外国人の意識の違いについて、アジア専門ライターの室橋裕和さんが解説します。 かき氷ブームがじわじわと広がって久しい昨今、都内ではかき氷専門店だけでなく台湾風かき氷や韓国風かき氷のピンスなど選択肢が大幅に増え、すっかり夏の定番メニューになった印象があります。 季節のフルーツがぜいたくに盛られた「台湾風」、エスプーマを使うなど組み合わせアイデア満載の洋菓子系「ドルチェ氷」のような進化がある一方で、和菓子にルーツを持つ職人のかき氷も人気です。トレンドに敏感な都内ホテルでも、メニューの一つとしてこだわり素材をふんだんに使ったかき氷を提供するなど、かき氷愛好家「かきごーらー」の奥深い世界は留まるところを知りません。 パフェが甘すぎると感じる人にとっては、さっぱりした日本風かき氷がちょうどいいと感じることもあるのでは。今回は最新のかき氷トレンドを調査しました。 (画像:株式会社ネクストグローバルフーズリリースより)●【八重洲】かき氷コレクション・バトン/期間限定のかき氷店POPUPショップ 4月に開業したばかりの東京ミッドタウン「ヤエスパブリック」内の常設店舗「かき氷コレクション・バトン」。こちらでは6月21日までの期間中、沖縄のかき氷専門店「かんなplus」が出店しています。 間違いないおいしさを取るか、珍しい組み合わせを発見するか悩みます(画像:アーバンライフメトロ編集部) 「かんなplus」は、世田谷の人気店「和キッチンかんな」の店主が沖縄に移住して作った分店。沖縄産のフルーツなどの食材をふんだんに使ったぜいたくなかき氷をメインに、南国フルーツのソフトクリームなどを提供しています。 「かき氷コレクション」の期間限定出店では、「イエロー」「レッド」「ピンク」「ディープ」という4種のメニューが提供されています。一番人気は特製ミルクをまとった氷に沖縄産のマンゴーやパッションフルーツのソースをかけ、ラムとマスカルポーネのクリームを乗せた「イエロー」。 今回いただいたのは、特製月桃ミルクをまとった緑がかった氷に、サトイモの一種「ターム」とクリームチーズを合わせた「ディープ」です。粗ごしタームのほろほろとした食感がやさしく、口の中で適度な温度を保ってくれます。底にはシークヮーサーとクリームチーズのソースが。酸味と甘みのバランスが絶妙で、味変の心遣いもうれしい逸品でした。 甘すぎずさっぱりとしながら満足感のある「ディープ」(1,700円)(画像:アーバンライフメトロ編集部)かき氷コレクション・バトン 住所:東京都中央区八重洲2-2-1東京ミッドタウン八重洲 ヤエスパブリック内 TEL:03-6225-2234(コールセンター11:00~19:00) 営業時間:11:00~21:00 アクセス:JR・東京メトロ丸の内線東京駅 地下直結 東京メトロ銀座線 京橋駅より徒歩3分 東京メトロ東西線、銀座線、都営浅草線 日本橋駅より徒歩6分 ●【代々木八幡】茶房 オクノシブヤ/和菓子職人のこだわり餡を使った和スイーツ系かき氷 代々木八幡に4月オープンした「茶房 オクノシブヤ」。新宿で人気の「茶寮 億万」の2号店です。新宿の「茶寮 億万」は、夜は居酒屋、昼は和カフェという業態。そのため広々とした店内が特徴でしたが、こちらはカウンター6席とテーブル8席という落ち着きのある空間となっています。 一杯点て抹茶(1,000円)(画像:FTT合同会社リリースより) 目白の老舗人気店「志むら」で長年店長を務めた和菓子職人がプロデュースするこちらのかき氷メニューは、和菓子の技術を駆使して作られています。練り切りや洋風餡、うぐいす餡、白玉や羊羹、甘酒、和三盆といったトッピングが盛り込まれ、和スイーツ好きにぴったり。 すべてのかき氷には玄米茶やほうじ茶、和紅茶、抹茶といった温かいお茶が付いてくるのもうれしいポイントです。 今後は「鮭定食」「だし巻き定食」「バターチキンカレー」といったランチメニューも提供される予定(画像:FTT合同会社リリースより)茶房オクノシブヤ 住所:東京都渋谷区神山町7-15 ホワイトハイム大嵩102 TEL:03-6804-9889 営業時間:11:00~19:00(L.O18:30) 定休日:火曜 ●【代官山】中町氷菓店/16時まで!おしゃれ居酒屋の昼業態 3月27日、ワイン居酒屋「代官山のんき」内にオープンした「中町氷菓店」。長野に総本店を持つ中町氷菓店は、吉祥寺と鎌倉に直営店を展開しています。 日本各地で「南アルプス八ヶ岳 蔵元八義」の高級天然氷と、厳選された旬の素材を使ったかき氷を提供しています。名水百選にも選ばれた八ヶ岳の天然水を徐々に凍らせた純度の高い氷はふわふわと繊細なくちどけで、温度が下がりすぎないため頭が痛くなりません。 看板メニュー「完熟生苺とメレンゲ」(画像:株式会社ネクストグローバルフーズリリースより) 中町氷菓店では、果物に一切火を入れない非加熱シロップを作っています。果実感あふれる甘酸っぱい生の完熟イチゴをそのまま潰したシロップに、サクサク食感の特注メレンゲを加え食感の変化をつけています。 その他、旬の柑橘をブレンドした一品や、完熟トマトを丸ごと使ってチーズとペッパー、蜂蜜を組み合わせた野菜系かき氷も。 夜はおしゃれなワイン居酒屋に(画像:株式会社ネクストグローバルフーズリリースより)中町氷菓店 代官山店 住所:東京都渋谷区代官山町8-15 DIビル1F(代官山のんき) TEL:03-6455-2277 営業時間:12:00~16:00 アクセス:東急東横線 代官山駅 西口より徒歩7分 JR渋谷駅 新南口より徒歩9分 JR恵比寿駅 西口より徒歩9分 ●【永田町】ホテルニューオータニ(東京)/パティシエの技が光るぜいたくな一品 ホテルニューオータニ(東京)では、毎年人気の天然氷を使ったかき氷3種が9月下旬まで提供されています。 かき氷には湧き水を引いた氷室で作る「日光の天然氷」が使われており、ゆっくりと凍らせる伝統製法によって綿菓子のようにふわふわとした食感が生み出されています。 究極のふわふわかき氷「サツキかき氷」(画像:株式会社ニュー・オータニリリースより) 中でも「和三盆」(2,800円)は、ホテルパティシエが白玉や羊羹ゼリー、黒蜜あんこを忍ばせ、和三盆と黒蜜、藻塩を調和させた奥深い味わいの一品です。一番上に乗ったマカロンは良い口休めに。 2023年新登場した「マンゴー」(2,800円)は、果肉入りのマンゴーゼリーと黒蜜ゼリーとの組み合わせが楽しめます。その他定番の、「博多あまおう」だけを使用した「いちご」(2,500円)も。 初めて仲間入りした「マンゴー」(2,800円)。果肉入りのマンゴーゼリーと黒蜜ゼリーを中にしのばせ、仕上げにマンゴー葛ソースをたっぷりかけた(画像:株式会社ニュー・オータニリリースより)ホテルニューオータニ東京「サツキかき氷」 提供場所:日本料理「KATO’S DINING & BAR」(ガーデンコート ロビィ階) 住所:東京都千代田区紀尾井町4-1 TEL:03-3221-2857 提供期間:2023年4月29日(土・祝)~9月下旬 提供時間:ランチ 11:30~14:00(L.O.) ディナー 17:00~20:00(L.O.) ※サービス料別途 東京の今を映し出すかき氷のトレンド 今回ご紹介したかき氷店は、東京の今を伝えています。商業施設での期間限定POPUPショップ、プレミアムな専門店、トレンドに敏感なホテルでの提供、居酒屋の二毛作形態と、時代を反映し、多様な進化を続けるかき氷。今後もその動向から目が離せませんね。
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