池袋から浅草へ 都営バス「1時間の小旅行」で見られる意外なまちの姿とは

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池袋から浅草へ 都営バス「1時間の小旅行」で見られる意外なまちの姿とは

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鳴海侑(まち探訪家)

池袋駅東口と浅草寿町を結ぶ都営バス「草63系統」の魅力について、まち探訪家の鳴海行人さんが解説します。

池袋駅東口から出発

 2020年は暖冬傾向でしたが、まだ寒いときもあります。そんな時期におすすめなのが「路線バス」。車窓が変わりさまざまな東京の姿が見られる路線バスは、この時期特におすすめです。

 そこで今回は、路線バスを使ったまちめぐりとして都営バスの「草63系統」をピックアップし、ご紹介したいと思います。

「草63系統」は、池袋駅東口と浅草寿町を結ぶ路線です。今回は池袋駅東口からバスに乗ってみます。

池袋駅東口の都営バス乗り場の様子(画像:(C)Google)



 池袋駅の乗り場は東口のパルコの前。「草63系統」は「とげぬき地蔵前」行きと「浅草寿町」行きのふたつの行き先の系統が走っていますので、乗り間違いに注意してください。

 今回は「浅草寿町」行きに乗ります。運行間隔はおおむね12分から15分程度。タイミングによっては少し待つ事があるかもしれません。

「池袋」だけではない豊島区の姿を見る

 さて、池袋駅東口を発車するとバスはまず明治通りを北東に向かいます。

 明治通りの池袋から北東の区間は本数の多いバス系統が何本も走っているため、バスの利用者が多い地域です。なんでもない住宅街の中でも何人も乗り降りしていくのを見ていると、地下鉄だけではなく、バスの利用も大都市・東京でもしっかり定着していることがわかります。

 国道17号との交差点である西巣鴨交差点でバスは右折すると東京さくらトラム(都電荒川線)と交差し、巣鴨エリアに入っていきます。特に「とげ抜き地蔵前」では多くの高齢者が乗り降りし、「おばあちゃんの原宿」と言われる巣鴨エリアの人気がよくわかります。

西巣鴨交差点の様子(画像:(C)Google)

 このあたりまでが豊島区内の区間です。豊島区といえども、池袋だけではない違った姿の豊島区を感じることができるのではないでしょうか。

落ち着いた丘陵地の住宅街を楽しめる文京区内

 巣鴨駅を過ぎると文京区内に入ります。千石駅で広々としている白山通りを離れ、片側1車線の道になり、丘陵地に入っていきます。このあたりも各停留所での乗り降りが多く、バスが重宝されていることがわかります。

 西巣鴨から白山駅までの区間は都営地下鉄三田線の上を通っていますが、白山上から一瞬だけ地下鉄沿線を離れ、丘を越えて団子坂を下り、千駄木へ出ます。

団子坂下から坂を見た様子(画像:(C)Google)



 都営三田線沿いから東京メトロ千代田線沿いに一気に移動するわけですが、不思議とここが近いという印象は持ちにくい場所です。意外なショートカット区間として歩くこともできるので、知っておくと何かの時に使えるかもしれません。

 豊島区内に比べると文京区内では片側1車線の道を走る区間が長く、住宅地を近くに感じることができますし、豊島区よりも古く成立した住宅街、あるいは丘陵地の住宅街の雰囲気も感じられ、違いを楽しむと面白い区間です。

商店が立ち並ぶエリアから、明治通りへ

 さて、千駄木から少しだけ不忍通りを走ると道灌山エリアを抜けます。このあたりで進学校として有名な開成中学校・高校(荒川区西日暮里)の横を通り、西日暮里駅につきます。ここまでがおおむね文京区内の区間です。

荒川区西日暮里の開成中学校・高校付近の様子(画像:(C)Google)

 西日暮里からは荒川区内を走ります。今度は、下町的な密集した住宅地と古くからの商店が立ち並ぶエリアを抜け、再び明治通りへ入ります。

 拡幅されている通り沿いなのでマンションが多い区間ですが、荒川区役所(荒川区荒川)の横を抜け、東京メトロ日比谷線の三ノ輪橋駅近くで右左折をすると国際通りに入り台東区のエリアとなります。すると古い雑居ビルが目立ち始めます。

荒川区を抜け「カオス」な浅草エリアへ

 下町というと、古くて狭い一軒家が目立つイメージがありますが、実際の下町エリアはこうした古い事業所の入ったビルやビルに入った町工場、そしてマンションが立ち並ぶ場所です。そうしたイメージとは違う実際の下町エリアの姿を楽しめるのもこの区間の特徴ではないでしょうか。

 言問通りを渡ると、浅草近辺の消費や娯楽が見えるエリア「浅草六区」になります。国際通り沿いにある専門店ビル「浅草ROX」(台東区浅草)をはじめ、場外馬券売り場やドン・キホーテ、日本各地の和のものを集めた商業施設「まるごとにっぽん」(同)もこのエリアにあり、歩いて見るとすごくカオスで面白い空間ではないかと思います。最寄りバス停は「浅草公園六区」です。

バス停「浅草公園六区」付近の様子(画像:(C)Google)



 浅草に「落ち着いた和」のイメージを持っている人はぜひこのカオス感を体験してみてください。また浅草六区から浅草雷門にかけては商店街が面的に発達しているため、まちあるきにも最適なエリアです。

 ちなみに、浅草六区で降りずに「草63系統」に乗り続けると、程なくして終点「浅草寿町」のバス停に着きます。浅草の名前を冠してはいますが、駅で言うと東京メトロ銀座線の田原町駅です。

 ここから浅草雷門まで歩いて10分弱。「浅草公園六区」からも同じくらいですので、全線乗車にこだわらなければ、「浅草公園六区」バス停で下車し、浅草のまちを楽しむことをおすすめします。

浅草でのおすすめは「デンキブラン」

 そして浅草のまちを楽しんだら、喫茶店や甘味所を探して入って休むといいでしょう。

「草63系統」は池袋から浅草まで約1時間かけて走りますので、座っていたとしても結構疲れると思います。私も好きでよく乗りますが、大体浅草のまちを見て歩いたら甘味所かバーに寄って帰ります。

 特にお酒が好きならばおすすめできるのが東京メトロ銀座線浅草駅上の「神谷バー」(台東区浅草)です。リーズナブルな料金で飲食が楽しめる場所で、食券方式のため、会計にビクビクしながら飲む必要はありません。

「神谷バー」付近の様子(画像:(C)Google)



 名物は「デンキブラン」。独特の甘さとアルコール感がマッチしてクセになるお酒です。アルコール度数は強いので、飲み過ぎにはくれぐれも気をつけてください。おつまみもおいしく、私はジャーマンポテトがお気に入りでよく食べています。

「神谷バー」のいいところは、飲んでいい気分になっても寒風にあまり吹かれることなく、すぐに東京メトロ銀座線に乗れるところです。また、銀座線以外にも東武伊勢崎線、都営浅草線が通っており、都営浅草線は京成押上線や京急本線と直通していますので、さまざまな方面にも帰りやすい場所だと思います。

 ここまで、寒い季節に東京都心で意外なまちの姿を眺められるショートトリップとして、都営バス「草63系統」をご紹介しました。ぜひ、寒い日でもできるまちめぐりとして楽しんでみてください。

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