徳永英明『最後の言い訳』――新幹線のホームに流れる満男と泉の別れのBGM 葛飾区【連載】ベストヒット23区(9)
2019年12月29日
知る!TOKYO人にはみな、記憶に残る思い出の曲がそれぞれあるというもの。そんな曲の中で、東京23区にまつわるヒット曲を音楽評論家のスージー鈴木さんが紹介します。
国民的コンテンツをふたつも持つ区
「23区の中で一番有名なのはどこだろう?」と考えることがあります。皇居を擁する23区の代表的存在 = 千代田区や、おしゃれな港区、若者の渋谷区などが候補に上りますが、その他に大穴の区があると私は思うのです。
それは葛飾区。何といっても、誰もが知っている国民的コンテンツを持っているのですから。それもふたつも。
ひとつは映画『男はつらいよ』。渥美清主演で1969(昭和44)年から1995(平成7)年までに全48作品が公開された、屈指の国民的人気映画シリーズ。
渥美清演じる車寅次郎の超・有名な自己紹介フレーズは「私、生まれも育ちも葛飾柴又です」と、のっけから、この映画の舞台が葛飾区であることを宣言します。

もうひとつ。こちらは国民的人気を得た漫画シリーズ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)。雑誌『少年ジャンプ誌』で40年の長きにわたって連載され、それをまとめたコミックスは何と200巻。こちらもタイトルに堂々と「葛飾区」の文字。
今回は、このたび新作が作られた『男はつらいよ』に注目します。「ベストヒット葛飾区」は「ベスト・ヒット寅さん」。さて、どんな音楽が流れてきますやら。

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