伊豆諸島「新島」に眠る知られざる廃道と旧道――東京都道211号線若郷新島港線を訪ねる
2019年10月27日
お出かけ伊豆七島の新島にある廃道となった都道について、都市探検家の黒沢永紀さんが解説します。
新島とは何か
伊豆七島の本州寄りに位置する新島は、大海原に囲まれた離島ゆえに、つい東京都であることを忘れがちです。
渋谷駅前に鎮座するモヤイ像発祥の地でもあり、くさやでも知られる新島。そんな島の北東部に、島民ですらほとんど訪れない、かつての都道の跡がひっそりと眠っています。今回は、大自然の離島に佇む廃道の話です。
新島は東京から南に約150km、南北11.5km、東西3.2kmの縦長な島です。島のほぼ中央の窪地に空港があり、その西側に隣接して島内最大の集落である「本村(ほんそん)」があります。

縄文時代にはすでに人がいたようですが、江戸時代には流刑の島として多くの罪人が流されました。白砂で囲まれた流人の墓は、新島ならではのものでしょう。
江戸中期の1703(元禄16)年。島を襲った大地震によって、本村の北部が崖崩れによる被害を被り、生き残った住民が島の北端へ移住してできたのが、現在も人が住む集落の「若郷(わかごう)」でした。
新島にはこの本村と若郷の2集落しかなく、いずれも島の西側の海岸沿いに位置します。久しく、本村と若郷の交通は不便を極めていましたが、それを打開すべく最初に建設された車道が、今回訪れる都道211号「若郷新島港線」です。

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