ブームと逆行? あえて東京の老舗で楽しむ「シメパフェ」の魅力とは
2019年10月9日
知る!TOKYO数年前から流行っている「シメパフェ」について、法政大学大学院教授の増淵敏之さんが解説します。
糖質とインスタ映え両方を満たす存在
筆者(増淵敏之。法政大学大学院政策創造研究科教授)の地元である札幌は札幌ラーメンが有名で、お酒を飲んだあとにはラーメンで「シメる」という流れが一般的です。

しかし2、3年前からラーメンの代わりにパフェを食べる「シメパフェ」がブームになりました。女性だけでなく男性もハマっていると聞き、当時驚きました。1か月ほど前に札幌へ行く機会があったので、ついでにシメパフェを提供するお店を訪れてみました。
その日は日曜日の夜だったので並ばないだろうと思っていたのですが、ススキノにある有名店はなんと40分待ち。それから2軒回りましたが、やはり混んでいて入れませんでした。結果的には、飲食店が多く店を構える創生川イースト地区(同市中央区)まで行ってようやく食べられましたが、まさかここまで定着しているとは思いませんでした。
アルコールを摂取すると、人間の身体はアルコールを分解するために糖質を使って低血糖状態になります。低血糖状態になると体が糖質を欲し、人は空腹感を感じるようになります。
糖質といえばラーメンは代表的な食べ物ですが、それをパフェが代替していると考えられます。またアルコール摂取後の少し火照った身体を、甘く冷たいパフェでクールダウンするのも理に適っています。もちろんインスタ映えするパフェは、人々を惹きつける重要な魅力にもなっているのです。
東京では「夜パフェ」と呼ばれる
東京でもシメパフェをアピールする店が増えています。東京では「夜パフェ」と呼ぶのが一般的で、飲食店関連の記事に数多く紹介されています。しかし、シメパフェがなぜブームになっているのでしょうか。しかも女性のみならず、男性も。

かつて「スイーツ男子」という言葉が流行り、彼らが好むスイーツがコンビニで並ぶようになりました。今や、メディアでスイーツ好きの著名人が登場することは珍しくありません。
まさにダイバーシティ(多様性)の時代であり、嗜好の細分化・多様化が進んでいることが投影されています。しかし甦るのは、札幌からかつて鳴り物入りで都内に広まったジンギスカン、スープカレーの記憶。いつの間にかその大半は淘汰され、いくつかの店が残るばかりです。

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