都心から40km 立ち並ぶ横文字看板と鉄条網、米軍基地の街「福生」を歩く
2019年8月25日
お出かけ「基地の街」として知られる福生市。そんな同市の歴史やベースサイドストリートの店舗などについて、紀行ライターのカベルナリア吉田さんが解説します。
馬が行き交った、横田基地の最寄り駅前
JR八王子駅の八高線ホームに向かうと、次の列車は……30分後!
都内で列車を30分待つ駅があるとは。さすが、平成になっても非電化ディーゼル車両が走っていた八高線(今も高麗川以北は非電化です)。そんな都内屈指のローカル線で目指すのは、米軍の横田基地がある福生です。

「東福生~東福生です~」
八王子から4駅めの東福生駅で降ります。JR青梅線にも「福生駅」がありますが、横田基地の最寄り駅は東福生駅なんです。
だけど降りると、ホームと跨線橋(こせんきょう。線路をまたぐ橋)だけの簡素な駅に驚きます。跨線橋の上に一応、小さな駅員室もありますが、駅員はいたりいなかったり。都内に今どき、こんな駅があるなんて。本当にここが横田基地の最寄り駅? 戸惑いながら駅を出て、東へ進みます。
駅前を横切る小道は「わらつけ街道」。やはり近くに米軍基地があるとは思えない「わらつけ」。かつてこの辺りは桑畑が広がり、背中にわらを付けた馬が行き交っていたとか。筵(むしろ)や草履の材料になる藁(わら)が、近くで採れたそうです。
しかしそのまま進み、国道16号に出ると突然、景色が変わります。
途切れなく行き交う車。そして道を渡った向こう側、西側には鉄条網をめぐらせた横田基地の塀が、延々と続いています。ゲートに「U.S. AIR FORCE」の文字も。一方で道の東側には、横文字看板の店が何軒もあります。ハンバーガー屋にカフェ、Tシャツ屋にタトゥー屋、アンティーク雑貨ショップに中古家具屋、テーラー(洋品店)。
数分前に見た「わらつけ街道」の、のどかな風景が嘘のよう。いきなり目の前に「アメリカ」が迫ってきて、しばし茫然とします。
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